土門刑事(科捜研の女)内藤剛司vs刑事部長(相棒)片桐竜次ではなかった……(当たり前)
“制服捜査”という言葉に釣られて(変態か?)視聴したが、
≪捜査権を持たない駐在所勤務に異動した元敏腕刑事が、住民に寄り添う制服警官の職務にも燃えつつ、事件解決に臨む。
上司や刑事部から「出過ぎたことはするな」という理不尽な扱いに屈せず、事件の真相を追い、過去の被害者も救う≫真面目なドラマであった。
しかし、それに拘るあまり、ストーリー展開に不合理や雑さが目立つ残念なドラマであった。
1.神隠しで決着って?
13年前も少女の行方不明事件があって、結局、行方が分からず“失踪扱い”に。
当時を振り返る防犯協会の面々が、「“神隠し”だったんだ」って、昭和、しかも、金田一耕介時代のど田舎ではあるまいし。
2.防犯協会会長の訳の分からない圧力
「選挙違反を検挙する警察は地元のしきたりを蔑ろにする警察」「住民の中に“変質者”がいると疑う警察」に協力なんかしないという会長に賛同し、総意とする防犯協会って、いいのかそれで?
そんな理由より、まず、少女の命でしょう。
それに、防犯協会や消防団の協力がなくても、事件を解決できないのだろうか?山で遭難したわけではないし。
会長と警察の関係もよくわからない。地元の名士であったらしいが、警察上層部に圧力をかけて事件をうやむやにしたのかどうかが分からない。(私が見逃しただけかも)
啓子(高岡早紀)は「あの時、警察は何もしてくれなかった!」と叫んでいたが。
さらに、会長と懇意だった現副会長・米山(林与一)は、会長をかばうことを言う。
会長が人格者であったなら、上記の発言や行為はおかしい。
それに、犯人(←会長の隠し子……それ自体、ダメだろう)のアリバイを確信していたのなら、堂々と捜査協力すべきであろう。
当時、連続放火事件があり、警察が誤認逮捕した件は関係あったのだろうか?
3.アリバイはどうなった?
隠し子が犯人だったので、アリバイ工作だったはず。
当時の捜査で見破れなかったのは(ドラマの造りとしては)理解できるが、土門刑事にしろ刑事部長にしろ真相を究明しないと!
4.フェードアウトしていった登場人物たち
竹内勇三:(片桐竜次)……当時駐在所勤務、3年前定年
13年前に少女を見つけられなかったことを悔やみ、今回の事件を独自に追い、犯人の仲間に刺され病院に搬送。その後、登場せず、生死不明。
菅原春江(棟 里佳)……婦人会世話役、元会長の愛人のいとこ
今回、犯人・菅原芳雄(荒木宏文)のことを川久保(内藤剛志)に尋ねられ、芳雄が何かしたのではないか((悪いこと限定)と心配顔、そのままフェードアウト
米山巌男(林与一)……防犯協会副会長、当時の会長の行為や人格をかばう
当時の会長を擁護し、今回、疑問を持ち始めた防犯協会員に“神隠し”だったと念を押した。それは誤りであったことが土門刑事により判明したが、土門に怒られることはなかった。
「服部会長の血を分けた菅原芳雄君が女の子を誘拐する。そんたらっこたぁあってはならねえ。この町の為にも、服部会長の名誉の為にも、断じてならねえことだ」
と、まで言い切ったんだよ。
高野幸吉(山中崇史)……?
フェードアウトどころか、出演していたことさえ気付かなかった。どんな役をしていたんだろう?(『相棒』の芹沢刑事役の俳優さんだよね)……制服警官役で今回行方不明になった少女・沙織を探したり、結構出番があったようだ
5.意味不明な啓子(高岡早紀)
娘が行方不明のまま見つからず、心に穴がぽっかり空いたままという心情は理解できる。
娘に買ってあげたティアラに気づき、そのことを尋ねようとしたのは良いが。
「私はやましいことなどしていない!」と主張していたが、沙織が行方不明の原因である。あの時、ドクロの面をした男を見て沙織が逃げて見失い行方を捜したというが、あの時、警察などに事情を話し、ドクロ男の情報を伝えていれば、もう少し早く解決できただろう。その後は素知らぬ顔で生活していたし。
さらに、芳雄逮捕の際、沙織を岸壁(海岸)まで引っ張っていき、娘との思い出を追想する?
沙織親子の気持ち(心配・不安)は、誰よりも理解できるはずなのに。
犯人から身を挺して守ったことを評価されていたが、連れ回したことは別である。まったくおかしな流れであった。“悲劇の母親”というシチュエーションに浸っていたし。
そもそも、このエピソードはドラマをより劇的にするためのエピソード(川久保を窮地に追い詰め、“走れメロス”状態にする)だが、小賢しい演出としか言えない。それとも、岸壁を登場させたかったのだろうか?
6.不可解な沙織の誘拐手順
①顔の芳雄が沙織にティアラをあげる
②沙織はティアラをして仮装会場付近で待機
③啓子がティアラをした沙織を見つけ、ティアラのことを尋ねようとする
④ドクロ男(芳雄)が近づき、驚いた沙織が逃げ出す
この流れを考察すると、芳雄は可愛い沙織を見て彼女にティアラをあげたが、そのティアラに疑問を持った啓子の様子を見て、まずいと思い妨害し、誘拐したことになる。
突発的誘拐のように思えるが、芳雄がティアラを持っていたことを考えると計画的か?誘拐するなら、①の時点でしたほうが良い。ドクロ男だと目立ち過ぎ。川久保もドクロ男の存在を知った時点で、目撃情報を集めるべき。
そもそも、34歳にもなって、あの扮装はないだろう。
さらに、
⑤啓子が沙織の手を引いて、紀子(手塚理美)とぶつかる
というシーン、①~④とは辻褄が合わない。
7.やたら豪華(キャラの立つ)な脇役陣
小林綾子、林与一、菅原大吉、せんだみつお、竹内都子、菅原大吉、山中崇史、黒部進。
佐藤蛾次郎、尾藤イサオ、中西良太のトリオは、アンパンマンの「天丼マン、釜飯どん、カツ丼マン」のどんぶりトリオを彷彿させた。
8.八戸(種差)の観光案内のような啓子の回想シーン
啓子が娘の亜矢香との想い出を回想するが、観光案内みたいだった。
今のところ、今年一番の残念なミステリードラマである。
【ストーリー】番組サイトより
青森県警の敏腕刑事だった川久保篤(内藤剛志)は、県警本部の方針により八戸中央署種差海岸駐在所に異動。家族と離れ単身赴任して3か月になる。
ある日、町を挙げた季節行事の祭りが始まった。広場では仮装コンテストが行われることになっており、様々な扮装をした人々が集まり賑わっていた。川久保の妻・紀子(手塚理美)と娘・美奈子(山本ひかる)も見物に来ており、家族は久しぶりの再会を喜んだ。
川久保が後輩の警察官とともに警備に当たる中、臨時派出所に藤本昭(菊池隆志)と妻の由紀子(小林綾子)がやってきた。娘の沙織(安藤美優)の姿が見えないというのだ。仮装コンテストに出場する予定だった沙織だが、ステージにも姿はない。その間にわかった情報は、女に手を引かれて沙織が歩いて行ったという紀子の目撃のみ。この時紀子は、妖精の仮装をした沙織の髪を飾っていたティアラが印象に残ったという。川久保は上司の南孝義(せんだみつお)に捜査員の応援を要請するが、事なかれ主義の南はその必要は無いと一蹴する。
川久保は町内の防犯協会の役員である米山巌男(林与一)、吉倉忠(佐藤蛾次郎)、片桐義夫(尾藤イサオ)、大西徹(中西良太)らと共に周囲を捜索するが、沙織は見つからない。川久保は防犯協会の面々の会話の中から、13年前の祭りの夜にも同じように仮装した少女が行方不明になった未解決事件があったことを知る。
翌日さっそく調べると、13年前に姿を消したのは大月亜矢香(安生悠璃菜)という当時7歳の女の子だった。川久保は、当時の駐在員・竹内勇三(片桐竜次)のもとを訪ねて事情を聞く。竹内はすでに退職していたが、亜矢香を発見できなかったことは無念とともに心に深く刻んでいた。
やがて、亜矢香も沙織と同じく妖精の衣装を着てティアラをしていたことがわかる。そして、紀子の証言から、沙織の手を引いていた女が亜矢香の母親・啓子(高岡早紀)ということも判明。13年間、亜矢香の発見に一縷の望みを抱いている啓子は、祭りの夜、亜矢香と同じティアラをつけた沙織を見かけて声をかけたのだが、その直後、ドクロの仮面をつけた男が現れ、自分が驚いた隙に沙織の姿が見えなくなったと証言した。
川久保は南に反対されながらも、制服警察官の権限を越えて過去の事件を調べ上げる。一方、竹内も沙織と亜矢香を救うため、独自に過去の事件の関係者を訪ね、情報を積み重ねる。川久保と竹内はそれぞれの視点から事件の真相に迫っていく・・・。
脚本:峯尾基三
監督:金佑彦
“制服捜査”という言葉に釣られて(変態か?)視聴したが、
≪捜査権を持たない駐在所勤務に異動した元敏腕刑事が、住民に寄り添う制服警官の職務にも燃えつつ、事件解決に臨む。
上司や刑事部から「出過ぎたことはするな」という理不尽な扱いに屈せず、事件の真相を追い、過去の被害者も救う≫真面目なドラマであった。
しかし、それに拘るあまり、ストーリー展開に不合理や雑さが目立つ残念なドラマであった。
1.神隠しで決着って?
13年前も少女の行方不明事件があって、結局、行方が分からず“失踪扱い”に。
当時を振り返る防犯協会の面々が、「“神隠し”だったんだ」って、昭和、しかも、金田一耕介時代のど田舎ではあるまいし。
2.防犯協会会長の訳の分からない圧力
「選挙違反を検挙する警察は地元のしきたりを蔑ろにする警察」「住民の中に“変質者”がいると疑う警察」に協力なんかしないという会長に賛同し、総意とする防犯協会って、いいのかそれで?
そんな理由より、まず、少女の命でしょう。
それに、防犯協会や消防団の協力がなくても、事件を解決できないのだろうか?山で遭難したわけではないし。
会長と警察の関係もよくわからない。地元の名士であったらしいが、警察上層部に圧力をかけて事件をうやむやにしたのかどうかが分からない。(私が見逃しただけかも)
啓子(高岡早紀)は「あの時、警察は何もしてくれなかった!」と叫んでいたが。
さらに、会長と懇意だった現副会長・米山(林与一)は、会長をかばうことを言う。
会長が人格者であったなら、上記の発言や行為はおかしい。
それに、犯人(←会長の隠し子……それ自体、ダメだろう)のアリバイを確信していたのなら、堂々と捜査協力すべきであろう。
当時、連続放火事件があり、警察が誤認逮捕した件は関係あったのだろうか?
3.アリバイはどうなった?
隠し子が犯人だったので、アリバイ工作だったはず。
当時の捜査で見破れなかったのは(ドラマの造りとしては)理解できるが、土門刑事にしろ刑事部長にしろ真相を究明しないと!
4.フェードアウトしていった登場人物たち
竹内勇三:(片桐竜次)……当時駐在所勤務、3年前定年
13年前に少女を見つけられなかったことを悔やみ、今回の事件を独自に追い、犯人の仲間に刺され病院に搬送。その後、登場せず、生死不明。
菅原春江(棟 里佳)……婦人会世話役、元会長の愛人のいとこ
今回、犯人・菅原芳雄(荒木宏文)のことを川久保(内藤剛志)に尋ねられ、芳雄が何かしたのではないか((悪いこと限定)と心配顔、そのままフェードアウト
米山巌男(林与一)……防犯協会副会長、当時の会長の行為や人格をかばう
当時の会長を擁護し、今回、疑問を持ち始めた防犯協会員に“神隠し”だったと念を押した。それは誤りであったことが土門刑事により判明したが、土門に怒られることはなかった。
「服部会長の血を分けた菅原芳雄君が女の子を誘拐する。そんたらっこたぁあってはならねえ。この町の為にも、服部会長の名誉の為にも、断じてならねえことだ」
と、まで言い切ったんだよ。
高野幸吉(山中崇史)……?
フェードアウトどころか、出演していたことさえ気付かなかった。どんな役をしていたんだろう?(『相棒』の芹沢刑事役の俳優さんだよね)……制服警官役で今回行方不明になった少女・沙織を探したり、結構出番があったようだ
5.意味不明な啓子(高岡早紀)
娘が行方不明のまま見つからず、心に穴がぽっかり空いたままという心情は理解できる。
娘に買ってあげたティアラに気づき、そのことを尋ねようとしたのは良いが。
「私はやましいことなどしていない!」と主張していたが、沙織が行方不明の原因である。あの時、ドクロの面をした男を見て沙織が逃げて見失い行方を捜したというが、あの時、警察などに事情を話し、ドクロ男の情報を伝えていれば、もう少し早く解決できただろう。その後は素知らぬ顔で生活していたし。
さらに、芳雄逮捕の際、沙織を岸壁(海岸)まで引っ張っていき、娘との思い出を追想する?
沙織親子の気持ち(心配・不安)は、誰よりも理解できるはずなのに。
犯人から身を挺して守ったことを評価されていたが、連れ回したことは別である。まったくおかしな流れであった。“悲劇の母親”というシチュエーションに浸っていたし。
そもそも、このエピソードはドラマをより劇的にするためのエピソード(川久保を窮地に追い詰め、“走れメロス”状態にする)だが、小賢しい演出としか言えない。それとも、岸壁を登場させたかったのだろうか?
6.不可解な沙織の誘拐手順
①顔の芳雄が沙織にティアラをあげる
②沙織はティアラをして仮装会場付近で待機
③啓子がティアラをした沙織を見つけ、ティアラのことを尋ねようとする
④ドクロ男(芳雄)が近づき、驚いた沙織が逃げ出す
この流れを考察すると、芳雄は可愛い沙織を見て彼女にティアラをあげたが、そのティアラに疑問を持った啓子の様子を見て、まずいと思い妨害し、誘拐したことになる。
突発的誘拐のように思えるが、芳雄がティアラを持っていたことを考えると計画的か?誘拐するなら、①の時点でしたほうが良い。ドクロ男だと目立ち過ぎ。川久保もドクロ男の存在を知った時点で、目撃情報を集めるべき。
そもそも、34歳にもなって、あの扮装はないだろう。
さらに、
⑤啓子が沙織の手を引いて、紀子(手塚理美)とぶつかる
というシーン、①~④とは辻褄が合わない。
7.やたら豪華(キャラの立つ)な脇役陣
小林綾子、林与一、菅原大吉、せんだみつお、竹内都子、菅原大吉、山中崇史、黒部進。
佐藤蛾次郎、尾藤イサオ、中西良太のトリオは、アンパンマンの「天丼マン、釜飯どん、カツ丼マン」のどんぶりトリオを彷彿させた。
8.八戸(種差)の観光案内のような啓子の回想シーン
啓子が娘の亜矢香との想い出を回想するが、観光案内みたいだった。
今のところ、今年一番の残念なミステリードラマである。
【ストーリー】番組サイトより
青森県警の敏腕刑事だった川久保篤(内藤剛志)は、県警本部の方針により八戸中央署種差海岸駐在所に異動。家族と離れ単身赴任して3か月になる。
ある日、町を挙げた季節行事の祭りが始まった。広場では仮装コンテストが行われることになっており、様々な扮装をした人々が集まり賑わっていた。川久保の妻・紀子(手塚理美)と娘・美奈子(山本ひかる)も見物に来ており、家族は久しぶりの再会を喜んだ。
川久保が後輩の警察官とともに警備に当たる中、臨時派出所に藤本昭(菊池隆志)と妻の由紀子(小林綾子)がやってきた。娘の沙織(安藤美優)の姿が見えないというのだ。仮装コンテストに出場する予定だった沙織だが、ステージにも姿はない。その間にわかった情報は、女に手を引かれて沙織が歩いて行ったという紀子の目撃のみ。この時紀子は、妖精の仮装をした沙織の髪を飾っていたティアラが印象に残ったという。川久保は上司の南孝義(せんだみつお)に捜査員の応援を要請するが、事なかれ主義の南はその必要は無いと一蹴する。
川久保は町内の防犯協会の役員である米山巌男(林与一)、吉倉忠(佐藤蛾次郎)、片桐義夫(尾藤イサオ)、大西徹(中西良太)らと共に周囲を捜索するが、沙織は見つからない。川久保は防犯協会の面々の会話の中から、13年前の祭りの夜にも同じように仮装した少女が行方不明になった未解決事件があったことを知る。
翌日さっそく調べると、13年前に姿を消したのは大月亜矢香(安生悠璃菜)という当時7歳の女の子だった。川久保は、当時の駐在員・竹内勇三(片桐竜次)のもとを訪ねて事情を聞く。竹内はすでに退職していたが、亜矢香を発見できなかったことは無念とともに心に深く刻んでいた。
やがて、亜矢香も沙織と同じく妖精の衣装を着てティアラをしていたことがわかる。そして、紀子の証言から、沙織の手を引いていた女が亜矢香の母親・啓子(高岡早紀)ということも判明。13年間、亜矢香の発見に一縷の望みを抱いている啓子は、祭りの夜、亜矢香と同じティアラをつけた沙織を見かけて声をかけたのだが、その直後、ドクロの仮面をつけた男が現れ、自分が驚いた隙に沙織の姿が見えなくなったと証言した。
川久保は南に反対されながらも、制服警察官の権限を越えて過去の事件を調べ上げる。一方、竹内も沙織と亜矢香を救うため、独自に過去の事件の関係者を訪ね、情報を積み重ねる。川久保と竹内はそれぞれの視点から事件の真相に迫っていく・・・。
脚本:峯尾基三
監督:金佑彦