英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

「金メダル30個取れ」遠藤五輪相とスポーツ庁

2015-10-23 17:13:05 | 時事
「エリートアカデミー」(10月13日)の記事で、「続きは後日」と予告しておきながら、放置していました)

遠藤五輪担当相
「私は(金メダルを)30個取れと厳命している。取れなかったらクビになる人が出ると思っているが、そのくらいの気持ちがないと。どこかの政党じゃないが「2番でいい」なんて言っていたらダメだ。10月にはスポーツ庁もできる。長官(人事)の話は大体頭にあるが、言うと書かれるので今日は黙っているが、大体この人がいいな、と今思っている」(山形市の自民党山形県連会合で)

 本人は洒落たことを言ったと思っているのかもしれないが、巷で言われているように、「まず、あなたが辞めろ」と言いたい。
 だいたい誰に厳命したのだろうか?……選手たちに?各スポーツ団体のトップに?五輪組織委員会役員に?

 選手は五輪担当相や日本のメンツの為に頑張っているのではない。
 そもそも、「メダル獲得がすべて」のようなことを、五輪担当相が言って良いものなのか?
「選手を含めて頑張った人たちに、惜しみない拍手が受けられるような、そんな大会にしたい。
 大会を終えて、“また日本で五輪を楽しみたい”と思われるような運営をしていきたい」
と言ってほしかった。



『強化予算について、08年北京五輪で金メダル数1位だった中国は120億円、同2位の米国は165億円、同5位のドイツが274億円だったのに対し同8位の日本は25億円』
という実情について
「やっぱり少ないですね。確か今年度は70~80億くらいにしたはずなんですが、それでも少ないですね」と。

 お金を掛ければメダルが取れるわけではないし、メダル獲得のために巨額の予算を使うことが妥当なのだろうか?
 それに、50億増やして約3倍になっているのに、簡単に「少ない」と言って良いのだろうか?



文部科学省や厚生労働省など複数の省庁にまたがるスポーツ行政の関係機構を一本化するためスポーツ庁が設立された。
 ホームページのトップに謳い文句として 
『スポーツを通じて「国民が生涯にわたり心身ともに健康で文化的な生活を営む」ことができる社会の実現を目指す』
とある。

 このスポーツ庁構想、一時期停滞していたが、東京五輪開催決定により、一気に実現した。
 なので、「東京五輪のための機関」というイメージが強いが、そうではないらしい。
 (例のTBS『ひるおび』では、“東京五輪の為の機関”という紹介がされていたような気がする。私の視聴力不足だったのかもしれないが)

 なお、このホームページ、おざなり感がいっぱい。
 5段階評価ならEランク、10段階評価ならJランクと迷いなく評価される出来である。
 ……大丈夫なのだろうか?

 就任した鈴木大地長官(48)は「スポーツ庁はトップアスリートのためだけにあるのではない」と強調し、施策の柱として「国際競技力向上」の次に「医療費抑制」を掲げた。
 11年成立のスポーツ基本法は「スポーツを通じて幸福で豊かな生活を営むことは、全ての人々の権利」と謳っている。庁創設はその理念実現が狙いである。(背景には高齢化社会への不安がある)

 鈴木氏は1988年のソウルオリンピック100m背泳ぎ金メダリスト。順天堂大学教授、日本水泳連盟会長(2013年-2015年)。体力的に苦しい日本選手が、トップレベルと互角に競っている現状を見ると、その手腕は評価される。
 「トップアスリートの為だけにあるわけではない」という理念も素晴らしい。
 しかし、施策の柱として「国際競技力向上」の次に「医療費抑制」を掲げており、やはり、「国際競技力向上」が最優先らしい。

 組織構造
定員は121人。長官の下に「スポーツ健康推進課(スポーツの普及や子供たちの体力向上などを担う)」「競技力向上課(選手強化や拠点整備を担う)」「スポーツ国際課(国際大会の招致や指導者海外派遣などを担う)」「オリンピック・パラリンピック課(2020年東京オリンピックの準備を担う)」「政策課(スポーツ政策を担う)」の5課が設置。
有識者による「スポーツ審議会」も開かれ、強化費の分配を通じて、各競技団体の組織改革も促していくことになるそうだ。


 継続的な強化費については従来通りJOCが配分するが、東京五輪に向けた強化費は、スポーツ審議会が審査して配分を決めるらしい。
 競技団体は、国際大会などの目標を設定し、その達成度などに応じて強化費を配分されることになるという。これにより、各競技団体に薄く広く分配するJOCより、メダル有望競技へ重点的な配分となる。
 継続的な強化費はJOCが配分するらしいが、東京五輪に向けた強化費が有力競技に重点を置くというのは、ホームページにも掲げてある『スポーツを通じて「国民が生涯にわたり心身ともに健康で文化的な生活を営む」ことができる社会の実現を目指す』に反しているのではないだろうか?

「金メダル庁」と言われないよう、国民全体のための機関であってほしい。
コメント
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