「惨めなものね。
あなた、この15年間、何やって生きてきたの?
家族に捨てられて、
こんな古ぼけたアパートに暮らして、
人の亭主、寝取って、
あなたの人生って何?」
「いいの、あたしはこれで。
このペンダント(15年前、彼からプレゼントされたもの)がある限り、
私は生きていける」
そのペンダントを引きちぎり、
「あなた、15年間もこんなものにすがって生きてきたの?
これからもそうやって生きていくの?
へえ、たいしたもんね。
だからあなたには何もないのよ。
あなたなんか、
この寂しい部屋で虫けらみたいに、死んでいくに決まっている。
死になさい!あなたなんか」
ちぎれて落ちているペンダントを、蹴とばして、部屋から出て行く。
春枝(渡辺梓)は自殺だった。
しかし、「殺人」と言ってもいい、言葉による暴力だった。
久乃(川上麻衣子)は、夫を寝取られた怒りと、春枝への哀れみと蔑みの入り混じった表情だった。
留美(松下由樹)に問い詰められて、白状したあと
「私は悪くない」という言葉を3回繰り返した。
自分に言い聞かすように。
久乃も後悔している様子を見せて、彼女の行為を擁護している演出・脚本だが、ここまで言わせる?
演じた川上麻衣子は、不幸を演じることの多い女優さん。木村多江さんと同様なタイプの女優で彼女の1世代前と言えばよいのか。好きな女優のひとり。
親友だった久乃だけでなく、同じく親友だった留美からも「あなたとは、もう関係ない。さようなら」と言われていた春枝。耐え切れず、自殺。
なんともやるせない結末。
今回は、今の自分に迷いや苛立ちや孤独を感じる女性(留美・春枝・久乃)がテーマ。改めて、仕事への強く決意した留美だった。
そして、倉石検視官(内野聖陽)はすべてを見通していたうえで、「他殺」と見立て、留美に久乃の言葉の暴力までたどり着かせ、留美の呵責の念を軽くしてやるという思いやりを見せた。
それはいいが、その倉石の見立てに振り回された現場の刑事は気の毒であるし、倉石の行為は許されざるものだろう。
何のドラマでもそうかもしれないが、主人公を引き立たせるためのストーリーはあってもいいと思う。
しかし、このドラマは、毎回、それが第一テーマであるように思える。否定はもちろんできないが、好きではない。
「俺の(好み)とはちがうなあ」
あなた、この15年間、何やって生きてきたの?
家族に捨てられて、
こんな古ぼけたアパートに暮らして、
人の亭主、寝取って、
あなたの人生って何?」
「いいの、あたしはこれで。
このペンダント(15年前、彼からプレゼントされたもの)がある限り、
私は生きていける」
そのペンダントを引きちぎり、
「あなた、15年間もこんなものにすがって生きてきたの?
これからもそうやって生きていくの?
へえ、たいしたもんね。
だからあなたには何もないのよ。
あなたなんか、
この寂しい部屋で虫けらみたいに、死んでいくに決まっている。
死になさい!あなたなんか」
ちぎれて落ちているペンダントを、蹴とばして、部屋から出て行く。
春枝(渡辺梓)は自殺だった。
しかし、「殺人」と言ってもいい、言葉による暴力だった。
久乃(川上麻衣子)は、夫を寝取られた怒りと、春枝への哀れみと蔑みの入り混じった表情だった。
留美(松下由樹)に問い詰められて、白状したあと
「私は悪くない」という言葉を3回繰り返した。
自分に言い聞かすように。
久乃も後悔している様子を見せて、彼女の行為を擁護している演出・脚本だが、ここまで言わせる?
演じた川上麻衣子は、不幸を演じることの多い女優さん。木村多江さんと同様なタイプの女優で彼女の1世代前と言えばよいのか。好きな女優のひとり。
親友だった久乃だけでなく、同じく親友だった留美からも「あなたとは、もう関係ない。さようなら」と言われていた春枝。耐え切れず、自殺。
なんともやるせない結末。
今回は、今の自分に迷いや苛立ちや孤独を感じる女性(留美・春枝・久乃)がテーマ。改めて、仕事への強く決意した留美だった。
そして、倉石検視官(内野聖陽)はすべてを見通していたうえで、「他殺」と見立て、留美に久乃の言葉の暴力までたどり着かせ、留美の呵責の念を軽くしてやるという思いやりを見せた。
それはいいが、その倉石の見立てに振り回された現場の刑事は気の毒であるし、倉石の行為は許されざるものだろう。
何のドラマでもそうかもしれないが、主人公を引き立たせるためのストーリーはあってもいいと思う。
しかし、このドラマは、毎回、それが第一テーマであるように思える。否定はもちろんできないが、好きではない。
「俺の(好み)とはちがうなあ」