5月20日~21日、日本経済新聞社主催の国際交流会議「アジアの未来」が開催されました。「アジアの未来」は、アジア大洋州地域の各界のリーダーらが、域内のさまざまな問題や世界の中でのアジアの役割などについて率直に意見を交換し合う国際会議で、1995年から開催されています。今年も、カンボジア、フィリピン、マレーシア、ベトナム、タイ、ラオス等の各国の首相が参加しました。カンボジアからフン・セン首相も参加して、オンラインで講演を行いました。
フン・セン首相は、新型コロナに関し、「アジアが、世界経済を回復させるカギを握る。そのためにはまず、ワクチンの供給格差の是正が必要であり、ワクチンを世界の公共財にすべきだ。」と述べています。米中対立については、「アジアが高い経済成長率を維持するためには米国と中国の協調が欠かせない。バイデン米政権が発足してもなお両国関係は緊張が続き、アジアの経済や安全保障に悪影響が及んでいる。緊張緩和に向けた努力をしてほしい。」と訴えました。また、カンボジアは過度に中国に依存しているとの指摘に対し、「中国の支援がなければいったい誰に頼ればよいというのか。重要インフラの整備には中国による投資が不可欠だ。ワクチンは中国が多くを届けてくれた。他の国は手を差し伸べてくれただろうか。」と述べています。ただ、「カンボジアは多くの国に依存しており、我が国に関与するための門戸はこれまでと変わらず開かれている。」と各国とのバランスにも考慮している姿勢を見せました。
今回の会議では、中国のパワーを背景にして、国内で強権的な対応を取る国々が欧米等から批判を受けることが目立ちました。アジア各国は、米中両大国の狭間でのバランスに苦慮している面も注目されました。そうした中で、カンボジアの「親中」発言が取り上げられた面があるものと見られます。小国であるカンボジアの綱渡り外交は、当面続くものと見られます。
(写真は、AKPより)
日本経済新聞社の「アジアの未来」
https://futureofasia.net/asia2021/
↓にほんブログ村のランキングに参加しています。よろしければクリックしてください↓
にほんブログ村
フン・セン首相は、新型コロナに関し、「アジアが、世界経済を回復させるカギを握る。そのためにはまず、ワクチンの供給格差の是正が必要であり、ワクチンを世界の公共財にすべきだ。」と述べています。米中対立については、「アジアが高い経済成長率を維持するためには米国と中国の協調が欠かせない。バイデン米政権が発足してもなお両国関係は緊張が続き、アジアの経済や安全保障に悪影響が及んでいる。緊張緩和に向けた努力をしてほしい。」と訴えました。また、カンボジアは過度に中国に依存しているとの指摘に対し、「中国の支援がなければいったい誰に頼ればよいというのか。重要インフラの整備には中国による投資が不可欠だ。ワクチンは中国が多くを届けてくれた。他の国は手を差し伸べてくれただろうか。」と述べています。ただ、「カンボジアは多くの国に依存しており、我が国に関与するための門戸はこれまでと変わらず開かれている。」と各国とのバランスにも考慮している姿勢を見せました。
今回の会議では、中国のパワーを背景にして、国内で強権的な対応を取る国々が欧米等から批判を受けることが目立ちました。アジア各国は、米中両大国の狭間でのバランスに苦慮している面も注目されました。そうした中で、カンボジアの「親中」発言が取り上げられた面があるものと見られます。小国であるカンボジアの綱渡り外交は、当面続くものと見られます。
(写真は、AKPより)
日本経済新聞社の「アジアの未来」
https://futureofasia.net/asia2021/
↓にほんブログ村のランキングに参加しています。よろしければクリックしてください↓
にほんブログ村