岸部露伴シリーズは 『ジョジョの奇妙な冒険』のスピンオフ作品。
本編(『ジョジョの奇妙な冒険』)がジョジョたちとDIO一派の対決色が強い対して、露伴シリーズは奇譚(不思議な物語)的な色が強い。
それは、露伴の特殊能力が①《相手の経験や能力などを把握する》、②《相手の行動を制限や強制する》という攻撃的、破壊的性質が強くないことにも起因している。
まあ、使いようによっては相当強力で便利な能力である。実際にも使用しているが「露伴に危害を与えることはできない」などと書き込むと、ほぼ安全になる。と言っても、露伴が好奇心探求心が旺盛なため、危険に近づきすぎて相当なピンチに陥ることが多い。
漫画やアニメでは、劇的な展開が多い本編(ジョジョシリーズ)が適しているが、実写の場合は、露伴シリーズの方が、奇妙と現実が融合したストーリーを堪能することができる。
この『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』も奇妙な出来事に伴う謎が明かされていき、面白かった。露伴自体は、謎を解明するという意思はあるが、それほど強くなく、奇妙の裏に存在する真相を求める探求心・好奇心の方が強いようだが。
ストーリーは、ひょんなことから(映画では冒頭部分で描かれていたが、説明が面倒なので、“ひょんなことから”ということにします)、「この世で最も黒く、邪悪な絵」の存在を思い出す。露伴の青年期に祖母の下宿で、同じ下宿人の奈々瀬という女性が語っていた最も黒い世界(絵・色)とはどういうモノなのか?……
思い出すきっかけ(ひょんなこと)となったのが、モリス・ルグランの“黒い絵”(←タイトルはあやふや)。カタログかパンフレットでその絵を見て、青春の思い出が蘇ったようだ。
オークションでその絵を落札したものの、強奪されてしまう。強盗犯は絵の裏をはがしたが、犯行の目当てのモノはなかったらしい。露伴は剥がされた部分に「これはルーヴルで見た黒。後悔」(フランス語)と書かれているのを見て、ルーヴルに行くことにした……
先にも書いたように、謎や不可解さが後半・終盤に明かされていくミステリー的面白さと、奇妙な世界、ストーリーに浸れ、満足な出来だった。
露伴と泉京香(担当編集者)のキャラと二人のやり取りも面白かった。
ここからは【ネタバレ要素】を含みます。
この泉京香……
厄介ごとを招いたり、自ら厄介ごとに飛び込んだりする。深く考えず行動し、露伴が巻き込まれるパターンもある。
しかし、持って生まれた運と芯の強さで、それらを撥ね返したり、逃れたりしている。(露伴に助けられることも多い)
相当、危険な目に遭っているはずだが、そういったことに無頓着。あるいは無自覚。
今回は、呪いの絵の影響を受けずに済んでいる。
露伴を敬いながらも、割と対等な口を利いている。
謎が解けていった(融けていった)と書いたが、不明な点もある。
①呪いの絵を描いた山村仁左右衛門の絵は、その呪いの絵を除いてすべて処分されたという。ルーヴル美術館かその関係者が、その絵の存在をどうして知ったのだろうか?
②露伴の祖母が絵を所蔵していたが、呪いを受けなかったのだろうか?
③仁左右衛門の絵を見て触発されたルグランが描いた絵から浮き出た黒の顔料によって強盗犯は変死した。優れた贋作師は呪いも再現したのだろうか?
④仁左右衛門の妻が彼の怨念を昇華させるために奈々瀬として現れたと考えられるが、露伴の青年期に現れた時には、絵の存在を示唆しただけで、絵に対しては具体的には何もしなかった。
「この世で最も黒く、邪悪な絵」と語っていたので、やはり、仁左右衛門の妻と考えるのが妥当か?
ただし、露伴が彼女にヘブンズドアが使用できた(露伴は当時の悲劇を知った)。ヘブンズドアは死人には使えないはず。
となると、仁左右衛門の妻の霊が奈々瀬の身体を借りて蘇ったのだろうか?
⑤(疑問点ではないけれど)呪いの具現化が、本人だけでなく祖先の過去に因果に及ぶという設定は、少し強引。
【ストーリー】(番組サイトより)
特殊な能力を持つ漫画家の岸辺露伴は、青年時代に淡い思いを抱いた女性からこの世で「最も黒い絵」の 話を聞く。それは、最も黒く、そしてこの世で最も邪悪な絵だった。
時は経ち、新作執筆の過程で、その絵がルーヴル美術館に所蔵されていることを知った露伴は、取材とかつての慕情のためにフランスを訪れる。しかし、不思議なことに美術館の職員すら「黒い絵」の存在を知らなかったが、データベースでヒットした保管場所は、今はもう使われていないはずの地下にある「Z-13 倉庫」だった。 そこで露伴は「黒い絵」が引き起こす恐ろしい出来事に対峙することとなる..…
監督 渡辺一貴
脚本 小林靖子
原作 荒木飛呂彦
本編(『ジョジョの奇妙な冒険』)がジョジョたちとDIO一派の対決色が強い対して、露伴シリーズは奇譚(不思議な物語)的な色が強い。
それは、露伴の特殊能力が①《相手の経験や能力などを把握する》、②《相手の行動を制限や強制する》という攻撃的、破壊的性質が強くないことにも起因している。
まあ、使いようによっては相当強力で便利な能力である。実際にも使用しているが「露伴に危害を与えることはできない」などと書き込むと、ほぼ安全になる。と言っても、露伴が好奇心探求心が旺盛なため、危険に近づきすぎて相当なピンチに陥ることが多い。
漫画やアニメでは、劇的な展開が多い本編(ジョジョシリーズ)が適しているが、実写の場合は、露伴シリーズの方が、奇妙と現実が融合したストーリーを堪能することができる。
この『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』も奇妙な出来事に伴う謎が明かされていき、面白かった。露伴自体は、謎を解明するという意思はあるが、それほど強くなく、奇妙の裏に存在する真相を求める探求心・好奇心の方が強いようだが。
ストーリーは、ひょんなことから(映画では冒頭部分で描かれていたが、説明が面倒なので、“ひょんなことから”ということにします)、「この世で最も黒く、邪悪な絵」の存在を思い出す。露伴の青年期に祖母の下宿で、同じ下宿人の奈々瀬という女性が語っていた最も黒い世界(絵・色)とはどういうモノなのか?……
思い出すきっかけ(ひょんなこと)となったのが、モリス・ルグランの“黒い絵”(←タイトルはあやふや)。カタログかパンフレットでその絵を見て、青春の思い出が蘇ったようだ。
オークションでその絵を落札したものの、強奪されてしまう。強盗犯は絵の裏をはがしたが、犯行の目当てのモノはなかったらしい。露伴は剥がされた部分に「これはルーヴルで見た黒。後悔」(フランス語)と書かれているのを見て、ルーヴルに行くことにした……
先にも書いたように、謎や不可解さが後半・終盤に明かされていくミステリー的面白さと、奇妙な世界、ストーリーに浸れ、満足な出来だった。
露伴と泉京香(担当編集者)のキャラと二人のやり取りも面白かった。
ここからは【ネタバレ要素】を含みます。
この泉京香……
厄介ごとを招いたり、自ら厄介ごとに飛び込んだりする。深く考えず行動し、露伴が巻き込まれるパターンもある。
しかし、持って生まれた運と芯の強さで、それらを撥ね返したり、逃れたりしている。(露伴に助けられることも多い)
相当、危険な目に遭っているはずだが、そういったことに無頓着。あるいは無自覚。
今回は、呪いの絵の影響を受けずに済んでいる。
露伴を敬いながらも、割と対等な口を利いている。
謎が解けていった(融けていった)と書いたが、不明な点もある。
①呪いの絵を描いた山村仁左右衛門の絵は、その呪いの絵を除いてすべて処分されたという。ルーヴル美術館かその関係者が、その絵の存在をどうして知ったのだろうか?
②露伴の祖母が絵を所蔵していたが、呪いを受けなかったのだろうか?
③仁左右衛門の絵を見て触発されたルグランが描いた絵から浮き出た黒の顔料によって強盗犯は変死した。優れた贋作師は呪いも再現したのだろうか?
④仁左右衛門の妻が彼の怨念を昇華させるために奈々瀬として現れたと考えられるが、露伴の青年期に現れた時には、絵の存在を示唆しただけで、絵に対しては具体的には何もしなかった。
「この世で最も黒く、邪悪な絵」と語っていたので、やはり、仁左右衛門の妻と考えるのが妥当か?
ただし、露伴が彼女にヘブンズドアが使用できた(露伴は当時の悲劇を知った)。ヘブンズドアは死人には使えないはず。
となると、仁左右衛門の妻の霊が奈々瀬の身体を借りて蘇ったのだろうか?
⑤(疑問点ではないけれど)呪いの具現化が、本人だけでなく祖先の過去に因果に及ぶという設定は、少し強引。
【ストーリー】(番組サイトより)
特殊な能力を持つ漫画家の岸辺露伴は、青年時代に淡い思いを抱いた女性からこの世で「最も黒い絵」の 話を聞く。それは、最も黒く、そしてこの世で最も邪悪な絵だった。
時は経ち、新作執筆の過程で、その絵がルーヴル美術館に所蔵されていることを知った露伴は、取材とかつての慕情のためにフランスを訪れる。しかし、不思議なことに美術館の職員すら「黒い絵」の存在を知らなかったが、データベースでヒットした保管場所は、今はもう使われていないはずの地下にある「Z-13 倉庫」だった。 そこで露伴は「黒い絵」が引き起こす恐ろしい出来事に対峙することとなる..…
監督 渡辺一貴
脚本 小林靖子
原作 荒木飛呂彦
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