英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

エリートアカデミー(JOC:日本オリンピック委員会)

2015-10-13 20:53:52 | 時事
 ちょっと古い話ですが、TBS『ひるおび』7月29日での話題です。

北京五輪(2008年)に向けて国から投下された強化費/年
中国       120億円(金メダル51・1位)
アメリカ     165億円(金メダル36・2位)
ロシア       表記なし(金メダル23・3位)
イギリス     120億円(金メダル19・4位)
ドイツ      274億円(金メダル16・5位)
オーストラリア  110億円(金メダル14・6位)
韓国        表記なし(金メダル13・7位)
日本        25億円(金メダル9・8位)
イタリア      表記なし(金メダル8・9位)
フランス      表記なし(金メダル7・10位)
カナダ       24億円(金メダル3・19位)
シンガポール   148億円(金メダル0)


 この数字を見て、司会者・恵俊彰氏やコメンテーター・八代英輝氏らは、
「日本も、もっとお金を掛けるべきだ」と口をそろえて熱弁。
他にコメンテーターとして山本博氏(アーチェリー・メダリスト)やゲストの青島健太氏(スポーツキャスター・評論家)らも同調。

 さらに、強化策の例として、レポーターがエリートアカデミーを紹介。
エリートアカデミー
~全国から有望な中高生を集め育成~
・2008年4月開始
・運営予算…1億4830万円
・中1~高3まで、2015年7月現在47人が在籍(平野美宇選手(卓球)などが所属)
 (レスリング8人、卓球16人、フェンシング14人、飛び込み4人、ライフル射撃5人)
・コーチ7、運営関係者64人で育成
・コーチによる指導の他、食事管理、メンタルサポート、英会話などをサポート

 所属選手を見ると、小スペースの個人競技が主である。タイアップしてくれる競技団体を募集中のようだ。


 その後、JOCのその他の人材発掘事業や福岡県の異種競技体験コンバート事業などの例が紹介された。
 恵氏や八代氏らは、「選手にお金を掛けてほしい」と。
 この言葉は、このころ、新国立競技場建設を白紙撤回が決定、論議が盛んであった影響もあるが、あまりにも意見が傾倒しすぎているように感じた

 この日だけでなく、この番組はこういった傾向が強いようだ。(「スポーツ庁発足」の話題の時も感じた)


 私はもちろん、五輪代表の選手は膨大な努力を積み重ねており、メダルを取ってほしいし、メダルも多いに越したことはないと思っている。
 しかし、「“金メダル獲得”の為、どんどん資金(税金)を投入しろ」と、金メダルを取ることが正義であるかのように、声を大にして主張するキャスター(番組)はおかしい!(コメンテーターが自分の意見を言うのは構わないように思う。あまりに偏った主張には同意はできないが)

「スポーツ振興はけっこうなことだと思います。でも、メダル獲得が目的だなんて……そんなの間違っています!」(花咲舞調で)



 そして、『エリートアカデミー』……
JOCエリートアカデミー事業
【目標】
・味の素トレセンの機能を活用し、長期に渡り、集中的な指導を行い、オリンピックで活躍できるトップアスリートを育成する。
・文部科学省、教育機関等と連携を図りながら、スポーツを通して社会の発展に貢献できる人材を育成する。


  「有望な中高生を全国から集めて、オリンピックで活躍できる(メダルが取れる)ように育成する」というのは、歪んでいる。
 少数(47人)に1億4830万円の運営費。

 目標の第2項に「スポーツを通して社会の発展に貢献できる人材を育成する」とあるが、遠藤利明五輪担当相は
「金メダル30個とれ」と厳命しているようだが、これを聞くと社会に貢献など建て前としか思えない。
 未来多い中高生が、メダルを取るため日々精進するが、怪我などで挫折、あるいは、五輪出場しても敗退してしまう可能性も大きい。
 メダル獲得を課せられた彼らが、目標を達成できなかった時、自分の存在を否定してしまうまで追い詰められないだろうか?



 「“金メダル30個取れ”遠藤五輪相とスポーツ庁」(後日、アップ予定)に続く。
コメント
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