英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

「あやとり」(中田七段作詰将棋)の解答

2014-06-13 23:45:44 | 詰将棋
「あやとり ……中田七段作詰将棋 『将棋世界』2014年6月号」の解答です。


 初手は▲2五香や▲2六香と守備の馬の利きを変える手も考えられますが、攻め方の角と金がダブっているように感じるので、まず▲3四金(第1図)と焦点の捨てたくなります。


 これに対する応手は①△3四同馬、②△3四同桂、③△1五玉。
 ②△3四同桂には▲1四と(変化図1)、③△1五玉には▲3三角成(変化図2)で詰みます。

 桂を跳ねて利きを減らしたり、取れる金を取らずに玉が逃げるのは損なので、やはり△3四同馬(第2図)が正着です。


 こうして馬を軽くしておいて、▲2五香(第3図)が手順。


 △2五同馬と取りますが


 金を捨てた効果で▲3三角成が可能になり、


 詰みます。

 第3図では△1五玉とかわし上部脱出を図る手もありますが、


 ▲3七角で捕まえられます。



 さて、実はこの作品の作為手順は▲3四金△同馬▲2五香△1五玉▲3七角の5手詰です。
 感触の良い手順ですが、初手の金捨ては角筋を通すのが主目的で、それによって4手目△2五同馬に▲3三角成が可能になるという流れがあり、攻め駒の3六の龍、3三の馬、1五の香、1三のと金が一筆書きのように見事に連携しています。こちらの方が作為手順に思えます。
 ……う~ん、考えられる理由は……この手順は最終手が▲3三角不成でも成立します。これが気になったのかもしれません。


 この作品、攻め駒の連携が素晴らしいです。


 玉方の指し手によって、角が3三に移動したり3七に移動したり、と金が働いたりと変幻自在に玉を絡め取ります。まるで“あやとり”のように。
コメント (2)
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