思わず息を飲み込んだ。9区を20km付近まで順調に走っていた松井選手が倒れそう。
必死で最終ランナー北の待つ鶴見中継所に辿り着いた。3位から6位にダウン。
10区の北もおかしい。負の連鎖に明治が襲われる。順天堂にも抜かれて7位でゴールに。
復路の成績 13位 5時間40分37秒
6区 廣瀬大樹 58分19秒 2位
7区 有村俊樹 1時間 5分 1秒 3位
8区 横手健 1時間 7分38秒 9位
9区 松井智靖 1時間15分29秒 18位
10区北魁道 1時間14分10秒 17位
【マスコミ記事】
明大、大ブレーキ7位!9区・松井、まさかの脱水症状…箱根駅伝
スポーツ報知 1月4日(金)7時4分配信
前回3位から7位に順位を下げた明大は、50年ぶり6度目の復路優勝を逃す、悔しいアクシデントに見舞われた。
往路4位から臨んだ復路は6、7区の快走などで8区まで復路1位をキープ。しかし、10区のタスキリレーまで残り約1・5キロで、不測の事態が起きた。9区の松井智靖(2年)が脱水症状に陥り大ブレーキ。足元がふらつく状態となったが「タスキをつなぐことだけを考えた」と松井は“前へ”の明大精神で奮闘。駒大、早大、帝京大の3校に抜かれながら区間最下位で紫紺のタスキを10区につないだ。
往路4位から復路は13位に転落。50年ぶり復路Vから一転、あわやシード落ちの危機を味わった菊地賢人主将(4年)は「往路の中大、城西大のように途中棄権がよぎった」と冷や汗。西弘美駅伝監督(60)は「8区をすぎて(復路の)優勝を意識していた。でも、タスキがつながってホッとした」と胸をなで下ろした。
アンカーを務めた来季主将の北魁道(かいどう、3年)はレース2週間前にノロウイルスにかかるなど体調管理の面での反省を残した。指揮官は「完璧に仕上げたつもりでも、何が起こるか分からないから箱根は怖い。来年に生かしたい」と話した。
明大失速も「よくやった」 東京-箱根間往復大学駅伝
9区、残り2キロを切っていた。3位につけていた明大2年の松井がふらつき出し、次々と後続ランナーに抜かれていく。左右に蛇行しながらも中継所まで走り切り、6位でたすきをつなぐと、その場に倒れ込んだ。最終的にチームは7位まで落ちたが、西弘美監督は「最後まで(たすきを)つなぎたいという思いで松井も走った。選手たちはよくやってくれた」と胸を張った。
トップと4分22秒差の4位からスタートし、6区広瀬が区間2位、7区有村が同3位と好走。独走する日体大との距離を少しずつ詰めていたが、松井に続き、アンカーの3年北も区間17位とブレーキに。
指揮官は「完璧に仕上げたつもりだったが、勝負の世界だから」と気持ちを切り替え、「いろんなケースの中で成長していけるようにしたい」と雪辱を誓った。(藤原翔)
【明大スポーツ】
西弘美駅伝監督
「松井も北も攻めた結果の7位。価値ある7位だったと思う。(7、8区の区間配置については)横手は上りを上れるし、7区の重要性というのもあった。廣瀬は良い順位で来るだろうから、その流れをつないでいこうと。(往路、復路とスタートで流れをつくったが)良い位置で持ってきた。良い流れを持続できなかったところもあったけど、それは結果論。また次につながるように、やっていくということ」
山本豪コーチ
「僕らも8区終わった時点で3位確定かなと安心してしまった部分があった。そこが大きな落とし穴。油断大敵。レースは終わってみなきゃわからない。みんなにゆるみがあったのかも。つながってシード取れたから最低限それだけは良かった。(今回の課題は)体調管理。選手たちは優勝できるだけの力は持っている。あとは1ランク力を上げて体調管理をしっかりと。それができれば優勝が見えてくる。それに尽きる。(流れについて)いい感じでこられた。ずっと上位で勝負できた。(次に向けて)僕の中では、今回と次ぐらいが優勝を狙う大きなチャンスだと思っている。次が一番チャンスあると思うから、それに向けて。優勝を念頭においてやらないと絶対に勝てない」
1区文元
「区間賞を取りたかったが、1区として最低限の仕事はできた。風が強かったので序盤は集団を風よけに使って、六郷橋の下りで勝負だと思っていた。田口(東洋大)と西池(法大)は同じ大阪だから負けたくなかったが、最後はしんどかった。総合7位はこれからにつながるものになったと思う」
2区大六野
「攻めの走りができなかった。悔しい気持ちでいっぱい。途中から指示でもうタイムは気にするなと言われたが、攻めの走りをしてこそタイムがついてくるんだなと実感しました。(総合7位について)駅伝は最後までわからないというのが改めてわかった。価値のある7位だった。(次に向けて)エース級の選手たちと競り合うニはまだまだ力が足りないということを痛感した。夏までに体しっかり作って、駅伝シーズンに生かせたら」
3区菊地主将
「9区アクシデントはあったが、さっきも言ったように、優勝を狙って攻めた結果。何にしても悔しい。ただ、自分たちでもやれるというのを証明できた。鎧坂さんがいなくなって弱くなったかと言われるけど、そうじゃない、というのを。出雲、全日本ではできなくて、今日やっと示せたと思う。この気持ちを忘れずに、後輩たちには頑張ってほしい。本当にチームに恵まれて、4年間走れた。これを次のステップにつなぐ。この4年間で得たものを大事にしていきたい」
4区八木沢
「2区、3区が苦しいのはわかっていたから4区、7区といったつなぎ区間で稼ぐべきだった。後ろに控える選手たちに対しても、少しでも楽をさせてあげたかったが役割は果たせなかった。今回の結果は来年のバネになった。次は総合優勝したい」
5区大江
「悔いの残る結果だけど、最後は楽しく走れたんじゃないかと思う。(5区の最後は)意識が無くなりそうになっていて、他のことを考える余裕もなく、とにかく走りきることを考えていて、走り切れてよかった。強風の中、前に全く進まなくて、山の走り、自分の走りが全然できなかった。予定していたものが全部だめになってしまった。優勝はできなかったけど、明治に来てよかったと思う。でもやっぱり区間賞が取れなかったのは悔しかった」
6区廣瀬
「先頭との差を詰めることができて良かった。チームに貢献できた。タイム的には目標通り走ることができたので良かったが、前にまだいるというということは、まだ足りないことがあるということ。流れを作るという面では、復路スタートとして良い流れを作れて良かった。最後粘れなかったのと、区間賞取れなかったのは心残り。途中まで区間新の走りをしていたことは知らなかった。途中襷が渡るかどうかも危うい場面があったので、本当に帰ってこられて良かったというのが一番。優勝を目指していたので悔しいが、価値のある、次につながる7位だった。(次に向けて)チームを引っ張る存在として、率先していけたら。箱根優勝に向けて自分が良い働きができたら、と思う」
7区有村
「前半突っ込んだ分、後半に失速してしまった。早めに追いつきたいという気持ちがあった。いい流れで襷をもらったが、後半の失速で横手に負担をかけてしまった。(来年は)総合優勝狙う。そのために個々の力を伸ばして、チームとして強くなっていく。下についてきてもらえるよう、上級生となるので引っ張っていきたい」
8区横手
「前の選手がみえる見える位置で襷をもらったので差をじっくり詰めて行こうとした。しかし、遊行寺の坂で勝負しようと力を温存していたが逆に離されてしまってダメであった。15km以降失速してしまい情けない走りをしてしまった。故障明けということもあり、後半の失速は練習不足が主に響いてしまい、あと力不足とも感じた。もう情けない走りをしないようにしっかりやり直して来年の箱根では総合優勝したい。総合優勝目指して一生懸命頑張る」
9区松井
「みっともない走りをしてしまった。日ごろの自分に対する甘さがつけとして出てしまったのだと思う。二度と同じ過ちを繰り返さないようにまた精進していきたい」
10区北
「できるだけ前を、一つでも前を狙って走ったが、最終的には抜かれてしまい、自分がしっかり走らないといけないのに、ふがいない走りをしてしまった。前半はいいリズムで来ていたけど、18kmあたりから足が動かなくなって、前に進まなくなった。脱水症状っぽい感じになってしまい、自分が何をしているかもわからないくらいの状態になっていた。西監督にはペースとタイムを読んでもらっていたけど、最後は何を言っているのか(脱水症状で)よくわからなかった。ゴールテープが見えたので、とにかく切ろうと走り切った。今年の箱根はこうなってしまったが、次は絶対優勝する。常に勝ちにこだわっていきたい」