漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 526

2024-09-23 07:08:51 | 貫之集

五日

ほととぎす なけどもしらず あやめぐさ こぞくすりびの しるしなりける

時鳥 鳴けども知らず あやめ草 こぞ薬日の しるしなりける

 

五日

時鳥が鳴いてもいっこうに気づかず、あやめ草を見て、やっとこれが五月五日のしるしだとわかったよ。

 

 第四句「薬日」は陰暦五月五日の異称。時鳥の声で五月の到来を知ると言う歌が 228471 にありましたが、こちらはそれに気づかず、あやめ草を見てようやくわかったという詠歌。年齢による衰えの実感をふくんだせつない歌ですね。