英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

『軍師官兵衛』 第22話「有岡、最後の日」

2014-06-02 22:44:00 | ドラマ・映画
「有岡、最後の日」
 どうもタイトルがピンとこないことが多い。
 タイトルからネタバレするのを避けているのだろうけれど、それならそれで、もう少し本質に近づける苦心をして欲しい。本質からずれたタイトルが多すぎる。
 今回の主題は「半兵衛の最期」「村重、逃亡す?」「官兵衛、救出される」である。
 で、もし、私がタイトルをつけるなら、「ふたつの涙」

「ふたつの涙」
 半兵衛の最期を悟り、涙をこぼす官兵衛
 村重の末路を思い、涙を滲ませる官兵衛
  これらのシーンは良かったと思うが、いまひとつ盛り上がりを感じない。
  淡々と描くのも一つの手法だが、もう少し、脚本(制作サイド)の≪これが描きたい!≫という意思が感じられない
  谷原章介さんの演じる半兵衛には違和感があったが、魅力的な半兵衛だった。お疲れさま。


あとは、
ぐだぐだな村重と、幼稚な信長……もはや、“子どもの喧嘩”レベル。
 毛利の援軍が来ず、追い込まれ正気を失う村重は良いとして、問題なのは村重の逃亡(毛利に直談判)を知り、怒りまくる信長
 対局的に見れば、大将が逃亡し、勝利が見えたと喜ぶところであろう。
 それだけ村重に対する怒りが大きいということなのだろうが、描写が薄いので、変に感じるだけである

その他としては、
 病のせいで気弱になった宇喜多直家が妥協し、調略に応じたこと。
 以前が以前だけに、ちょっと拍子抜け。半兵衛同様、病には勝てず?

 今年の大河ドラマのもう一つの欠点
大局が見えない……
 小寺たち播磨勢が織田に付き、毛利が逆侵攻を始めた。
 その後、上月城の攻防はあったが、調略戦が主で、播磨、織田、毛利、宇喜多などの内情劇ばかり。
 そして、官兵衛が幽閉され、救出されるまで1年3か月。
 その間も、黒田、秀吉、小寺、信長、村重などの内情劇はあるものの、仙千代戦死のシーンはあったものの、戦の状況がさっぱり描かれていない。
 黒田家臣団も努力はしているみたいだが、結局、幽閉場所を知り官兵衛の生存を確かめただけで、手をこまねいていただけ。

 なので、例えば秀吉、官兵衛の身を案じ、信長に釈明や説得したりするが、今回、宇喜多調略に成功したが、正直、≪一体お前は、何をしているんだ?≫と思ってしまう。
 『官兵衛紀行』によると、三木城を攻略(兵糧攻め)していたらしいが、ドラマのように、官兵衛と義兄弟の契りをかわしていたのなら、信長に有岡城攻略を申し出るというシーンがあっても良いはず。
 それがかなわず、三木城を攻略するのを第一と命じられ、官兵衛の無事を祈り、焦りながら三木城攻略に当たっているのなら、ドラマに感情移入ができるが……

 また、城主が逃亡したにもかかわらず、最後まで戦う有岡城の兵たちが理解できない
 

 信長連中の『世界は丸く、日本は小さいぞ』の授業などどうでもいいから、『小寺の殿さまとその腰ぎんちゃくたちの心境』『毛利の状況』を描いてほしいものである。

【ストーリー】番組サイトより
 村重が籠城する有岡城で、劣悪な環境の土牢に長く幽閉された官兵衛は、身も心もぼろぼろになりながら何とか生きる望みをつないでいた。善助ら家臣団が牢の場所を突き止めるが、警戒が厳しく救出の機会がない。
 一方、松寿丸をかくまっていた半兵衛は、官兵衛の身を案じながら息を引き取る。そして、毛利の援軍が来ないことに焦った村重は、妻・だしたちを見捨てて城を抜け出す。城主が逃げて裸城となった有岡城に攻め込む織田軍。この機を逃すまいと黒田家臣団は土牢へ向かい、ついに官兵衛の救出に成功する。
コメント (2)
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