漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 522

2024-09-19 06:20:46 | 貫之集

こゑたかく あそぶなるかな あしひきの やまひといまぞ かへるべらなる

声高く 遊ぶなるかな あしひきの 山人いまぞ 帰るべらなる

 

声高く神楽を奏していることよ。その山人たちがいま、帰って来るようだ。

 

 「あしひきの」は「山」にかかる枕詞。「山人」は山で暮らす人ないしは仙人のこと。山で神楽を奏した人たちのことを「山人」に喩えたものですね。古今集 1076 のよみ人しらずの歌にも出てきた言葉です。

 

まきもくの あなしのやまの やまびとと ひともみるがに やまかづらせよ

巻向の 穴師の山の 山人と 人も見るがに 山かづらせよ

 

よみ人知らず