うつろへと かはらざりけり きくのはな おなじむかしの いろやさくらむ
うつろへど かはらざりけり 菊の花 おなじむかしの 色や咲くらむ
時が移っても菊の花には変わりはなく、昔と同じ色に咲いているのであろうか。
菊は長寿をもたらすとの言い伝えにも思いを馳せての詠歌でしょう。よく似た歌が続後拾遺和歌集(巻第五「秋下」 第384番)にも採録されています。
うつろふと みゆるものから きくのはな さけりしえだぞ かはらざりける
うつろふと 見ゆるものから 菊の花 咲けりし枝ぞ かはらざりける