「あどけない少年の純粋な殺人への興味。
きっと少年はこう答えるだろう、”人を殺してみたかった”。
あなたにもわかるはずだ。あなたは“人を殺したい”と思ったことがある」
「ああ」
「あなたは、こっち側の人間だぁ。なぜ、まだ、そっちにいる?」
「俺は犯罪者が憎い。
そこにどんな理由があろうと、理性の縁から落ち、そっち側に行ってしまう犯罪者が」
と、冒頭でシャングリラ十字軍の指導者・諸星沙奈恵とのやりとりで、珍しくビシッと決めた火村だったが……
…………「バカだよ。彼女が鍵を失くしたと騒いだ日に犯ってしまえば良かったんだ。決行が1日遅かったな」と犯行が発覚した夕狩に告げ(テレパシー?)、火村犯行の妄想シーン
宅麻伸がゲストでしかも犯人役。さらに、やる気満々?の完全犯罪……の割には、簡単に看破されてしまった。
しかも、朱美(山本美月)から相談もあり、事件に割かれた時間も短かかった。
原作がどうかは知らないが、倒叙型で進められた。
倒叙型は、最初に殺人シーン、時には動機なども描写される。『刑事コロンボ』や『古畑任三郎』がこのタイプで、状況や証言の矛盾などを指摘し、犯人をじわじわ追い込む家庭の推理や、最後にぐうの音も出ないような証拠を提示するラストの鮮やかさが見所となる。
他の人はどうかはわからないが、犯人に感情移入をしてしまい、犯人と同様に追い詰められた気持ちになるので、あまり好きではない。犯人にスポットを当ててみる視聴者が多いと思われるので、「今回のように尺が短い事件でも、宅間伸の顔が立つ」という理由があったかどうかは、わからない。
★夕狩正比古(宅麻伸)のミス
1.スペアキーまで持ち去る必要はなかった
2.実は愉良はブランドショップの店員に「鍵を失くし大騒ぎしたが、自分の勘違いだった」と話していた。紛失騒動の日に犯行を実行すべきだった。(珍しく小野刑事が活躍…聞き込みの成果)
3.強盗の居直り殺人に見せかけるため、愉良の部屋から金品を奪ったが、宝飾品は処分したものの、現金は自分の懐に入れてしまった。その千円札(新札)に店員と愉良と夕狩の指紋が付いており、決定的な証拠となった。
4.恋人で遺体の第一発見者という筋書きは、疑われる危険性が大きい
5.宝くじには手を付けなかった(合理主義とも考えられる)
6.靴を脱いで部屋に入っている(顔見知りの犯行。あるいは用心深いとも考えられる)
7.強盗犯なら夜間の犯行はおかしい
8.パスカードには使用履歴が残り、犯行当日の足取りがばれてしまう
完全犯罪のシナリオを作り、セリフまで練った夕狩であったが、割と簡単に撃沈。会社は倒産させるし、良いところなしの宅間さんだった。(鑑識係に「目先の小金を優先して、その先の大金の可能性を捨てるとは、犯人が経営者なら失格や」と言われてしまうし)
しかも、嫉妬心・独占欲などの痴情のもつれや保険金目当てなどのはっきりとした犯行動機はなかった。
「世間には異常な犯罪者や犯罪予備軍が溢れている」という“向こう側(諸星)”の主張を示唆するためかもしれないが、明確な動機を持たない犯行が続くと、陰鬱な気分になる。
火村の異常性も時折描かれているが、原作もこういう世界観なのだろうか?
次回は、夕焼けシーンでずっと引っ張ってきた朱美のトラウマの因となった事件の捜査。
【ストーリー】番組サイトより
ある日、火村(斎藤工)は、朱美(山本美月)から相談を受ける。火村が准教授室に朱美を迎え入れて話を聞こうとすると、部屋に差し込む夕陽を怖がる朱美。そんな朱美の様子から、彼女の火に対するトラウマを言い当てる。
朱美は、15歳の時に暮らしていた親戚の家が放火で焼け落ち、叔父が火だるまになって死んでいくのを目の当たりにしたことを打ち明ける。
朱美の相談とは、2年前に知人が殺されたのだが犯人が分からず、事件が迷宮入りしそうなのだという。事件の概要を聞いた火村は興味を持ち、調べることを朱美に約束する。
そんな中、タレントの愉良(小島梨里杏)が自宅で殺された。遺体の第一発見者は、愉良の所属事務所の社長で恋人だった夕狩正比古(宅麻伸)。火村とアリス(窪田正孝)は、事件現場へ向かい、正比古から話を聞く。
正比古によると、愉良の部屋を訪ねたが応答がないので合鍵を開けて入ったところ、ソファで愉良が死んでいたのだという。部屋の中は、荒らされていた。
部屋の鍵は、愉良本人が持つ2つと正比古が1つ持っており、全部で3つ。愉良は、殺される2日前に鍵を落としていた。その鍵を拾った何者かが侵入して愉良を殺し、金品を奪った強盗殺人と見られた。
しかし実は、愉良を殺したのは、正比古だった。正比古が愉良を殺した動機とは?
完璧に見える正比古の犯罪を、火村とアリスはどのように解き明かしていくのか!?
原作:ショーウィンドウを砕く(「怪しい店(KADOKAWA)」収録)
脚本:マギー
演出:佐久間紀佳
きっと少年はこう答えるだろう、”人を殺してみたかった”。
あなたにもわかるはずだ。あなたは“人を殺したい”と思ったことがある」
「ああ」
「あなたは、こっち側の人間だぁ。なぜ、まだ、そっちにいる?」
「俺は犯罪者が憎い。
そこにどんな理由があろうと、理性の縁から落ち、そっち側に行ってしまう犯罪者が」
と、冒頭でシャングリラ十字軍の指導者・諸星沙奈恵とのやりとりで、珍しくビシッと決めた火村だったが……
…………「バカだよ。彼女が鍵を失くしたと騒いだ日に犯ってしまえば良かったんだ。決行が1日遅かったな」と犯行が発覚した夕狩に告げ(テレパシー?)、火村犯行の妄想シーン
宅麻伸がゲストでしかも犯人役。さらに、やる気満々?の完全犯罪……の割には、簡単に看破されてしまった。
しかも、朱美(山本美月)から相談もあり、事件に割かれた時間も短かかった。
原作がどうかは知らないが、倒叙型で進められた。
倒叙型は、最初に殺人シーン、時には動機なども描写される。『刑事コロンボ』や『古畑任三郎』がこのタイプで、状況や証言の矛盾などを指摘し、犯人をじわじわ追い込む家庭の推理や、最後にぐうの音も出ないような証拠を提示するラストの鮮やかさが見所となる。
他の人はどうかはわからないが、犯人に感情移入をしてしまい、犯人と同様に追い詰められた気持ちになるので、あまり好きではない。犯人にスポットを当ててみる視聴者が多いと思われるので、「今回のように尺が短い事件でも、宅間伸の顔が立つ」という理由があったかどうかは、わからない。
★夕狩正比古(宅麻伸)のミス
1.スペアキーまで持ち去る必要はなかった
2.実は愉良はブランドショップの店員に「鍵を失くし大騒ぎしたが、自分の勘違いだった」と話していた。紛失騒動の日に犯行を実行すべきだった。(珍しく小野刑事が活躍…聞き込みの成果)
3.強盗の居直り殺人に見せかけるため、愉良の部屋から金品を奪ったが、宝飾品は処分したものの、現金は自分の懐に入れてしまった。その千円札(新札)に店員と愉良と夕狩の指紋が付いており、決定的な証拠となった。
4.恋人で遺体の第一発見者という筋書きは、疑われる危険性が大きい
5.宝くじには手を付けなかった(合理主義とも考えられる)
6.靴を脱いで部屋に入っている(顔見知りの犯行。あるいは用心深いとも考えられる)
7.強盗犯なら夜間の犯行はおかしい
8.パスカードには使用履歴が残り、犯行当日の足取りがばれてしまう
完全犯罪のシナリオを作り、セリフまで練った夕狩であったが、割と簡単に撃沈。会社は倒産させるし、良いところなしの宅間さんだった。(鑑識係に「目先の小金を優先して、その先の大金の可能性を捨てるとは、犯人が経営者なら失格や」と言われてしまうし)
しかも、嫉妬心・独占欲などの痴情のもつれや保険金目当てなどのはっきりとした犯行動機はなかった。
「世間には異常な犯罪者や犯罪予備軍が溢れている」という“向こう側(諸星)”の主張を示唆するためかもしれないが、明確な動機を持たない犯行が続くと、陰鬱な気分になる。
火村の異常性も時折描かれているが、原作もこういう世界観なのだろうか?
次回は、夕焼けシーンでずっと引っ張ってきた朱美のトラウマの因となった事件の捜査。
【ストーリー】番組サイトより
ある日、火村(斎藤工)は、朱美(山本美月)から相談を受ける。火村が准教授室に朱美を迎え入れて話を聞こうとすると、部屋に差し込む夕陽を怖がる朱美。そんな朱美の様子から、彼女の火に対するトラウマを言い当てる。
朱美は、15歳の時に暮らしていた親戚の家が放火で焼け落ち、叔父が火だるまになって死んでいくのを目の当たりにしたことを打ち明ける。
朱美の相談とは、2年前に知人が殺されたのだが犯人が分からず、事件が迷宮入りしそうなのだという。事件の概要を聞いた火村は興味を持ち、調べることを朱美に約束する。
そんな中、タレントの愉良(小島梨里杏)が自宅で殺された。遺体の第一発見者は、愉良の所属事務所の社長で恋人だった夕狩正比古(宅麻伸)。火村とアリス(窪田正孝)は、事件現場へ向かい、正比古から話を聞く。
正比古によると、愉良の部屋を訪ねたが応答がないので合鍵を開けて入ったところ、ソファで愉良が死んでいたのだという。部屋の中は、荒らされていた。
部屋の鍵は、愉良本人が持つ2つと正比古が1つ持っており、全部で3つ。愉良は、殺される2日前に鍵を落としていた。その鍵を拾った何者かが侵入して愉良を殺し、金品を奪った強盗殺人と見られた。
しかし実は、愉良を殺したのは、正比古だった。正比古が愉良を殺した動機とは?
完璧に見える正比古の犯罪を、火村とアリスはどのように解き明かしていくのか!?
原作:ショーウィンドウを砕く(「怪しい店(KADOKAWA)」収録)
脚本:マギー
演出:佐久間紀佳