漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

【汞】

2014-03-30 12:08:29 | 雑記
 久しぶりに「発見」のお話し。

 昨日購入した平成16年版過去問題集の1級の問題を復習していたところ、15-2 の読み問題で 【昇汞】 が出題されていました。

 【かつて 昇汞 を殺菌消毒に使用した。】

 正解は「しょうこう」ですね。【昇汞】 とは、塩化第二水銀のこと。これ自体は問題なく読めたのですが、改めて 【汞】 の字を調べていてふと気付いたことがありました。私は今まで、この字は「二」に縦棒の長い「水」で6画だと思っていたのですが、「辞典」の字体を良く良く見ると、「エ+水」で7画になっています。画数表記ももちろん7画。「要覧」の記載も同じです。「え?」と思って確認したところ、MS明朝を始めとする明朝体のフォントの多くで、6画に見える字体になっていることがわかりました。私は以前、エクセル等で資料を作成する際にMS明朝で作っていた(その後、教科書体に変えました)ので、どうもその時に6画だと思い込んだようです。

 代表的なフォントでそう見える字体になっているのですから実際にはどちらで書いても許容されそうな気もしますが、「要覧」に許容字体の記載もありませんので、きちんと覚えておきたいと思います。ちなみに「辞典」には、 【汞和金】 (こうわきん。歯の治療に使用されるアマルガムのこと。)なんて熟語も出てますね。


<「漢検 漢字辞典」初版の掲載ページ>

【汞】  P.482
【昇汞】 P.737