英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

A級順位戦、全勝対決は佐藤天彦八段が制す

2015-10-20 22:25:13 | 将棋
 昨日の記事をアップした時点では、渡辺棋王優勢から怪しい雰囲気が漂い始めていた。
 渡辺棋王は好きな棋士、佐藤天彦八段も魅力のある棋士だ。ただ、「渡辺棋王は竜王戦の逆転負けから立ち直ってほしい」という思い、また、「佐藤天八段は、ここで敗れて、少しでも調子を落として王座戦最終局を迎えてほしい」という打算もあり、渡辺竜王に勝ちを願って、床に就いた。

 今朝、棋譜を並べてみて、改めて、≪佐藤天彦、恐るべし≫と感じた。
 残り時間が切迫する中、辛抱強く指し手が乱れない。特に、受けの踏み込みが強く、簡単には土俵を割らない。

 実は、いつもの如く、ダラダラと対局内容を書き始めたのですが、有料サイトの内容を日が経たないうちに、事細かに書いてアップするのはどうかと思い、一番印象に残った手だけを挙げることにしました。


 これは相当、辛い手だ。
 桂取りを甘受し、7五に金を打たれる手を防ぐ。先手玉周辺の強化を優先させたのだ。
 しかも、7六に打たれた歩は、直前に△3六角(第6図)と飛車取りに出られた際、後手が手にした歩だ。

 この手に対し、佐藤八段は飛車を逃げ、△7六歩に▲8六銀と受けたのだ。
 △3六角と出られた時には、佐藤八段の残り時間は5分。時間切迫の中、2分の考慮で飛車を逃げ、1分で銀を打ったのだ。ちょっと出来ない辛抱である。

 
 ただし、局後の感想では
「“▲8六銀は緩手だった”と佐藤。形勢はハッキリと後手がよくなった。“本局で最も差が広がった局面”と渡辺はいう」
 とある。
 しかし、この辛抱こそ、佐藤八段の強さである。
 
コメント (2)
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