英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

ピョンチャン五輪雑感 その4「競技成立への疑問・ショートトラック」

2018-03-13 23:17:57 | スポーツ
この競技に関しては、今回のピョンチャン五輪に限らず、毎回、競技を見る度に“競技として成立するのか”疑問に思っている。

 ①「高速で急なコーナーを回る」、②「単独走やセパレートコースではなく、数人が集団で滑る」という特性があり、①は高い技術が必要、②は他選手との接触が常にある。………つまり転倒が多発する
 もちろん、転倒の危険性が高い競技は他にもある。例えば、スキークロスやスノーボードクロスで、バイクのモトクロスのウインター競技版と考えてよい競技だ。板が交錯したり、身体の接触による転倒シーンがよく見られる(スノーボードの方が、バランスを取りにくいので、転倒が多いような気がする)。他には、ノルディックのマススタート方式のクロスカントリーでも転倒シーンはよくある。
 しかし、ショートトラックの転倒率は、それらの競技より遥かに高い。接触率が高いうえ、スケートはバランスを崩すと立て直しが難しいのが要因である。特に、隣の選手が転倒した場合、それに巻き込まれる率は非常に高い。“不可避”と言って良いくらいだ。
 「運がよくないとメダルは取れない」と言えよう(ショートトラック関係者の皆さん、ごめんなさい)

 しかも、接触プレーや転倒の判定も不可解なことが多い。
【例1】女子リレーの判定
 ただでさえ接触転倒の多い競技だが、これがリレーとなると、非常に多数の選手がコース上で交錯し、その危険度はさらに高くなる。

 接触・転倒はバトンタッチの際に起こった。(バトンタッチと言ってもバトンを渡すのではなく、次走者の身体にタッチすればよい。通常、力学の効率を考え、前走者が次走者の腰の辺りを押す)
 韓国選手がタッチをしようとした際バランスを崩し、転倒しながらタッチ(タッチ後に転倒したのかもしれない)。
 この影響を受けたのがカナダで、韓国選手と接触しバランスを崩したが、何とか転倒を免れた。
 しかし、コース変更を余儀なくされ、次走者へのタッチは出来ず、これが“バトンタッチ不履行”と見なされ、失格となってしまった。

 では韓国チームは妨害行為と見なされないのか?
 審判の説明によると、
「韓国チームの転倒は、次走者を押す際にバランスを崩して転倒したもの。他の選手を妨害するために故意に転倒したのではなく、やむを得ないアクシデントであった」

 
 このバトンタッチのシーンであるが、「韓国チームの選手がアウトに膨らんでしまい、次走者にタッチするため、イン側にコース変更しカナダの選手とと接触、その結果、カナダ選手は韓国選手に押される形となり、次走者にタッチが出来なかった」ように思えた。
 要するに、カナダチームには違反行為はなく、バトンタッチができなかったのは不可抗力だったのである。
 逆に、韓国チームは強引にバトンタッチをした。強引なバトンタッチは故意である。その結果、カナダチームのバトンタッチが出来なかった。故意に妨害しようとしたのではないが、故意の強引なバトンタッチがカナダチームに対する妨害行為になったのである。

 日本スケート連盟ホームページのショートトラックのルールのページには
「レース中の追い越しはいつでもどこでもOKですが、前の選手を押す、あるいは引っ張るなどの妨害行為をすると失格」
 素直に解釈すると、「(故意、偶発に関わらず)妨害に当たる行為を行うと失格」となるが、“妨害”自体に“故意”の意味が含まれているような気がする。実際、アクシデントで転倒し、他の選手を巻き込んだ場合、“失格”にならないケースが多いように思う。
 しかし、今回の韓国チームの場合、走路のミスによる強引なバトンパスであり、アクシデントと呼べるものではない。
 百歩譲って「韓国チームお咎めなし」としても、カナダチームの失格はあり得ない。


 さらに、このレースでは、韓国チームと中国チームのトップ争いが白熱し、接触プレーが生じた。
 結局、「中国チームの失格」という判定が下された。



 この他に気になったルールとして
「スタート直後~コーナーに差し掛かるまでの転倒は、スタートやり直しの救済措置が取られる」

 スタート直後、勝手によろけて転倒。しかも、「藁にもすがる」つもりだったのか、「転倒は隣の選手のせいで、その報復」のつもりだったのか、隣の選手のスケート靴のブレードをつかもうとしていた。あるいは、他の選手も転倒すれば救済措置が取られると思ったのかもしれない。


 毎回、モヤモヤが残る競技だなあ……


その1「カーリングに関する疑問」
その2「競技成立への疑問・スピードスケート1000m」
その3「競技成立への疑問・スピードスケート マススタート」
その4「競技成立への疑問・ショートトラック」
その5「感動シーン①“メダル獲れて良かったね”」
その6「感動シーン②“格好良すぎるコメント”」
その7「バレリーナと女優」
その8「感動シーン③“ピョンチャン五輪でベストシーン”」
コメント (2)
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