「オンベレブンビンバ」
………謎の呪文の正体は、大姫(頼朝と政子の娘)が唱えていた呪いの言葉「オンタラクソワカ」(第21話)であった。
時政が唱えたの「オンベレブンビンバ」は出だしの「オン」しか合っておらず、「全然違う」といっていいほどのモノ。他の北条家の者も《それは違うぞ》と思い、これではないのか「○△◎●×※…」と唱えるが、やはり似ても似つかぬモノ。だが、どうでも良いことは覚えていそうな実衣が思い出しそう……そして、「ぼんたらくうそわか~」を絞り出す。
「おお、それだそれだ!」と北条一族が大合唱!
………………………時政が政子や義時たちに決別の別れを告げに来た晩餐での一コマであった。
大姫と言えば、“木曽義仲の嫡男”・木曽義高に一目惚れしたおませな女の子。この呪い言葉の時期は、頼朝が…義仲を滅ぼした後、禍根を残さぬよう義高をも討ち、弟・義経をも信じることができずに討ってしまった……そんな時期。
非道過ぎる父の所業に、少し歪んでしまい呪いに走る“不思議ちゃん”になってしまっていたが、基本的には優しい女の子であった。(この後、入内を計ったが、丹後局にイビられ、病気となり、衰弱死)
この呪文時は、修羅の道を歩む頼朝に巻き込まれ、大変な思いをしていた北条家であった。しかし、北条家としては一家が団結していた時期だった。
時政
政子に唆され、実朝を排して娘婿・平賀朝雅(山中崇)を“鎌倉殿”に担ぎ上げることを決意したが、晩餐会を開くとは、時政らしい行いであった。
《朝雅を担ぎ上げても、御家人たちが納得するわけはない》
《三浦義村を仲間に引き入れなければ勝ち目がない。しかし、損得勘定に長けている義村は、「義時vs時政ではどちらが理があるか?」「もし勝ったとしても、朝雅が鎌倉殿ではうまくいかない」などと考え、義時に内通する可能性大だ》
企ては失敗する…敗戦・死を覚悟しての晩餐であった。
悲惨な未来を選んだのは、りくが愛おしいため。
りくと“一蓮托生”、と言うか……りくからの“無理心中”を受け入れる。時政らしい選択であった
【補足訂正】
ドラマ中で、善村自身が時政に加担しない理由を語っていた。
時政は「善哉が幼い間は、朝雅を暫定で鎌倉殿に据え、ゆくゆくは善哉を鎌倉殿に」と説得したが、義村はそれは嘘で、「善哉が鎌倉殿になる目はない」と判断した。
義時
……父・時政の心を悟っていた。
それでも(それだから)、非情に徹する。
義村から企てを知ったが、義村には自分が知らないことにして、時政に従うよう指示。時政の謀反を決定的なものにして、処する決意。
政子は助命を願ったが、それでは「北条だけ特別扱いにする」という不満が残るので、断固たる処置をすると断言。
平賀朝雅
いかにも良からぬ考えを腹に持っていそうな人相だが、割と小心?
政範(時政とりくの息子)を毒殺したのも、源仲章(生田斗真)に唆された因が強い。
実は、朝雅の人物像を掴みかねていた。
《“鎌倉殿”になれるかも?》とか《源氏や北条家を後ろ盾に、京の公家界で優美に暮らしたい》という欲望がどこまで強いのか……??
今話、「朝雅を“鎌倉殿”に立てる」という時政からの書状への反応で、内心が明らかになった
「“鎌倉殿”などトンデモナイ」「鎌倉は何が起きるか分からない。恐ろしい」(←不正確です)
野望は持っていたが、それほど強いものではなく。唆され、つい乗ってしまった……
京に居ても、魑魅魍魎たる後鳥羽上皇、源仲章、藤原兼子、慈円らと伍して付き合うのは大変そう。
今後、京と鎌倉との板挟みに苦しみそうだ。
第1話「大いなる小競り合い」 第2話「佐殿の腹」
第3話「挙兵は慎重に」 第4話「矢のゆくえ」
第5話「兄との約束」 第6話「悪い知らせ」
第7話「敵か、あるいは」 第8話「いざ、鎌倉」
第9話「決戦前夜」 第10話「根拠なき自信」
第11話「許されざる嘘」 第12話「亀の前事件」
第13話「幼なじみの絆」 第14話「都の義仲」
第15話「足固めの儀式」 第16話「伝説の幕開け」
第17話「助命と宿命」 第18話「壇ノ浦で舞った男」
第19話「果たせぬ凱旋」 第20話「帰ってきた義経」
第21話「仏の眼差し」 第22話「義時の生きる道」
第23話「狩りと獲物」 第24話「変わらぬ人」
第25話「天が望んだ男」 第26話「悲しむ前に」
第27話「鎌倉殿と十三人」 第28話「名刀の主」
第29話「ままならぬ玉」 第30話「全成の確率」
第31話「諦めの悪い男」 第32話「災いの種」
第33話「修善寺」 第34話「理想の結婚」
第35話「苦い盃」 第36話「武士の鑑」
第37話「オンベレブンビンバ」 第38話「時を継ぐ者」
第39話「穏やかな一日」 第40話「罠と罠」
第41話「義盛、お前に罪はない」 第42話「夢のゆくえ」
第43話「資格と死角」 第44話「審判の日」
【ストーリー】番組サイトより
政子(小池栄子)、大江広元(栗原英雄)らと新体制を始動させた義時(小栗旬)は、泰時(坂口健太郎)を自身のそばに置き、強い覚悟で父・北条時政(坂東彌十郎)と向き合う。一方、時政を蚊帳の外に置かれ憤慨するりく(宮沢りえ)は、娘婿・平賀朝雅(山中崇)を担いで対抗することを画策。三浦義村(山本耕史)を誘い、反撃ののろしを上げる。北条家内の対立が激化する中、源実朝(柿澤勇人)は和田義盛(横田栄司)のもとへ……
脚本:三谷幸喜
………謎の呪文の正体は、大姫(頼朝と政子の娘)が唱えていた呪いの言葉「オンタラクソワカ」(第21話)であった。
時政が唱えたの「オンベレブンビンバ」は出だしの「オン」しか合っておらず、「全然違う」といっていいほどのモノ。他の北条家の者も《それは違うぞ》と思い、これではないのか「○△◎●×※…」と唱えるが、やはり似ても似つかぬモノ。だが、どうでも良いことは覚えていそうな実衣が思い出しそう……そして、「ぼんたらくうそわか~」を絞り出す。
「おお、それだそれだ!」と北条一族が大合唱!
………………………時政が政子や義時たちに決別の別れを告げに来た晩餐での一コマであった。
大姫と言えば、“木曽義仲の嫡男”・木曽義高に一目惚れしたおませな女の子。この呪い言葉の時期は、頼朝が…義仲を滅ぼした後、禍根を残さぬよう義高をも討ち、弟・義経をも信じることができずに討ってしまった……そんな時期。
非道過ぎる父の所業に、少し歪んでしまい呪いに走る“不思議ちゃん”になってしまっていたが、基本的には優しい女の子であった。(この後、入内を計ったが、丹後局にイビられ、病気となり、衰弱死)
この呪文時は、修羅の道を歩む頼朝に巻き込まれ、大変な思いをしていた北条家であった。しかし、北条家としては一家が団結していた時期だった。
時政
政子に唆され、実朝を排して娘婿・平賀朝雅(山中崇)を“鎌倉殿”に担ぎ上げることを決意したが、晩餐会を開くとは、時政らしい行いであった。
《朝雅を担ぎ上げても、御家人たちが納得するわけはない》
《三浦義村を仲間に引き入れなければ勝ち目がない。しかし、損得勘定に長けている義村は、「義時vs時政ではどちらが理があるか?」「もし勝ったとしても、朝雅が鎌倉殿ではうまくいかない」などと考え、義時に内通する可能性大だ》
企ては失敗する…敗戦・死を覚悟しての晩餐であった。
悲惨な未来を選んだのは、りくが愛おしいため。
りくと“一蓮托生”、と言うか……りくからの“無理心中”を受け入れる。時政らしい選択であった
【補足訂正】
ドラマ中で、善村自身が時政に加担しない理由を語っていた。
時政は「善哉が幼い間は、朝雅を暫定で鎌倉殿に据え、ゆくゆくは善哉を鎌倉殿に」と説得したが、義村はそれは嘘で、「善哉が鎌倉殿になる目はない」と判断した。
義時
……父・時政の心を悟っていた。
それでも(それだから)、非情に徹する。
義村から企てを知ったが、義村には自分が知らないことにして、時政に従うよう指示。時政の謀反を決定的なものにして、処する決意。
政子は助命を願ったが、それでは「北条だけ特別扱いにする」という不満が残るので、断固たる処置をすると断言。
平賀朝雅
いかにも良からぬ考えを腹に持っていそうな人相だが、割と小心?
政範(時政とりくの息子)を毒殺したのも、源仲章(生田斗真)に唆された因が強い。
実は、朝雅の人物像を掴みかねていた。
《“鎌倉殿”になれるかも?》とか《源氏や北条家を後ろ盾に、京の公家界で優美に暮らしたい》という欲望がどこまで強いのか……??
今話、「朝雅を“鎌倉殿”に立てる」という時政からの書状への反応で、内心が明らかになった
「“鎌倉殿”などトンデモナイ」「鎌倉は何が起きるか分からない。恐ろしい」(←不正確です)
野望は持っていたが、それほど強いものではなく。唆され、つい乗ってしまった……
京に居ても、魑魅魍魎たる後鳥羽上皇、源仲章、藤原兼子、慈円らと伍して付き合うのは大変そう。
今後、京と鎌倉との板挟みに苦しみそうだ。
第1話「大いなる小競り合い」 第2話「佐殿の腹」
第3話「挙兵は慎重に」 第4話「矢のゆくえ」
第5話「兄との約束」 第6話「悪い知らせ」
第7話「敵か、あるいは」 第8話「いざ、鎌倉」
第9話「決戦前夜」 第10話「根拠なき自信」
第11話「許されざる嘘」 第12話「亀の前事件」
第13話「幼なじみの絆」 第14話「都の義仲」
第15話「足固めの儀式」 第16話「伝説の幕開け」
第17話「助命と宿命」 第18話「壇ノ浦で舞った男」
第19話「果たせぬ凱旋」 第20話「帰ってきた義経」
第21話「仏の眼差し」 第22話「義時の生きる道」
第23話「狩りと獲物」 第24話「変わらぬ人」
第25話「天が望んだ男」 第26話「悲しむ前に」
第27話「鎌倉殿と十三人」 第28話「名刀の主」
第29話「ままならぬ玉」 第30話「全成の確率」
第31話「諦めの悪い男」 第32話「災いの種」
第33話「修善寺」 第34話「理想の結婚」
第35話「苦い盃」 第36話「武士の鑑」
第37話「オンベレブンビンバ」 第38話「時を継ぐ者」
第39話「穏やかな一日」 第40話「罠と罠」
第41話「義盛、お前に罪はない」 第42話「夢のゆくえ」
第43話「資格と死角」 第44話「審判の日」
【ストーリー】番組サイトより
政子(小池栄子)、大江広元(栗原英雄)らと新体制を始動させた義時(小栗旬)は、泰時(坂口健太郎)を自身のそばに置き、強い覚悟で父・北条時政(坂東彌十郎)と向き合う。一方、時政を蚊帳の外に置かれ憤慨するりく(宮沢りえ)は、娘婿・平賀朝雅(山中崇)を担いで対抗することを画策。三浦義村(山本耕史)を誘い、反撃ののろしを上げる。北条家内の対立が激化する中、源実朝(柿澤勇人)は和田義盛(横田栄司)のもとへ……
脚本:三谷幸喜
第21話で北条家が一堂に会していたのは、時政とりくの間に男子(政範)が生まれ、それを祝うためでした。
その場には全成も畠山重忠も稲毛重成もいました。さらにその時、重忠の妻・ちえのお腹に子(重保)がいることが知らされました。
こうやって名前をあげるだけで、時の流れの残酷さを感じずにはいられません。
さて、子供たちと「最後の宴」をする時政は、本当に楽しそうに見えました。憑き物が落ちたというか、吹っ切れた感じでした。
おそらく、御所の縁側で時房と餅を食べていた時点で、権力への執着はなくなっていたのではないかと思います。
いつもコメント、ありがとうございます。
>第21話で北条家が一堂に会していたのは、時政とりくの間に男子(政範)が生まれ、それを祝うためでした。
ああ、そうでしたね。
この時、大姫は時政に対し「この子に命を吸い取られてしまいますよ」というような、空気を読まない言葉を掛けていたそうです。(時政のことを思っての言葉だと思いますが)
>その場には全成も畠山重忠も稲毛重成もいました。さらにその時、重忠の妻・ちえのお腹に子(重保)がいることが知らされました。
まさに、北条一族勢ぞろいですね。
>おそらく、御所の縁側で時房と餅を食べていた時点で、権力への執着はなくなっていたのではないかと思います。
おお、なるほど!
こねくり回し手垢のついた餅が奪い合っている権力に見えたのかもしれませんね。