英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

『99.9-刑事専門弁護士- SEASON Ⅱ』 第8話

2018-03-12 15:54:08 | ドラマ・映画
★ドラマを盛り上げる為と判事・川上(笑福亭鶴瓶)の狡猾さを描写する為、一審で深山が敗訴!……敗訴が前提のせいか、一審での深山の裁判への準備がいつもより甘かった
1・毒を盛ったという決定的な証拠を挙げられなかった
 ・混入した毒がニシカワメッキのモノと違うという科学的検証データ
 ・クラブのママにニシカワメッキから贈られてくる羊羹と同じ羊羹をを購入させた
 ・“その羊羹が家にあった”という藤堂の妻(森口瑤子)証言
 ・当日、事務所で羊羹のすり替えが可能だった
 ・無差別殺人ではなく、対象者(標的)を絞って殺害も可能だった(ただし、成功する可能性は“確実”と言えるほ高くはない。一審の法廷では触れなかったのもそのせい?)
これらは状況証拠で、裁判官・川上の巧みな誘導によって、有効な証拠とはならなかった。

2.犯行に使用された毒がニシカワメッキのモノではないという立証が甘かった
 劇薬を厳しく管理していたのだから、その使用結果も詳細に残されていたはず。社員の証言は信憑性が低いとは言え、沢渡清志郎(白井晃)に鑑定と使用データと合わせれば、社員の証言の信憑性が高くなる。
 さらに、直近の劇薬セトシン使用時期が2か月前で、社長と議員がもめた時期よりも前というのも、説得力を高める。

3.“ニシカワメッキの社長犯人説”の矛盾点
 毒を使用できたのは社長のみという状況にもかかわらず、その毒を犯行に使用するのはおかしい


★≪羊羹のすり替えの可能性≫や≪標的限定の毒殺≫の考察・検証・立証は面白かった
 爪楊枝のトリックは既視感があるが……


★妻が協力した動機が面白いというか、凄いというか…
 愛人を作っていた夫の為に、自らの命を危険にさらして協力する……その理由が「“国会議員の妻”ではなくなり“ただの男の妻”になるのが耐えられなかった」からというのは凄まじい。
 羊羹の目撃証言の際、“たぶん”と何度も口に出し、検察に誘い水を出す悪賢さにも感心。


 それにしても、裁判員なんて悪賢い裁判官に掛かれば、簡単に思い通りの判決に誘導されてしまいそう。
 しかも、裁判官はその判決を裁判員のせいにできるし。



第1話第2話第3話第4話第5話第6話第7話

【ストーリー】番組サイトより
 選挙を目前に控えた、元文部科学大臣・藤堂正彦(佐野史郎)議員の選挙事務所で、毒物による殺害事件が起きた。事務所に送られてきた羊羹ようかんを食べた藤堂議員と妻の京子(森口瑤子)、後援会長の金子源助、第一秘書の上杉の4人のうち、上杉が死亡し、藤堂の妻・京子は意識不明の重体になった。事件後、羊羹の送り主である、ニシカワメッキ社長・西川五郎(おかやまはじめ)は逮捕・起訴されていた。
 羊羹に混入されていた毒物は鑑定の結果、依頼人の会社が保有するものと一致していた。しかも、新規事業のために西川は、藤堂議員に陳情に行き断られていたという動機まで発覚。絶対的不利な状況の中、別人のように乗り気な佐田(香川照之)。一方、深山(松本潤)はある矛盾に気付く。そこで、斑目所長(岸部一徳)の紹介で、個人で鑑定をやっている元科捜研・沢渡清志郎(白井晃)に鑑定を依頼し、重要な証拠を見つける。

 そんな中、舞子(木村文乃)は、この裁判の裁判長が川上(笑福亭鶴瓶)であることを知る…。

 不気味な笑顔を見せる川上。そして、川上から深山たちに予期せぬ判決が—

脚本:宇田学
演出:岡本伸吾
トリック監修:蒔田光治
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

あれから7年

2018-03-11 20:51:41 | 時事
東日本大震災……あれから7年。
死者・行方不明者1万8434人、避難者(全国)7万3349人。

 「7年経った」と過去形にできない…
 「7年」と簡単に一言で言えない…

 亡くなった方のご冥福を、行方の分からない方が見つかりますように、被災者の方の傷が少しでも癒えますよう願います。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『BG ~身辺警護人~』 第8話

2018-03-11 12:22:29 | ドラマ・映画
急転直下の村田(上川隆也)の死。
その死が「出しゃばった民間のボディーガードが無謀な行動をして撃たれた」へと世論を誘導されてしまった……


その汚名を晴らそうとする警護課 VS 真相を隠ぺいしようとする警察・政府
 という構図が展開された今回だが、村田を失った悲しみや喪失感も描かれていた。
 メンバーで撮った“誤差なし”の記念写真が哀感を誘う……
 あの写真は“死亡フラグ”だったんだな。(気づかなかった。不覚)

 良心の呵責を感じる愛子(石田ゆり子)、静観する落合(江口洋介)、真相の隠蔽を謀る氷川(宇梶剛士)、汚名返上に焦る高梨(斎藤工)、警護課の存続に努めようとする島崎(木村拓哉)、辞めようと悩む沢口(間宮祥太朗)など様々な姿勢。
 高梨の過去の心の重荷、落合と村田の過去の関わりなどが明らかにされた。
 その中で「頭を下げる時は、見返りがある時だけと決めています」と訳の分からない自論を述べる愛子だった。


 汚名返上の決め手の証拠となり得る音声データも消去されてしまったが、おそらく視聴者のほとんどが予測していたはずだが、警護課のメンバーが意気込んでデータを開こうとしていたのは、少し滑稽だった。
 

≪今回の依頼……サスケフーズの新製品の発表会会場での警護≫
 「解雇しておきながら、新製品の発売とはどういうことか?」という不満を持つ元社員たちが、会場に押し掛け抗議デモをしようとしたが、これを島崎たちが強制排除。
 なんか乱暴だったなあ。会場外で待ってもらい、サスケフーズ会長(伊武雅刀)に会わせ、両者の言い分を伝え合うという方法もあったと思うが。

【その他の感想】
・島崎の元妻(山口智子)は今回全く出番なし。事件現場にいた上、島崎の息子を引き取る(預かる?)役どころなのに。
・村田の妻は、薄幸感が似合う中山忍だった。
・村田の息子は、村田に似ず気が短い。


【ストーリー】番組サイトより
 厚生労働大臣の愛子(石田ゆり子)と民事党幹事長・五十嵐(堀内正美)の会食の場で起きた発砲事件により、撃たれた村田(上川隆也)。五十嵐が犯人を挑発したことにより起きた事件ではあるが…世論は、「出しゃばった民間のボディーガードが無謀な行動をして撃たれた」と否定的な目を向け、現場にいた愛子や五十嵐、そして警視庁のSPたちも、みずからの保身のために真実を語ろうとはしなかった。
 なんとか村田の汚名をそそぎ、民間ボディーガードとしての名誉も回復したい章(木村拓哉)たち身辺警護課のメンバー。しかし、警察ですら真実を明かしてくれない現状に為す術もない。
 これまで通りの業務を続けようとする章に対し、高梨(斎藤工)は「泣き寝入りするのか」と、反発する。さらに、沢口(間宮祥太朗)までもが「ボディーガードを辞めさせて欲しい」と言い出してしまい…?

 そんな中、SPの落合(江口洋介)をともない、愛子が章を訪ねて日ノ出警備保障にやってきて…!?

ゲスト:伊武雅刀(大久保佐助………サスケフーズ会長)

脚本:井上由美子
監督:七高剛
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

相棒 season16 第19話「少年A」  【追記あり】

2018-03-09 19:46:49 | ドラマ・映画
≪85%ほど完成したレビュー記事が、なぜか消失……眩暈を感じつつ再記述しました≫
明日は見えず、今日をどうやり過ごすか……
   …………“生きる”とはかけ離れた日々

無戸籍、ネグレクトの母親、ドメスティックバイオレンスの父親……
「いつも目の前のことしか考えないように生きてきたんです。
 先のことなんて、考えてもつらくなるだけだから」
「考えるのはやめて、“今日をどう乗り切るか”……それだけ考えようって」
「僕はすべてを抱え込み、希望を捨て、人生に絶望していました」(事件後、特命のふたりに寄せた手紙)

 
 無責任、ひとでなしの親から押し付けられた重荷(自身の生活だけでなく、弟や幼い妹)に喘いできた少年。
 そんな少年に特命係のふたりは手を差し伸べる。
「“この世の中には頼れるものなんて何もない”…そう思い込んでいるような暗い表情でした」
「今までキミはずっと、その日だけを毎日、必死で生きてきたのでしょうねえ。
 苦しかったでしょう……でも、もう十分だと思いますよ。
 これからは、明日を生きていきませんか?」
「俺が手伝うよ」(冠城)

………少年を抱きかかえるような右京の言葉、冠城も支援を約束(捜査段階から、真剣に少年を問い詰めていた)

 重荷から解放された少年は涙を流し(感情の解放)、「ありがとう」と感謝の言葉を言う(人の情を感じた)。
 ≪よかったなあ≫(亡くなった妹は可哀想だったが)と思った視聴者は多かったろう(かく言う私も)



情報を隠し、断片的な事実を見せる……ミステリーの手法の一つだが、謎解きとしてはやや卑怯(私見です)
・殺人現場で、なぜ、リンゴを食べたのか?(殺害後、その場にとどまり、リンゴを食べたという捜査陣の見解だった)
・リンゴの箱の謎(少年は遺体発見直後、現場でリンゴの箱を抱え、後に、それをコインロッカーにしまった)
・半グレ集団に命令された悪事の内容は?
・少年が橋の下に埋めたモノは?
など多くの謎があったが、事実を伏せることで解明を先延ばしにした。
 それでも、≪母親の部屋のカレンダーと少年が書いたスマホの番号の「8」の筆跡≫、≪埋めた後の花を添えたこと≫、≪兄弟の服装の類似点≫≪靴ひもが解けていた≫、≪胡蝶蘭の名産地と右京の鎌掛け≫、≪半グレ集団とその兄貴分の暴力団員とのやりとり≫、≪眼鏡店からのダイレクトメール≫など、推理する材料もあった。右京はかなり早い段階で、「どうやらすべてが見えてきたようですねえ」(私には見えていなかったが)
 あと、少年が身元やアリバイ、半グレ集団に行動を偽る手腕もなかなかのものだった。


 真犯人は“第一発見者”
 “善意の通報者”を装うことで、捜査対象から外れようと思ったのかもしれないが、墓穴を掘ってしまった感がある(第一発見者は捜査対象になる)。ドラマの尺の関係で、登場させておく必要があったからなのだろう。


【疑問点など】
・リンゴの箱をけっこう無造作にコインロッカーに仕舞っていたが
・弟(後に判明)が兄のことを“おまえ”と呼んでいた(最後のシーンでは“兄ちゃん”と呼んでいた)
・ディスカウントショップで少年が品を物色する様子を防犯カメラの視点になっていたがその理由は?
・少年に100万円の前金を渡すのは気前良過ぎ(初めから、弟を人質にとる方が自然)
・半グレ集団が闇金業で荒稼ぎをしていたようには見えない
・妹の存在とその死を右京が気づけなかった
・ずっと少年をマークしていれば、解決できたように思う


 それにしても、出生届を出さない母親は許せない。無戸籍状態は、社会から認知されない存在。あまりにも悲しすぎる。
 しかも、3人も無戸籍。責任も愛情もなく子どもたちを放ったらかしで生活費も与えず、自分は気ままな生活。
 幼い妹の死は衝撃の事実。リンゴ箱のシーンを回想すると、やるせない……やるせない。



【追記】 タイトルの「少年A」について
 少年にとって本名は意味がない状況、むしろ、他人に成りすます必要に迫られることの方が多かった。“少年A”でも“少年B”でもよかった。
 今回の件で、本名が価値を持ち、本名で呼ばれる権利や関わりを持てることができた。“少年A”から“創”になれた。

 

 脚本担当の徳永富彦氏は、今シリーズ第7話「倫敦からの客人」を担当している。
 徳永富彦氏については過去に『刑事7人』第3シリーズ 第8話「悪女 ~無差別殺人VS嘘まみれの女たちの危ない関係~」において、下記のように評している。

=========================================
 徳永富彦氏の脚本は“虚構”をテーマにしたモノが多い
 その他の特徴としては、立体的構造(二重構造)や同時進行など凝った構造。
『相棒』
 season13…第4話「第三の女」、第11話「米沢守、最後の挨拶」
 season14…第5話「2045」、第17話「物理学者と猫」
 season15…第7話「フェイク」
『捜査一課9係』
 season10…第8話「3つの捜査線」
 season11…第8話「3つの大追跡」

『刑事7人』の今シリーズでは 第4話「死味」遺体を見て笑う男の正体!?V字の傷痕の謎!! を担当している。
==========================================



 今回も少年が偽る身元……“虚構”がテーマのひとつ。
 氏の脚本では、相棒 season14 第17話「物理学者と猫」が印象に残っている。




【season16 の当ブログの記事】
第1話「検察捜査」
第2話「検察捜査~反撃」
第3話「銀婚式」
第4話「ケンちゃん」
第5話「手巾(ハンケチ」
第6話「ジョーカー」
第7話「倫敦からの客人」
第8話「ドグマ」
第9話「目撃しない女」
第10話 元日SP「サクラ」
第11話「ダメージグッズ」
第12話「暗数」
第13話「いわんや悪人をや」 前編(300回記念スペシャル)
第14話「いわんや悪人をや」 後編(300回記念スペシャル)
第15話「事故物件」 15分拡大スペシャル
第16話「さっちゃん」
第17話「騙し討ち」
第18話「ロスト~真相喪失」


【ストーリー】番組サイトより
殺人事件の容疑者はワケあり美少年!?
特命係を翻弄する少年Aの正体とは?


 ホステスの女性が自宅マンションで撲殺される事件が発生。現場検証の結果、犯人と思われる人物が、犯行後に12時間も部屋に残っていたという異様な状況が判明する。
 そんな中、右京(水谷豊)と亘(反町隆史)は現場付近で気になる少年(加藤清史郎)を目撃。その少年は、暴力団員風の男たちから脅されていたが、何か事情があるらしく、右京たちから事情を聞かれても、のらりくらりとかわすだけで要領を得ない。
 いっぽう、ホステス殺害について捜査本部は痴情のもつれの線で捜査を進めていたが、右京たちは少年が何らかの事情を知っているとみて周辺を調べる。すると、少年の素性やアリバイが、その場しのぎの嘘であることが発覚。少年は、右京たちに追究されても頑なに本当のことを話そうとせず…!?

“嘘つき少年”は一体何を隠しているのか?
少年を脅して操る暴力団員風の男たちの狙いとは!?
特命係が事件の背後に隠された驚愕の真実を解き明かす!


ゲスト:加藤清史郎

脚本:徳永富彦
監督:橋本一
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『99.9-刑事専門弁護士- SEASON Ⅱ』 第7話 【追記あり】

2018-03-05 14:48:16 | ドラマ・映画
「相変わらず人を食った態度の深山(松本潤)」、「プロレスネタ」、「いとこんちの会話」、「杜撰な捜査」などをスルーすれば面白いが、今話は佐田(香川照之)周辺のシーンを以外は、事件の真相を含めて面白さが少なかった。ダジャレもイマイチ。

【突っ込み処、疑問点】≪追記あり≫
①あれだけ同種の衣服やインテリアを揃えているのに、眼鏡が2個というのは少な過ぎ。しかも、眼鏡だけ色違いというのは被害者の嗜好に反しており、犯行立証のための設定としか思えない
②比嘉愛未さんをフェイクの容疑者としての起用は贅沢だが、異論はない。しかし、“美人の愛人”というだけのキャラは残念。
③新規事業による更なる経営悪化を懸念した幹部部下が真犯人だったが、それが動機と言うのは弱い。
④逮捕間際に中村麻美(田中美奈子)が歌を唄い出したのには唖然としてしまった。


 下っ端の判事に渡された“模範判決事例”は、事務総長(榎木孝明)ではなく川上(笑福亭鶴瓶)が作成したものだったのか。
 遠藤(甲本雅裕)は川上に反抗しそうだが、第5話の時とはずいぶんキャラが違うような気がする。
 

第1話第2話第3話第4話第5話第6話

【ストーリー】番組サイトより
 佐田(香川照之)が顧問弁護を務めるオガタテクノロジーの社長・緒方(ヒャダイン)が失踪した。検察庁に呼び出された佐田は検事から、緒方が1週間前に会社の資金3000万を引き出した後、姿をくらまして業務上横領の罪がかけられてることを聞かされる。さらに、失踪当日に佐田の個人口座へ300万円の振り込みがあったことも分かり、佐田は業務上横領幇助ぎょうむじょうおうりょうほうじょの容疑で逮捕される!
 弁護を請け負った深山(松本潤)と舞子(木村文乃)はオガタテクノロジーを訪れ、専務の大河原孝正(佐戸井けん太)と経理担当の中村麻美(田中美奈子)から話を聞く。さらに、従業員の笹野桜(比嘉愛未)立ち会いの元、緒方の自宅を見せてもらうことに。そこで深山はある矛盾に気付く——。

 そんな中、佐田の担当裁判官に意味深な笑顔で近づく川上(笑福亭鶴瓶)。その川上の真意は!?

やがて、佐田の公判が始まる—
果たして、深山と舞子は佐田を救うことができるのか!?

脚本:宇田学
演出:木村ひさし
トリック監修:蒔田光治
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ピョンチャン五輪雑感 その3「競技成立への疑問・スピードスケート マススタート」

2018-03-04 13:52:51 | スポーツ
 「マススタート」という用語を初めて耳にしたのは、ノルディックスキーのクロスカントリー。
 ノルディックスキーのクロスカントリーは、従来、30秒おきにスタートするインターバルスタートであったが、近年は一斉にスタートするマススタートが採用されるようになった(現在、インターバルスタートの種目もある)。バイアスロンでも、クロスカントリーとほぼ同時期にマススタートが採用されたと記憶している。
 クロスカントリーにおけるマススタートはスキーマラソン(陸上競技で言うと市民マラソンの趣が強い)が始まりだったと思う。

 見えないライバルと競うインターバルスタートと違い、順位やレース展開やライバルの様子も把握でき、ペース配分やスパートのタイミングを伺うなど、戦術面の要素も大きい。
 視聴者にとっても分かりやすく、スパートの瞬間や優勝ゴールシーンも分かり、エキサイティングである。反面、長いスキー板を駆使する競技なので、集団走においては接触・転倒の危険性を伴う。

 インターバルスタートは順位などは分かりにくいが、純粋にタイムを縮める為に、ひたすら全力で走る(滑る)姿が感動的である。

 スピードスケートにおいては、マススタート形式のレースは、古くから国体などで行われていたと認識しているが、国際大会で行われるようになったのは最近のことである。
 スピードスケートや自転車競技では、風の抵抗が大きい先頭が著しく不利になる。先頭不利の解消や先頭を譲り合う展開を避ける為、ポイントをつけるなどのシステムを採っている。

 しかし、スピードスケートに於いてはポイント制が成熟していないような気がする。

【獲得ポイントのルール】
・4周ごとの順位でポイントが加算される仕組み
・4,8,12周の1位~3位までにそれぞれ5,3,1ポイントの中間ポイント
・ゴール順の1位~3位にファイナルポイントとしてそれぞれ60,40,20ポイント
・中間ポイントとファイナルポイントの合計で順位が決定
  ※ポイントが同点の場合は、ゴール順位で決定
   周回遅れとなった場合、レースが終了となる。
   他の選手の滑走を妨害するなどした場合、失格となる


 先にゴールしても、遅れてゴールした選手の方が獲得ポイントが高ければ、順位は下位になり、一見、ポイント重視のように思われる。
 しかし、3地点で1位で中間ポイントを獲得して15点を積み上げたとしても、3位ゴールのファイナルポイントの20点には及ばない。つまり、途中の中間ポイントにかかわらず、3位まではゴールした順位で決定されるのである。

 したがって、金メダル、あるいはメダル獲得を目指すのなら、ラストスパートに懸ければいいのである
 風の抵抗を考えると集団の中に居て体力を温存するのが得策。もちろん、接触・転倒の危険性、さらに、途中でスパートを掛け、逃げ切りを図る選手への対応もあるので、集団の中での位置取りは難しいものがある。

 とは言え、高木菜那選手の金メダルレースを観ると、レースとしての成熟度が足らないように思えてしまう。(高木選手が冷静にレースを見極め、作戦を巧妙に実施し、高速でのコーナリング、ラストの瞬発力を駆使した掴み取った金メダルは称賛すべき)
 高木選手の採ったような戦術へのリスクをもう少し高める為、「第3中間ポイント時点で6位、あるいは8位以内に居ないとレース終了」という規定を設けるなど改善が必要なのではないだろうか。

 さらに、準決勝(予選)に於いても疑問を感じた。
 これも高木選手の戦術に関してで申し訳ないが、最初の中間ポイントを1位で通過し5点を獲得。5点を取れば、走行妨害で失格、あるいは、周回遅れにならなければ、ほぼ8位以内が確定するので、あとは後方で滑るだけでよかった。(韓国の選手も、同様のパターンで決勝進出)
 こういった展開を避ける為、予選においては「ゴールで4位~6位の獲得ポイントを7~3点与える」「8位以内でゴールしなければ失格」などの規定を設けるべきなのではないだろうか?
 
 
その1「カーリングに関する疑問」
その2「競技成立への疑問・スピードスケート1000m」
その3「競技成立への疑問・スピードスケート マススタート」
その4「競技成立への疑問・ショートトラック」
その5「感動シーン①“メダル獲れて良かったね”」
その6「感動シーン②“格好良すぎるコメント”」
その7「バレリーナと女優」
その8「感動シーン③“ピョンチャン五輪でベストシーン”」
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『BG ~身辺警護人~』 第7話

2018-03-04 09:57:48 | ドラマ・映画
1.“衝撃の別れ”
 番組宣伝を見ないようにしているのだが、チラリと見える字幕に“別れ”の文字があった記憶がある。ドラマレビューでは番組サイトのストーリー欄を引用することにしているのだが、「危機を乗り越えようとする元夫婦が辿りつく衝撃の別れとは…!?」で締めくくられていた。
 かなり小賢しい表現である。島崎章(木村拓哉)と章の元妻の小田切仁美(山口智子)との別れを想像させる文脈だ。
 実際は上司の村田(上川隆也)が別れの対象だった。確かに、いつも以上に気配りをする優しい村田であったので、SPからの圧力で任務を解かれるとか、島崎たちが犯したミス(警護対象者や第三者を負傷させるなど)の責任を取って退職するとかあるのかなと考えていた。
 ドラマ後半、幹事長の元秘書(萩原聖人)が拳銃を発砲し、緊迫。
≪誰かが撃たれる≫
 結局、島崎を庇った村田が足を撃たれる。
 救急車のシーンでは
≪足でよかった。でも、思ったより重傷で車椅子生活に?≫ 
とか思っていたが、島崎と村田の会話が“今生の別れ”を思わせるような切迫さ。
≪なんだか、これは……≫
 嫌な予感が……
 村田急変!救急機器のモニターが、「NO SIGNAL」に!

 “別れ”が島崎と仁美ではなく、村田
 足を撃たれたのに、命を落とす?

……確かに“衝撃の別れ”だが、小賢しい……

 ただでさえ人材不足の警護課、村田を失ったら、どうなるのだろう?


2.完全に“ストーカー”……厚生労働大臣の愛子(石田ゆり子)
 仁美の仕事先で警護する島崎を車で通りかかった愛子が見つけ停車。角度や速度や距離的に車中から見つけるのは困難。さらに停車してスマホで電話……もはや完全なストーカー
 しかも、島崎と仁美のデート?現場(レストラン)にも出現!


3.やはり、かわいそうな萩原聖人
 先週、あまりのチョイ役で可哀そうだと思ったが、今週も登場し、面目を保ったかに思えたが、“情けない役”は変わらなかった。
 復讐対象は幹事長とはっきりしているのだから、島崎や落合(江口洋介)の説得や謝罪に惑わされず、幹事長に向けて発砲しないと駄目であろう。


4.結局、誰かが撃たれるのね
 島崎と仁美の“夫婦漫才”、落合の土下座も報われず、襲撃対象者以外が撃たれるというお決まりの展開。あそこまでやったのだから、無傷で終わらせないとスッキリしない。あの苦労は何だったのかと、モヤモヤ感が残る。
 衆目が集まり、騒動になるというドラマストーリーなので、必須の展開なのかもしれないが……


【ストーリー】番組サイトより
 6年前に別れた妻・小田切仁美(山口智子)から「わたしを護って」と依頼された章(木村拓哉)。元妻を警護するということに躊躇いと気まずさを感じ、一旦は村田(上川隆也)とまゆ(菜々緒)にBGを任せるものの、高梨(斎藤工)から「怖がっている女を護れないで、なにがプロですか」と焚き付けられ、みずからが引き受けることを決意する。
「誰かに狙われている」と話す仁美に対し、あくまで“ボディーガード”として接する章だったが、時折り“元夫婦”を感じさせる瞬間も…。そんな中、仁美を付け狙っていた人物の正体が判明する。

 警護の延長で、レストランで食事をすることになったふたりの前に、厚生労働大臣の愛子(石田ゆり子)が民事党の幹事長・五十嵐(堀内正美)との会食のため現れる。さらに客の中に望まれない客が紛れており…突然の銃声に店内は騒然とする!! 危機を乗り越えようとする元夫婦が辿りつく衝撃の別れとは…!?


ゲスト:山口智子(小田切仁美………章の元妻)

脚本:井上由美子
監督:常廣丈太
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

相棒 season16 第18話「ロスト~真相喪失」

2018-03-02 17:04:28 | ドラマ・映画
“通訳によって歪曲される捜査・真実”がテーマ
 捜査だけでなく、国家間の会議・会談、スポーツのインタビュー、国際的商談など、通訳が大きな役割を果たしているが、有意義な発言も、通訳がきっちり役割を果たさないと、意義を失うという危険性がある。
 さらに、「通訳者が意図的に通訳内容を歪めて真実から遠ざける」という可能性を、ドラマで通訳が登場するシーンを見るたびに感じていたが、今回はそれを具体化してくれた。そのテーマは良かったのだが……杜撰さが目立つストーリーだった


特に問題を感じたのが
疑問や矛盾のあるシャオリーの言動
①事件当時のシャオリーの状況
 “出し子”手配の報酬で社長に呼び出されたのだが、専務が社長と揉めて殺害してしまった時のシャオリーの状況が良く分からない。考えられるのは「シャオリーと密会中、専務のやってくる気配を感じた社長が、シャオリーを奥の部屋に隠した」という状況。
 しかし、これだと社長と専務が揉めるシーンとうまくつながらない。そもそも、このふたりの揉めるシーンが良く分からない。シャオリーよりも犯罪の金を隠す方が優先順位が高いはずだ。
 闇金業者に金を渡す時間が迫っていて専務への対応どころでないという解釈もできるが、それなら、シャオリーを呼び出すのはおかしい。闇金業者から報酬を受け取ってからで充分である。シャオリーが出し子から金を受け取って運んだ訳でもなさそうだ。
 きっちりしたシャオリーを含めた再現シーンを流してほしかった。

②事件発生後のシャオリーの状況
 鍵が掛けられた部屋から発見された。最初、なぜ逃げなかったのだろうかと思ったが、中からは開けられず閉じ込められた状態だったらしい。
 しかし、事件が発覚して現場検証が始まり、さらに右京たちが到着してから、ようやくシャオリーが発見されるというのは、あり得ない。

③矛盾するシャオリーの目撃証言拒否
・シャオリー発見時は「見た」と頷く
・通訳に“証言するな”と言われ、「見ていない」と証言
・通訳の謀略が発覚した後、目撃証言を求められ、拒否
  最後の証言拒否は、専務を庇うためだと推測できるが、だとしたら最初も「観ていない」と言わないとおかしい

④シャオリーはお咎めなし?
 “出し子”の手配は犯罪の加担にならないのだろうか?

その他の疑問点 
・社長が金を持っていたことから、闇金業者は命令しただけで犯行実行には関わっていなかったと思われる。しかし、現金引き出し、現金回収など社長一人で取り仕切られるか疑問。それに“出し子”の半数の日本人はどうやって手配したのだろか?
・殺害された時、社長はいつ通報ボタンを押したのだろうか?
・いい加減な若社長に鬱積するものがあったかもしれないが、大金と灰皿を見つけてから、犯行実行まで何のためらいもなく、手が早過ぎ。


 今回の犯行、いえ、脚本は池上純哉氏
 氏は、season14 第18話「神隠しの山」season14 第19話「神隠しの山の始末」の印象が悪すぎて、私の中では“要注意脚本家”から“警戒脚本家”と深いレベルへと沈んでいる。
 しばらく浮上はないような気がする。(『刑事ゆがみ』は面白かったのだが)


【season16 の当ブログの記事】
第1話「検察捜査」
第2話「検察捜査~反撃」
第3話「銀婚式」
第4話「ケンちゃん」
第5話「手巾(ハンケチ」
第6話「ジョーカー」
第7話「倫敦からの客人」
第8話「ドグマ」
第9話「目撃しない女」
第10話 元日SP「サクラ」
第11話「ダメージグッズ」
第12話「暗数」
第13話「いわんや悪人をや」 前編(300回記念スペシャル)
第14話「いわんや悪人をや」 後編(300回記念スペシャル)
第15話「事故物件」 15分拡大スペシャル
第16話「さっちゃん」
第17話「騙し討ち」


【ストーリー】番組サイトより
2億5千万円不正引き出し事件に外国人が関与!?
通訳捜査官と共に事件の核心に迫る


 関東一円のATMから約2億5千万円の現金が不正に引き出される事件が発生。防犯カメラの映像などから“出し子”と呼ばれる現金の引き出し役が多数特定され、右京(水谷豊)と亘(反町隆史)も捜査に駆り出される。
 そんな中、ある町工場の社長の撲殺死体が発見される。そこで半年前まで働いていた中国人従業員が出し子の一人であることが分かり、右京と亘は工場を捜査。すると敷地の一角に隠れた若い中国人女性・シャオリー(森迫永依)を発見する。
 通訳捜査官・西村(矢野浩二)を通じて事情を聞くが、警戒しているのか何も語ろうとしない。いっぽう、殺された社長は闇金に多額の借金があったらしく、専務の塹江(越村公一)によると、従業員の賃金さえ未払いだったという。さらに、シャオリーが頻繁にメールでやり取りしていたことも判明し…!?

不正引き出し事件と町工場社長殺害事件に繋がりが!?
現場に居合わせた女性はなぜ証言を拒むのか?
ふたつの事件から思いも寄らない背景が浮かび上がる!


ゲスト:森迫永依 矢野浩二

脚本:池上純哉
監督:橋本一
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『99.9-刑事専門弁護士- SEASON Ⅱ』 第6話

2018-03-02 12:55:39 | ドラマ・映画
………2年前、舞子(木村文乃)の弟・尾崎雄太(佐藤勝利)は窃盗犯として逮捕されていた。
 しかし、それは冤罪で、雄太の雇い主の糸村(横田栄司)の脱税隠蔽工作と雄太を逆恨みした悪友たちの逆恨みによって、嵌められた冤罪だった。
 ところが、舞子は初めから雄太の無実を信じず、示談に向けて、雄太に自白を要請、執行猶予を勝ち取り、“雄太を救った”と信じていた………


 現在、深山(松本潤)と共に弁護士の職務を務めている舞子は、警察・検察が提示する証拠がすべてを物語ることではないと悟り、弟の事件においても自分の取った行為に疑問を感じており、さらに今回の事件を追ううちに当時の自分の行動が浅はかだったと後悔の念を強くしていった。
 今回の事件で、弟の冤罪を晴らし、過去の行為を弟に謝罪し、二人の絆を回復した。


 ドラマとしてはこの流れ(最後に大団円)で適正であろう。
 真犯人の大酉寿司店主・新井英之(竜雷太)が雄太の弁護を舞子に頼んだ理由が「あんた(舞子)が一番、雄太を信じていないから」というダメ押しも良かった。
 しかし、人間としては、謝罪するタイミングは適正ではなかった。少なくとも佐田(香川照之)が気を利かせて、雄太に舞子を接見させた時に、謝るのが筋であろう。
 ところが、姉との接見を拒む弟に対して
「座って!あなたとはちゃんと話したいことがあるの」と言っておきながら、次の言葉が
「なんで話してくれなかったの?先に話してくれれば、他に対処のしようもあったのに」って、これかい?


「真っ先に示談するって言ったの、姉ちゃんじゃないか!」(弟の言い分が正しい)
 その後も、言い訳を続ける姉……
「俺のことを信じてなかったってことだろう!俺はそれが一番つらかったんだよ」
「一番信じてほしかった家族に信じてもらえなかったんだよ!」

弟がここまで心情を吐露しているのに
「あなたの無実を、私が絶対に証明してみせる」
と、あくまで恩着せがましく、謝罪の言葉はなかった。

 繰り返しになるが、ドラマとして最後に大団円は適正だが、姉としてはダメである

★トリックやトリックの解明・立証は面白かった
・FAX受信時間から部屋が荒らされた時刻を立証(FAX受信前に部屋を荒らせるのは糸村のみ)
・来訪者チェックのセンサーによる密室空間のトリック(密室成立以前に侵入、犯人がアリバイ証明の為の屋台を見かけたという証言が墓穴を掘ることになった)

★“見かけは冷徹そうで、その実、情に厚い”というキャラを演じる香川照之は最高!

★相変わらずの杜撰な捜査、逮捕
 「殺害時刻付近に現場にいた」「雄太の過去の窃盗事件の窃盗物が現場にあった」という状況証拠のみで逮捕

 

第1話第2話第3話第4話第5話

【ストーリー】番組サイトより
 舞子(木村文乃)の元に、大酉寿司店主・新井英之(竜雷太)が弁護依頼にやってきた。不動産屋・平田(三又又三)の殺害容疑で警察から事情聴取を受けているという。
 事件当日、新井が事件現場に出入りしていたことが、容疑をかけられた理由だったが、新井は否認。さっそく事件現場にやってきた深山(松本潤)と舞子は、煙草屋店主・飯田(ダンカン)から、事件当日、現場に出入りしていた人間が、新井以外にもう一人いたという話を聞く。

 深山たちが事務所に戻ると、平田殺害の容疑者逮捕のニュースが…。テレビに映された尾崎雄太(佐藤勝利)は、なんと舞子の弟だった。さらに、雄太は2年前に窃盗事件で有罪判決を受けていたことが判明する。 舞子は雄太と接見して弁護を請け負おうとするが、雄太は頑なに拒否。舞子と雄太の間には、あることがきっかけで大きな溝ができていたのだ。結局、深山が一人で弁護を担当することになるが、そこで雄太は、改めて「自分は今回の事件も、2年前の事件もやっていない」と否認するのだった。

 この事件を受け、斑目所長(岸部一徳)は、雄太が本当に犯人であれば顧客からの信用に関わるため、舞子には辞めてもらうと佐田(香川照之)に言い放つ。

 殺人容疑と2年前に雄太が有罪判決を受けた窃盗事件が深く絡まり合った難事件。果たして深山たちは事実を見つけ出し、雄太と舞子を救うことができるのか!?

脚本:宇田学
演出:木村ひさし
トリック監修:蒔田光治
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする