英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

『司法教官・穂高美子3』(土曜ワイド劇場・5月31日放送)

2014-06-01 16:29:39 | ドラマ・映画
これぞ、土曜ワイド劇場のダイゴミ!
(あえてカタカナで書いた理由は、記事を読んで察してください
 あまりの感動に、整理して書く気力がありません。事象の羅列になることをご了承ください)


★登場人物のキャラクターが典型的だが破綻気味
サブタイトルが
「死亡時刻が二転三転!? 謎の“スイーツ姉妹」
 だが、実に分かりやすい三姉妹だった。上の姉二人は、性格が悪く強欲で、優しく誠実な妹をいじめる絵にかいたような、土曜ワイド的三姉妹。
 1代で財を成した祖父の財産が30億円で、長女と次女は“スイーツ姉妹”として、会社の看板娘。
 で、祖父と父が自動車事故(殺人)で亡くなり、遺産や会社経営に絡む姉妹の私欲のドロドロ劇。その苛め振りが、大映ドラマを彷彿させる出来。
 しかし、それだけの会社、株主総会も何もなしで次期代表(社長)が決定するものなのか?そもそも、ふたりとも経営できる器ではない。

 末娘のヒロインは、看護師での悲しい事件を経て、弁護士(検事)を目指す修習生。
 看護師を下に見るつもりはないが、凄い上昇志向だ。そのわりに、過去の事件を引きずって、めそめそ。
 かと思えば、事故直後、父が即死していなかったと偽りの証言をし、「同時死亡」を成立させず、犯人の思惑通りの遺産相続の取り分にさせなかった。しかも、私欲のためでなく、真相を究明するためだという。
 まあ、この「同時死亡」に関する相続のアヤを制作サイドは描きたかったのだろうが、このヒロインのしっかり振りは納得がいかない。
 結局、犯人に利用された姉妹は反省し、妹の心根を知り、改心。仲良しスイーツ三姉妹となったのである……この展開があまりに短絡的で、「謎」と言えば謎である。
 で、看護師→弁護士→お菓子職人って、職業を馬鹿にしていない?

 そうそう、看護師というのに心臓マッサージーが下手なヒロイン……どう見てもゆすっているだけにしか見えない。
 看護師の上、心臓マッサージがもとで訴えられた経験があるのなら、もっと練習しなさいと言いたくなったが、これは、ヒロインの問題ではなく、三倉茉奈の演技力不足である。
 ドラマの核心のシーンの心臓マッサージ、せめて、適切な心臓マッサージをリサーチすべきであるし、現場もあれでOKを出しては駄目だろう。
普段の演技も問題を感じるし。
 そもそも、社会人として心臓マッサージは適切にできた方がいいと思うぞ。

★心臓マッサージが功を奏さなくて、訴えられるって?
 心臓マッサージは心臓が停止し脳や全身に血液を送るための不可欠な処置である。多少下手でも、力を入れ過ぎてろっ骨が折れても(肺に刺さっては駄目だけど)、「処置をしたほうが良い。マッサージをしないほうが良かった」ということは、ない。
 それなのに、死亡してしまい、心臓マッサージがまずかったと訴訟を起こすのは、まったくの「八つ当たり」「逆恨み」である。(今回の三倉茉奈の心臓マッサージは、訴えられても仕方がないくらいの下手さであったが)
 無茶な逆恨みを演じなければならなかった池内万作さんも、いい被害者だ。

★殺人計画がずさん過ぎ
 確かにドラム缶から液体が流出し、それが原因で交通事故になれば、「殺人」とは考えにくい。
 しかし、ターゲットが寄り道をしたら成立しないし、タイミングがずれると、付近の者に迷惑をかけ、怒られるだけだぞ。

 で、この液体を撒き散らしたおじさんも、殺されてしまうが、自殺に見せかける、あるいは、末妹が犯人であるように見せかけるため、犯人の姉がビルから飛び降りる(実際は脇の階段の踊り場に飛び移る)が、普通、弟の方が飛び降りない?
 彼女はフリークライミングの熟練者だったと言っていたが、まったく別モノだと思う。相当熟達したスタントマンでないと無理。

★司法研修の例題寸劇があり得ない
 あまりにも例外的な凡例で、その解説(法解釈)もこじつけっぽくて、実際の講義がこんなんだったら、裁判沙汰にはなりたくないと思った。


 そんなわけで、
浅見光彦シリーズ第50弾 『貴賓室の怪人』(4月4日放送)がひとつ頭が抜けだしている感はあるが、
『信濃のコロンボ~死者の木霊~』
『事件救命医~IMATの奇跡~』
『消えたタンカー』~西村京太郎サスペンス 十津川警部シリーズ50作記念作品~(9月9日放送)
等に匹敵する出来のドラマだった。

 水野真紀、勝野洋、筧利夫、三倉茉奈、雛形あきこ、遊井亮子、野村真美、加納竜、池内万作、河相我聞、岡田浩暉、松澤一之、野村昇史さんたち俳優さんを使い捨てにするドラマ…………ダイゴミ箱

 このドラマの水野さん、片平なぎささんのようなセリフ回しだったな。

脚本:酒巻浩史、末安正子


【ストーリー】番組サイトより
 司法試験に合格した修習生たちが、裁判官や検事、弁護士を目指して共に学ぶ“司法研修所”。その検察教官を務める穂高美子(水野真紀)は、東京地検から異動してきた優秀な検事で、講義の厳しさから修習生たちからは“タカビー”とあだ名をつけられていた。
 群馬・前橋地検に派遣された修習生のひとり、白鳥歩美(三倉茉奈)が交通事故に遭ったという知らせが入る。軽トラックの荷台から液体入りのドラム缶が落下し、歩美の乗る車がスリップ、壁に激突したのだ。運転していたのは、歩美の父であり、前橋を拠点に全国展開しているショッピングモール“クイーンズ白鳥”の社長・太一(加納竜)で、会長で祖父の健蔵(野村昇史)も同乗していた。歩美だけは奇跡的に軽傷ですんだが、太一も健蔵も死亡。歩美によれば、祖父は頭部を強く打って即死だったものの、父は事故直後まだ息があり、懸命に心臓マッサージを行ったものの、救うことはできなかったという。軽トラックの運転手・下山信行(松澤一之)は積荷の固定を怠ったことを全面的に認め、おそらく業務上過失致死で送検となると思われた。
 美子は民事担当教官の弁護士・小宮譲(筧利夫)と共に見舞いに駆けつけるが、クイーンズ白鳥の顧問弁護士・大林公子(野村真美)が、なんと姉2人、真知子(遊井亮子)とゆり(雛形あきこ)が、妹の歩美を訴えるつもりだと伝えに来た。真知子とゆりは“クイーンズ白鳥”ブランドのスイーツを開発して大ヒットさせ、世間から“スイーツ姉妹”とよばれて注目を集めていたが、かねてから対立していた。社長と会長を失った今、会社の経営権と30億円もの遺産をめぐって早くもいがみ合っているようで、2人は歩美の救命処置がなければ父親は助かったと考えているという。どうやら歩美に遺産が渡るのも気に食わないらしい。
 そんな中、美子は歩美の様子をさぐるストーカー・飯島誠(池内万作)を見かける。そして、6年前まで看護師として働いていた歩美が弁護士を目指すきっかけとなった悲しい過去を知るのだが…!? ところがその矢先、下山が新たな供述をはじめ、なんと歩美に殺人容疑がふりかかる事件まで起きて…!?
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