英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

C級1組 5回戦 ~熱戦、乱戦、凡戦、拙戦、入り乱れ~

2015-10-14 23:20:03 | 将棋
熱戦も多かったが、がっかりしてしまう将棋も多かった。

相変わらず淡泊な大平五段
 無理気味な仕掛けをし、自分のペースに引き込もうとする大平五段。(いつものパターン)

 居飛車穴熊指向の斎藤六段に対し、大平五段は、藤井システムから桂を跳ね、角で後手玉のコビンに狙いをつける。


 斎藤六段は素直に対応し銀桂交換と4四の拠点を許したが、その桂を5五に打ち先手の攻めを遮断。


 あれこれ手を出す先手に対し、斎藤六段、金を引かずに大平五段の攻めを押し返す。
 ▲6四歩と6筋突破と5五の金のタダ取りを計った手に対し、△6六香とカウンター炸裂!


 ▲4八玉とかわしたいが、△5五角が“詰めろ飛車取り”。6八に合駒しても、△5五銀や△3七角~△5五角成から飛車を取れば、先手玉はひとたまりもない。

 終局は16時38分。消費時間は、大平五段1時間47分、斎藤六段3時間24分。手数70手。
 これで、昨期から続いている順位戦の連敗が「10」に。今期の成績はこの敗局を含めて5勝7敗(順位戦を除くと5勝2敗)。やや強引に動いて、自分のペースに引き込む戦略は、持ち時間があり真剣みの強い順位戦では通じないということなのか。

 斎藤六段は東京対局だったが、大阪に戻って観戦に現れたらしい。時間も体力も余ったのだろう。
 

終局は1分違いだったが
 堀口七段-千田五段は、趣向に出た千田五段に対し、“喧嘩を買った”堀口七段が、短慮で足を止めて殴り合いの乱戦。堀口七段が15分しか消費しなかったため、昼食休憩時点では、抜き差しならない局面で、すぐにも決着がつきそう。

 休憩時も、盤から離れず考慮に耽った堀口七段だが、敗局。消費時間は堀口七段1時間20分、千田五段4時間6分。
 早い終局だったが、大平-斎藤戦とは違いを感じる。


ちょっと淡泊か?
 阪口五段-日浦八段戦は、構想力の戦いとなり、終盤に入ったかと思われたところで、日浦八段が投了(17時35分)。

 消費時間は阪口五段2時間53分、日浦八段3時間29分。


塚田九段の拙戦
 平藤七段-塚田九段戦は、先手・平藤七段が飛車角交換から、飛車銀取りの角打ちが炸裂。銀損を避けるため、塚田九段は飛車角交換するしかなく、結果、飛車交換に落ち着いたが、直後飛車を打ちあった時点で、敵陣への響きが大差で、勝負所なく、塚田九段の敗局。



実力者同士の一局だったが
佐藤秀司七段-小林裕士七段戦は、目立たないが実力者同士、今期は3勝1敗と昇級争いの好カードのはずだったが……

 横歩取り戦。△2四飛の飛車ぶつけに対し、先手の佐藤七段は交換拒否したが、駒組み負けに陥り、良い所なく敗退。


筋違い角、空振り
 片上六段-浦野八段戦は、後手の浦野八段が坂田流向かい飛車模様から筋違い角を放つ。
 「持角」対「歩得」の戦いとなったが、「筋違い角を打った意図は何だったのか?」と訊きたくなるほど、拙い将棋の作りで、仕掛けられた時点で投了。



大熱戦
 凡戦が多く、それが記事を書く動機にもなったが、佐々木勇気五段-村田顕弘五段戦高崎一生六段-船江恒平五段戦は面白かった。
 佐々木-村田戦は、ねじり合いが延々と続き、高崎-船江戦は船江陣での「2枚自陣飛車対馬」のジリジリするような戦いが面白かった。

 3勝1敗同士の高崎-船江戦。終盤、船江五段の△2四桂を、真っ向から咎めに行った高崎六段の▲2六歩が強気過ぎたようで、船江五段が渾身の寄せを決めて、双方1分将棋の熱戦に終止符を打った。終局は午前1時11分。

 4勝0敗の北島忠雄七段と3勝1敗の宮田敦史六段の1局は、千日手指し直しとなり、指し直し局は午前1時27分終局。北島七段が全勝を守った。

 矢倉戦で、後手の宮田六段が先手の3七の桂頭を攻めたが、その動きをうまく逆用した北島七段の快勝のように思えた。

大平武洋五段(0勝5敗)●-○斎藤慎太郎六段(5勝0敗)……16時38分
堀口一史座七段(1勝4敗)●-○千田翔太五段(3勝2敗)……16時39分
阪口悟五段(2勝3敗)○-●日浦市郎八段(2勝3敗)……17時35分
平藤眞吾七段(3勝2敗)○-●塚田泰明九段(2勝3敗)……20時37分
横山泰明六段(4勝1敗)○-●泉 正樹八段(2勝3敗)……21時29分
佐藤秀司七段(3勝2敗)●-○小林裕士七段(4勝1敗)……21時37分
片上大輔六段(3勝2敗)○-●浦野真彦八段(2勝3敗)……22時7分
長沼洋七段(3勝2敗)○-●金井恒太五段(2勝3敗)……22時22分
福崎文吾九段(1勝4敗)●-○富岡英作八段(3勝2敗)……22時42分
神谷広志八段(0勝5敗)●-○近藤正和六段(1勝4敗)……23時22分
南 芳一九段(2勝3敗)●-○中村太地六段(4勝1敗)……23時33分
真田圭一七段(1勝4敗)●-○大石直嗣六段(2勝3敗)……23時58分
阿部健治郎五段(3勝2敗)○-●高野秀行六段(2勝3敗)……0時41分
佐々木勇気五段(4勝1敗)○-●村田顕弘五段(2勝3敗)……0時51分
千葉幸生六段(3勝2敗)○-●田中寅彦九段(1勝4敗)……1時4分
高崎一生六段(3勝2敗)●-○船江恒平五段(4勝1敗)……1時11分
北島忠雄七段(5勝0敗)○-●宮田敦史六段(3勝2敗)……1時27分

 これで、
5勝0敗……斎藤慎太郎六段(9位)、北島忠雄七段(31位)
4勝0敗……中村太地六段(2位)、船江恒平五段(6位)、小林裕士七段(15位)、佐々木勇気五段(18位)、横山泰明六段(27位)
3勝2敗……千葉幸生六段(3位)他9人

 北島七段は全くノーマークだった。(多分、大多数の予想も)
 ちなみに、私の予想(開始前)では、昇級1番手中村太地六段、2番手斎藤六段、3番手に阪口五段を推している。
コメント
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