カンボジア経済

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アジア開発銀行 アジアの成長率予測を引き下げ カンボジアもマイナスに

2020年06月25日 | 経済
 6月18日、アジア開発銀行(ADB)は、アジア経済見通し2020年6月補足版を発行し、アジア諸国の成長率予測を大きく引き下げました。4月3日に発行していたアジア経済見通し2020年を改訂したものです。ADBでは、「アジア・太平洋地域の経済は、ロックダウンが徐々に緩和され、ニューノーマルのシナリオの下で経済活動が一部再開されたとしても、年内は新型コロナウイルスのパンデミックの影響を感じ続けることになるであろう」として、日本等の先進国を除くアジア地域の2020年の成長率を0.1%(4月予測2.2%)、2021年6.2%(同6.2%)に引き下げました。
 東南アジア諸国については、地域全体の成長率を、2020年マイナス2.7%(同1.0%)、2021年5.2%(同4.7%)としています。東南アジア諸国の中で2020年成長率の引下げが最も大きかったのはカンボジアで、4月予測の2.3%から7.8%ポイント引き下げてマイナス5.5%まで落ち込む予測としています。2021年については、5.9%(同5.7%)と回復するとしています。この他の諸国の2020年の成長率も、タイはマイナス6.5%(同マイナス4.8%)、シンガポールはマイナス6.0%(同0.2%)、マレーシアはマイナス4.0%(同0.9%)等と大幅に予測が引き下げられました。例外的に2020年の成長率が大きくマイナスとなっていない例としては、ベトナム4.1%(同4.8%)があります。多くの諸国で、主要輸出先国の需要激減による輸出産業への打撃、観光客激減による観光セクターへの打撃、国内需要の低迷等の厳しい状況が続いているとしています。
 なお、インフレ率については、アジア地域全体で、2020年2.9%(同3.2%)と大きな変更はありませんでした。カンボジアのインフレ率も2020年2.1%(同2.1%)、2021年1.8%(同1.8%)と変更なしでした。
 他の機関もカンボジアの成長率を軒並みマイナスに引き下げています。カンボジア政府の予測は、2020年マイナス1.9%、2021年3.1%となっています。国際通貨基金(IMF)は、2020年マイナス1.6%、2021年6.1%としています。世界銀行は、通常シナリオで、2020年マイナス1.0%、2021年6.0%、悲観シナリオでは、2020年マイナス2.9%、2021年3.9%と予測しています。格付け機関のムーディーズは、2020年マイナス0.3%、2021年6.0%としています。
 こうした中で、アジア開発銀行は、今年の成長率予測で最も厳しいマイナス5.5%との予測であり、カンボジア経済の今後については、引き続き困難な状況が続くものと懸念されます。

アジア開発銀行の発表(和文)
https://www.adb.org/ja/news/developing-asia-grow-just-0-1-2020-adb



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