英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

ピョンチャン五輪雑感 その7「バレリーナと女優」

2018-03-25 22:38:37 | スポーツ
“天は何故、同時期にこのふたりを地上に出現させたのだろうか?”

スノーボード・ハーフパイプ男子と同様に、
フィギュアスケート・女子シングルも至高の競演 だった。



 ザギトワにもメドベージェワにも金メダルをあげたい……そう思った人は多かったはず。(“ザギトワファン”“メドベージェワファン”を除く)
 で、私はと言うと……ザギトワに勝って欲しかった。しかも、絶対に。

 その理由は、私が彼女のファンということもある………と言うより、それが主たる理由である。
 そう、私は彼女の演技に魅了されている。高難度の演技構成やジャンプ、ステップ、スピンの切れや正確さが素晴らしい。
 ザギトワの演技は、“バレリーナ”と比喩されることが多い。彼女の衣装がバレリーナのチュチュを模しているせいもあるが、指先や姿勢まで細かに気を配り、身のこなしやジャンプのタイミングまで曲調にシンクロさせ、まさに、バレーを見ているようかのような錯覚まで起こさせる。また、運動量も非常に多い。
 これに対し、メドベージェワは、ザギトワとの違い情感的な表現が優れている。と書くと、技術的にはザギトワの方が上回っているように思われるかもしれないが、おそらく、サギトワに優るとは劣らない技術を持っている。
 違いを感じるのは、ザギトワがジャンプに於いて、難易度や加点を目指している。対して、メドベージェワは、表現に重きを置いているという点。
 ややこしいことに、その上積み分が互角。結局、その時の演技の出来によって決着がつくことになる。ところが、両者ともほとんどミスを犯さない。困ったモノである。ピョンチャン五輪では、ミクロの差だった。語弊があるかもしれないが、≪審判の主観の差≫が順位を分けたような気がする。

 とは言え、くどいようだが、ザギトワに勝って欲しかった。その理由は、私が彼女の……7行目に戻る(笑)


 理由は、私の“スポーツ志向”の強さである。
 メドベージェワの演技は素晴らしい。高度なジャンプやステップなどに加えて、悲しみに沈む表情や電話を取る仕草は、ストーリーや情景を浮かび上がらせる。
 しかし、ジェスチャーや表情はスポーツと言うよりは舞台の演技的要素なのでは?スポーツなら、悲しみ・喜びの情感は運動や動作で表現すべきではないだろうか?(あくまで、私の嗜好)
 最近、演技的要素が強くなってきているように感じる。私見だが、演技性を前面に押し出す選手としては、少し前になるが、ロシアのレオノア選手、同じくロシアのリプニツカヤが思い浮かぶ。浅田選手も徐々にその傾向が強くなっていった。宮原選手は指先まで神経を使った細やかな動きで表現するが、表情もかなり作る。
 ピョンチャン五輪でメドベージェワが金メダルを獲ると、その傾向に拍車が掛かりそうと思ったのである。


 ………ともっともらしい理屈を述べたが、“メドベージェワは素晴らしい思っているが、ザギトワの方が好き”という単純な理由のような気がする。



その1「カーリングに関する疑問」
その2「競技成立への疑問・スピードスケート1000m」
その3「競技成立への疑問・スピードスケート マススタート」
その4「競技成立への疑問・ショートトラック」
その5「感動シーン①“メダル獲れて良かったね”」
その6「感動シーン②“格好良すぎるコメント”」
その7「バレリーナと女優」
その8「感動シーン③“ピョンチャン五輪でベストシーン”」
コメント
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