英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

2023年全日本卓球選手権大会 その1「女子シングルス」

2023-01-31 17:51:21 | スポーツ
“全日本卓球”の記事を書くのは2年ぶり(2021年全日本卓球選手権大会

1.女子シングルス
準々決勝
横井咲桜(四天王寺高)4-2 出雲美空(サンリツ) 
 〈2-11, 11-6, 11-6, 9-11, 11-9, 11-6〉
木原美悠(JOCエリートアカデミー/星槎)4-0 鈴木李茄(トップおとめピンポンズ名古屋)
 〈11-6, 11-7, 11-8, 11-7〉
石川佳純(全農)4-1 佐藤瞳(ミキハウス)
 〈11-13, 11-8, 11-9, 11-9, 11-6〉
早田ひな(日本生命)4-0 平野美宇(木下グループ)
 〈11-1, 11-9, 11-8, 13-11〉
 ベスト4は横井、木原、石川、早田の4選手。


 実は、2021年大会のベスト4の内の3人が同一で、その時の準々決勝が下記。
早田ひなー佐藤瞳、伊藤美誠ー長崎美柚、木原美悠ー平侑里香、石川佳純ー横井咲桜(左側が勝者)
 唯一外れたのは、伊藤美誠というのが皮肉と言うかなんというか……今回、伊藤は6回戦で横井に敗れており、今年の(2年前と比べての)新顔は、その横井である(横井も2年前は準々決勝まで進出し、石川に敗れている)
 横井咲桜(四天王寺高)は上述した通り一昨年のベスト8。昨年は棄権している。今大会は、伊藤美誠の他、森さくら(2014年準優勝)や井絢乃(今大会女子ダブルス準優勝)を破っている。

準決勝 石川佳純-早田ひな
 今大会の石川は、6回戦で昨年同じく6回戦で敗れた加藤美優をフルセットで破り雪辱を果たしている。ゲームカウント1-3からの逆転。しかも、第5ゲーム、第6ゲームとマッチポイントを握られてからの逆転勝ち。(ちなみに、会場は加藤にとって完全アウェーだったらしい)
 準々決勝はネットで観戦。第1ゲームは佐藤に競り負けたものの、第2ゲームからは4ゲーム連取。カットマンの佐藤に対し、辛抱強くラリーを続けていた。時折打ってくる強打や、台上のツッツキなどに対しても、しぶとく繋いで、強打で決めていた。調子は悪くなさそう。
 かなり前は、石川は声を上げることは少なかったように思うが、徐々に決めた後に声を上げるようになってきている。このゲームに関して言うと、単に気合が乗っての叫び声や自分を鼓舞する声ではなく、相手を威嚇するような雰囲気もあって、少し残念。なんとなくではあるが、世界選手権代表もそのポイント争いを左右する大会で早期敗退して代表から外れ、パリ五輪争いでもやや出遅れている焦りや自信のなさが、その叫び声に現れているような気がした。
 しかし、ゲームが進むうちに、集中力が増したのか、叫び声は減っていった。石川にとっては、無言で集中した方が良いような気がする。


 一方の早田は、好調……と言うより、強いと言った方が良い。張本と組んだ混合ダブルス(2連覇)、伊藤と組んだ女子ダブルス(5連覇)も危なげなく制覇。強さもさることながら、体力や精神力のタフさも必要だ。
 おそらく、ポテンシャルが一段階強く、通常は80~85%で運転し、勝負所でフルスロットルでプレーする……そんな気がする。
 準々決勝の平野美宇戦は、第2~第4ゲームは競ったが、どこか余裕を感じさせたプレーだった(上述した感じ。平野に対しては85~90%で通常運転)。
 とにかく、フルスイングのフォアの威力は破壊力充分、バックハンドのカウンターブロックはコーナーを突く……エーススマッシュの返球不可能度が半端ない。
 平野も高レベルのラリーを制したり、エーススマッシュを決めるなど対抗したが、ストレート負け。昨年のトップ32では伊藤、早田らを破って優勝した時の反応の良さは凄かった(ちなみに、石川は2回戦で森に屈したのが痛く、世界選手権の代表から漏れてしまった)。あのくらいでないと、早田に勝つのは難しいが、早田、伊藤を追う一番手であろう(木原も同等)。
 今大会での早田戦は凡ミス(に見えた)が多かったが、早田の球の回転量があったからかもしれない。あと、強打が光るのでサーブが目立たないが、ここぞという時のサーブのキレが良く、ゲームの主導権を奪っていたように思う。

 さて、準決勝
 現在の早田は強い(以前から強かったが)。《順当にいけば、やはり早田の勝利だろう》と石川ファンにはあるまじき予想だ。しかし、試合では何が起きるか分からない。ちょっとした。ミスや運で流れが変わることは多い。早田は強いが、石川にも勝機はある。
    ……早田は強かった
 
 平野同様、高レベルのラリーなど繰り広げたが、そのラリーのほとんどで点を取られてしまった。
 第4ゲームは、100%のスイングやコース打ちで6-1とリードを奪ったが、結局9-11で取られ、ストレート負け。今後を考えると、1ゲームは取っておきたかった。
 悔しいが、《早田には勝てそうにないなあ》という印象だった。しかし、先にも書いたように、勝てないことはない。石川はラリーにも強く、総合力も高い。早田対策をきっちり立てれば、勝つチャンスはある。どういう対策が良いかは、素人の私には考えが及ばないが、敢えて言わせていただくと……
《ストップなどの台上プレーで、早田に気持ち良くプレーをさせない》
 石川は台上プレーが上手い。早田も長身で手足が長いので、台上プレーは得意だと考えられるが、プレーのリズムを変える効果はある。
《サーブ力のアップ》
 これも、専門家ではないので、回転の威力や球種、フォームなどの巧拙はよくわからない。現時点でも、石川のサーブはトップレベルなのかもしれない。しかし、サーブ力アップは必須のように思う。

 あと、プレーと全く関係ないが、実況アナの《早田が点を上げるのは当然》《早田がリードするのは当たり前》という口ぶりにイラっとした

 もう一方の準決勝・木原美悠(JOCエリートアカデミー/星槎)ー 横井咲桜(四天王寺高)は4-1で木原が勝利している。(中継はなく、ハイライト映像だけだった)


決勝 早田ひなー木原美悠
 早田の勝つとしたら、伊藤美誠か平野美宇かそして木原美悠かと思っていた。あとは、石川と長﨑美柚(第1回トップ32で伊藤を破り、決勝でも早田にフルゲームの大熱戦)。いや、他にも強い選手は多数。
 第1、第2ゲームは大接戦だったが、木原が制した。ラリーでも互角以上に打ち合っていた。
 第3ゲーム以降は、早田が対応し、徐々にゲームを支配し、3ゲーム連取。
 第5ゲームは8-10とマッチポイントを握られた木原が、ラリー戦を打ち抜いてジュースに持ち込んだ。しかし、次のポイントを早田が逆にラリーを制し、最後は木原がサーブレシーブをミスし、ゲームセット。大熱戦だった。



 現時点では、早田が一歩リードしているが、伊藤、石川、平野も巻き返してくるだろう。さらに、木原、長崎も楽しみ。他にも、佐藤瞳、芝田沙季、橋本帆乃香、加藤美優、張本美和、小塩遥菜……
【パリ五輪選考ポイント】
1 早田 ひな 224
2 木原 美悠 156
3 平野 美宇 134
4 伊藤 美誠 127.5
5 石川 佳純 127
6 芝田 沙季 107
7 長﨑 美柚 107
8 佐藤 瞳  94


因みに、【世界ランキング】(2023年1月 トップ5以下は日本選手のみ)
1位  孫穎莎  8270点
2位  陳夢   6740点
3位  王曼昱  5275点
4位  王芸迪  5175点
5位  早田ひな 2830点
6位  伊藤美誠 2765点
8位  石川佳純 1890点
16位 木原美悠 1290点
23位 平野美宇 1045点
37位 長﨑美柚   695点
41位 張本美和   633点
52位 小塩遥菜   530点
62位 芝田沙季   381点
70位 佐藤瞳    314点
75位 加藤美憂   290点
76位 安藤みなみ 280点
85位 笹尾明日香 246点
86位 森さくら  238点 

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