漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 515

2024-09-12 07:02:00 | 貫之集

をしめども とまらぬけふは よのなかに ほかにはるまつ ところやあるらむ

惜しめども とまらぬ今日は 世の中に ほかに春まつ ところやあるらむ

 

惜しんでもとまらずに春が去って行ってしまうのは、世の中にはほかに春を待っているところがあるからであろうか。

 

 惜春の情を、「他に春をまっているところがあるから春は行ってしまうのか」といぶかって見せることで表現した歌。発想の妙というところでしょうか。