『「今クールドラマ、感想」のその後』(5月28日記事)のその後です。
『MOZU』
~妻を失った公安のエース。記憶を失った殺し屋。激しくぶつかりあう魂は、一体どこへ向かうのだろうか?~
(TBSとWOWOWの共同制作のハードボイルドドラマ)
マルチサイトのアドベンチャーゲーム風仕立てのドラマで、主要登場人物4人の背負うものを並立して描きながらストーリーが進んでいくという私好みのドラマであった。
しかし、第二部(WOWOW)へも謎を残さなくてはならなかったので、真相解明や決着のつけ方も中途半端で、ストーリー自体も破綻気味であったのが残念。
しかも、謎(真相)の明かし方が、登場人物の語りで済ませてしまうことが多かったのもマイナスポイントであった。
新谷宏美を筆頭に登場人物の多くが、「これは死んだだろう」⇒「かなり平気そう」というパターンが何度も繰り返され、ゾンビ並みの回復力であった。
『ホワイト・ラボ~警視庁特別科学捜査班~』
~かっこいい科学オタクたちが日本の犯罪捜査を大きく変える~
前回も記述したが
『科捜研の女』より、それぞれの刑事がキャラが立っていて、展開がスピーディーだ。
ただ、人情話を絡め、その部分が長くしつこい。
という感想は変わらず。
最終回は、ちらちらと顔を出していた朝比奈沙羅 (矢田亜希子) の事件の究明・解決編(主人公・ 一ノ瀬 (北村一輝)の父が殺人を犯し、自決した真相の究明でもあった)。
天才科学者・沙羅の狂気が引き起こした事件で、父親は巻き込まれただけであった。
正直言って、使い古されたパターンで、シリーズを通して引っ張るネタではなかった。警察上層部の大掛かりな関与も匂わせていたが、それほどのモノでもなかった。
そもそも、父親が拳銃で命を絶つ回想シーンが何度も流されたが、捏造された事実で実際は違っていた。これは、ルール違反であろう。
最近のドラマはこういうパターンが多い。
そういう盛り上げ方はやめて、個性的なキャラや科学捜査の面白さで勝負すべきである。
『ビター・ブラッド』
~最悪で最強な親子バディ刑事が誕生!!!本格的な刑事ドラマをコメディータッチで描く!~
“コメディータッチ”と言うより、コメディそのもの。
「擦れ違いが多かった親子が刑事としてバディを組み、事件を解決し心が通じ合っていく」が主題であろうが、“おちゃらけ”が多過ぎて、事件解決に至るまでにイラつきストレスを感じてしまう。
せめて、事件周辺がしっかり練り込まれていれば、それも我慢できたが……
1~5話、7話、8話、10話、11話(最終話・小峯裕之と共同)の脚本を担当した小山正太氏は第25回「フジテレビヤングシナリオ大賞」で、大賞と佳作を史上初めて同時受賞した若手脚本家であるが、ストーリーの整合性とキャラの感情部分の起伏を折り合わせなけれならない連続刑事ドラマは、荷が重かったように感じる。回が進むごとに、質が落ちていったように思う。
最終回も突っ込みどころが多かった。
①シリーズを通して、仇敵の貝塚(及川博光)が意味不明であった。
サイトによると
「かつて犯罪を犯し、その際に明村に足を撃たれたため足が不自由。明村に復讐心を抱き続けている。明村の元バディである、瞳の父である前田修一を殺した犯人。現在も逃亡中」
らしいが、どういう経緯で刑事であった貝塚が犯罪に手を染めたのか、足を撃たれた時の詳細も語られないし、「家族や仲間を失った」と明村をののしるが、どう考えても単なる「逆恨み」にしか思えない。
犯行は狂人だが、動機は凡人以下。
シリーズ中盤、自らビルから落下したが、どういうトリックで逃げ延びたのかも分からない。
★足が不自由と言う割には、かなりの身体能力があるようだ。
最終回がらみについてだけでも、
・足を撃ち抜かれて気を失っていた明村を逆さ吊りにするのは、かなりの身体能力が必要。そもそも、アジトへ運ぶのも至難の業。
・遊園地の観覧車にどうやって爆弾を仕掛けたのか?
・子どもを誘拐したり、バスの運転手に爆弾を取り付けたりするのも、相当大変
・明村が囚われている場所に夏輝は一直線に走っているが、遊園地を熟知していたのか?
全力疾走で相当な時間走っていたが、その距離を貝塚は容易に移動したのだろうか?
★貝塚以外でも突っ込みどころは多々ある。
・刑事課の連中は、バスジャック事件のことを知っていたと思うが、夏輝からの時限爆弾の解除法を尋ねられても、遊園地のアトラクションと判断してしまうのはお気楽すぎる
・バスジャック犯はどうなったのだろうか?警察に出頭しないの?運転手は?
・貝塚が生きていることを知った瞳、パニックになり過ぎ
・撃たれて(実は警察手帳で命拾い)死んだふりの明村だが、足を撃たれるなど貝塚にいたぶられたので、入院したのだろうか?
それに対し、夏輝は腹部を撃たれたはずなのに、平気?
時限爆弾解除→明村に仕掛けられた時限爆弾の起動、
明村の時限爆弾解除→銃弾発射
という二重三重の仕掛けは評価できる。
『MOZU』
~妻を失った公安のエース。記憶を失った殺し屋。激しくぶつかりあう魂は、一体どこへ向かうのだろうか?~
(TBSとWOWOWの共同制作のハードボイルドドラマ)
マルチサイトのアドベンチャーゲーム風仕立てのドラマで、主要登場人物4人の背負うものを並立して描きながらストーリーが進んでいくという私好みのドラマであった。
しかし、第二部(WOWOW)へも謎を残さなくてはならなかったので、真相解明や決着のつけ方も中途半端で、ストーリー自体も破綻気味であったのが残念。
しかも、謎(真相)の明かし方が、登場人物の語りで済ませてしまうことが多かったのもマイナスポイントであった。
新谷宏美を筆頭に登場人物の多くが、「これは死んだだろう」⇒「かなり平気そう」というパターンが何度も繰り返され、ゾンビ並みの回復力であった。
『ホワイト・ラボ~警視庁特別科学捜査班~』
~かっこいい科学オタクたちが日本の犯罪捜査を大きく変える~
前回も記述したが
『科捜研の女』より、それぞれの刑事がキャラが立っていて、展開がスピーディーだ。
ただ、人情話を絡め、その部分が長くしつこい。
という感想は変わらず。
最終回は、ちらちらと顔を出していた朝比奈沙羅 (矢田亜希子) の事件の究明・解決編(主人公・ 一ノ瀬 (北村一輝)の父が殺人を犯し、自決した真相の究明でもあった)。
天才科学者・沙羅の狂気が引き起こした事件で、父親は巻き込まれただけであった。
正直言って、使い古されたパターンで、シリーズを通して引っ張るネタではなかった。警察上層部の大掛かりな関与も匂わせていたが、それほどのモノでもなかった。
そもそも、父親が拳銃で命を絶つ回想シーンが何度も流されたが、捏造された事実で実際は違っていた。これは、ルール違反であろう。
最近のドラマはこういうパターンが多い。
そういう盛り上げ方はやめて、個性的なキャラや科学捜査の面白さで勝負すべきである。
『ビター・ブラッド』
~最悪で最強な親子バディ刑事が誕生!!!本格的な刑事ドラマをコメディータッチで描く!~
“コメディータッチ”と言うより、コメディそのもの。
「擦れ違いが多かった親子が刑事としてバディを組み、事件を解決し心が通じ合っていく」が主題であろうが、“おちゃらけ”が多過ぎて、事件解決に至るまでにイラつきストレスを感じてしまう。
せめて、事件周辺がしっかり練り込まれていれば、それも我慢できたが……
1~5話、7話、8話、10話、11話(最終話・小峯裕之と共同)の脚本を担当した小山正太氏は第25回「フジテレビヤングシナリオ大賞」で、大賞と佳作を史上初めて同時受賞した若手脚本家であるが、ストーリーの整合性とキャラの感情部分の起伏を折り合わせなけれならない連続刑事ドラマは、荷が重かったように感じる。回が進むごとに、質が落ちていったように思う。
最終回も突っ込みどころが多かった。
①シリーズを通して、仇敵の貝塚(及川博光)が意味不明であった。
サイトによると
「かつて犯罪を犯し、その際に明村に足を撃たれたため足が不自由。明村に復讐心を抱き続けている。明村の元バディである、瞳の父である前田修一を殺した犯人。現在も逃亡中」
らしいが、どういう経緯で刑事であった貝塚が犯罪に手を染めたのか、足を撃たれた時の詳細も語られないし、「家族や仲間を失った」と明村をののしるが、どう考えても単なる「逆恨み」にしか思えない。
犯行は狂人だが、動機は凡人以下。
シリーズ中盤、自らビルから落下したが、どういうトリックで逃げ延びたのかも分からない。
★足が不自由と言う割には、かなりの身体能力があるようだ。
最終回がらみについてだけでも、
・足を撃ち抜かれて気を失っていた明村を逆さ吊りにするのは、かなりの身体能力が必要。そもそも、アジトへ運ぶのも至難の業。
・遊園地の観覧車にどうやって爆弾を仕掛けたのか?
・子どもを誘拐したり、バスの運転手に爆弾を取り付けたりするのも、相当大変
・明村が囚われている場所に夏輝は一直線に走っているが、遊園地を熟知していたのか?
全力疾走で相当な時間走っていたが、その距離を貝塚は容易に移動したのだろうか?
★貝塚以外でも突っ込みどころは多々ある。
・刑事課の連中は、バスジャック事件のことを知っていたと思うが、夏輝からの時限爆弾の解除法を尋ねられても、遊園地のアトラクションと判断してしまうのはお気楽すぎる
・バスジャック犯はどうなったのだろうか?警察に出頭しないの?運転手は?
・貝塚が生きていることを知った瞳、パニックになり過ぎ
・撃たれて(実は警察手帳で命拾い)死んだふりの明村だが、足を撃たれるなど貝塚にいたぶられたので、入院したのだろうか?
それに対し、夏輝は腹部を撃たれたはずなのに、平気?
時限爆弾解除→明村に仕掛けられた時限爆弾の起動、
明村の時限爆弾解除→銃弾発射
という二重三重の仕掛けは評価できる。