英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

相棒 season16 第20話(最終回SP)「容疑者六人~アンユージュアル・サスペクツ」

2018-03-15 00:18:48 | ドラマ・映画
つまらなくて、退屈な2時間強………

 風間楓子(芦名星)がエスカレーターの降り口から転落。
 居合わせたのは、峯秋(石坂浩二)と美彌子(仲間由紀恵)、衣笠副総監(杉本哲太)と青木(浅利陽介)、内村刑事部長(片桐竜次)と中園参事官(小野了)の6人。
 楓子は押された感触があり(だから転落した)、「突き落とされた」と主張。
 となると、6人の誰かが犯人ということになる………


 しかし、6人の立ち位置を考えると、6人に気づかれず突き落とすのは不可能に近い。ただ、直前に赤ちゃんが大泣きして、そちらに気を取られた(美彌子、峯秋)という証言もある。とは言え、他の5人全員が気づかないというのは有り得なさそう。それに、遠くにいた2人が傘を使ったとしても、突き落とすのは難しそうだし、気を取られることがあっても、動いた気配ぐらいは察知できるはず。
 となると、楓子の虚言か勘違い。あとは、楓子が6人のうち誰か、あるいは複数~全員、または警察そのものに恨みをいだいていて、傷害事件を装って自ら転落したか……とも考えたが、これまでの楓子のキャラからすると可能性は低い。(でも、ダークナイトの件もあるからなあ)
 やはり一番考えられるのは、つまずいて転落した楓子が、自分の失態を隠す為嘘をついたのか?

 などと考えていたが、6人に聴取するものの捜査はなかなか進展せず、同じような会話ばかりで、退屈な時間が続いた。(6人の応対が、それぞれの個性を反映していた、多少は興味を惹いたが)
 しかも、2時間強のスペシャルの為、余分なシーンが多かった。
 楓子の母・匡子(加賀まりこ)に関するエピソードはカットしても良かった(内村との密会、離婚の用意をした覚悟、特命係とのやり取りなど)。最後の拳の骨折はおもしろかったが。
 捜一コンビが暴力団の若い衆たちを取り調べるシーンも冗長感が強かった(組対5課の三文芝居も面白かったが、カットしても良いシーン)。
 さらに、一課に捜査させる為、また、≪峯秋が真相究明の意思がある≫事を示す為に、国家公安委員の三上冨貴江(とよた真帆)が大河内春樹監察官(神保悟志)に圧力を掛けさせたが、これも不可欠なシーンではない。(加賀まりこのシーンが必要以上に多かったのに対して、とよた真帆は本当に“チョイ役”だった)
 参事官が内村に“犯行シーンを目撃した”と相談するシーンも不必要だったのではなかろうか?

 

 結局……やはり目撃していた者がいた。しかも、ふたりも。
 物理トリックも心理トリックも何もなしで、青木が傘で突いただけ(本人は“呼び止めようとした”と言い張る)。
 犯人は青木。順当過ぎたが、疑問点も多い。


青木の犯行(行為)の動機(理由)は?
・呼び止めた理由は?
・故意に突き落としたのなら、何故?(目撃される可能性が高い場面で、その危険を犯してまで突き落とす理由は?
・青木が副総監のお気に入りだとしても、自分が疑われていたら、さっさと告発しそうに思えるが(参事官も副総監も)、庇うのは不自然だ。
 

面白かったのは
・美彌子と峯秋が潔白であるという論理展開
・参事官の矛盾する行動に関する論理展開
・深夜に特命係のホワイトボードに左手で文句を書く伊丹
・少女時代の拳銃を必死に隠す組員の様子を「“のどかな時代”でした」と懐古する楓子
・場面を凍りつかせた参事官のギャグ

感心したのは
・あれだけ派手に階段落ちしたのに、軽傷で済む風間楓子(芦名星)青木(浅利陽介)中園参事官(小野了)の丈夫さ
・特命係のホワイトボードの字が非常に綺麗だった

それにしても、杉本哲太さんが登場し台詞を言うシーン、どうしても大杉連さんをダブらせて観てしまう……寂しい………

通常枠(1時間)でも余る内容で、つまらなくて退屈な最終回SPだった

【『相棒』における輿水泰弘氏脚本の当ブログの記事】
season16 第14話 300回記念スペシャル・「いわんや悪人をや」 後編
season16 第13話 300回記念スペシャル・「いわんや悪人をや」 前編
season16 第2話(15分拡大SP)「検察捜査~反撃」
season16 第1話(初回拡大スペシャル)「検察捜査」
season15 第18話(最終話)「悪魔の証明」
season15 第1話「守護神」
season14 第20話(最終回)「ラストケース」
season14 第15話「警察嫌い」
season14 第7話「キモノ奇譚」
season14 第1話「フランケンシュタインの告白」
season13 第19話(最終話) 「ダークナイト」
season13 第16話 「鮎川教授最後の授業・解決篇」
season13 第15話 「鮎川教授最後の授業」
season13 第1話「ファントム・アサシン」
season12 第19話(最終話)「プロテクト」
season12 第9話「かもめが死んだ日」
season12 第1話「ビリーバー」
season11 第10話「猛き祈り」
season11 第9話「森の中」
season11 第1話(初回スペシャル)「聖域」
season10 第19話(最終話) 「罪と罰」



【season16 の当ブログの記事】
第1話「検察捜査」
第2話「検察捜査~反撃」
第3話「銀婚式」
第4話「ケンちゃん」
第5話「手巾(ハンケチ」
第6話「ジョーカー」
第7話「倫敦からの客人」
第8話「ドグマ」
第9話「目撃しない女」
第10話 元日SP「サクラ」
第11話「ダメージグッズ」
第12話「暗数」
第13話「いわんや悪人をや」 前編(300回記念スペシャル)
第14話「いわんや悪人をや」 後編(300回記念スペシャル)
第15話「事故物件」 15分拡大スペシャル
第16話「さっちゃん」
第17話「騙し討ち」
第18話「ロスト~真相喪失」
第19話「少年A」


【ストーリー】番組サイトより
事件の容疑者は6人の警察関係者!?
前代未聞の告発を機に復讐の連鎖が始まる!!


 写真誌「週刊フォトス」の記者・風間楓子(芦名星)が、エスカレーターから転落し、額を縫う怪我を負う出来事が発生。現場に居合わせたのは、峯秋(石坂浩二)と美彌子(仲間由紀恵)、衣笠副総監(杉本哲太)と青木(浅利陽介)、内村刑事部長(片桐竜次)と中園参事官(小野了)の6人。
 その出来事について「週刊フォトス」が「警察の報復か?!」と報じたため、ネットに6人の素性がさらされる騒ぎとなり、右京(水谷豊)と亘(反町隆史)は調査に乗り出す。本当に6人の中の誰かが押した故意の事件なのか、勘違いの事故なのか、あるいは楓子の虚言なのか…!? 様々な可能性があり、真相の解明は容易ではない。さらに国家公安委員の三上冨貴江(とよた真帆)の圧力もかかり始め…。
 そんな中、“容疑者”の一人が檜山(遠藤雄弥)という男と衝突し、階段から転落する事故が発生。調べると、檜山は暴力団の構成員で、楓子の両親が組織のトップであることが分かる。どうやら、楓子の母・匡子(加賀まりこ)は、娘が“傷物”にされたことに強い憤りを感じているようで、「犯人を特定して筋を通さなければ、若い衆が何をするか分からない」と脅しめいた言葉を口にする。

極道の娘の転落は、事件か、事故か、虚言か!?
一筋縄ではいかない“6人の容疑者”と対峙する特命係
すべての真相が解き明かされたとき、
誰も予想できない“落とし前”がつけられる!


ゲスト:加賀まりこ 芦名星 遠藤雄弥 とよた真帆

脚本:輿水泰弘
監督:権野元
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする