漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0914

2022-05-01 04:50:07 | 古今和歌集

きみをおもひ おきつのはまに なくたづの たずねくればぞ ありとだにきく

君を思ひ おきつの浜に 鳴く鶴の 尋ねくればぞ ありとだに聞く

 

藤原忠房

 

 あなたを心に思い置いて、興津の浜に鳴く鶴のように尋ねてきたからこそ、あなたが元気であるということだけでも聞くことができました。

 貫之が和泉の国にいた時に、忠房が大和の国から国境を越えてやってきて詠んでおくった、との詞書が付されています。第二句冒頭の「おき」は、「(思ひ)置き」と「興(津)」の掛詞になっています。「鶴(たづ)」「尋ね」と同音を繰り返してリズムを生む技法も用いられていますね。



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