目指した上流部は材木の伐採作業のため、強引な即席林道が渓沿いに伸びていました。
作業が始まれば多かれ少なかれ、濁りが出るのは流れの底に堆積した泥から明らかでした。実績のある中流まで戻るしかなさそうです。
張り詰めた空気の中、凛とした浅間山の勇姿をデジカメに写した後、何時もの場所に車を止め、何時もの熊笹林を掻き分け流れにたどり着きました。
水量、水温そして川底の状態も健全で砂場には獣の足跡しかなく、過去の良い思いがオーバーラップしてきます。
昨日の余韻もあり気を入れたキャストを開始したのですが‥。
初反応で初イワナを掛けたのはなんと、2時間後でした。
混生地帯なので全てのポイントにフライを置いたにも拘らず、2時間全く反応が無かったのです。
落ち込みの肩、瀬、トロ場に魚の姿は全く確認できず、このイワナも石脇でのホットケメソッドでやっと出てくれました。
ただ単に魚が動かないのか魚自体が居ないのか、どうも状況を総合すると後者の気がしてなりません。
引っ掛かった流木でカメムシ発見。
そこそこ反応が出ていたら、お遊びでカメムシパターンを結ぶ余裕も生まれたのでしょうがそれどころではありませんでした。
最下流に移動し、大堰堤下までの実績区間も小さなヤマメが1尾出ただけ‥。
見切りを付け、久しく行ってなかった別のU川へ移動してみました。
狙いはヤマメだったので事前のNitoさん情報を参考に養魚場上から、やっぱり熊笹林を熊鈴リンリンで50mの薮漕ぎでした。
流れはご覧のとおり意外と開けており、キャストしやすい流れでした。瀬が中心でフライ向きの流れでもあります。
ポジティブと言うかノーテンキと言うのか、自ずと過度の期待感が膨らんでいました。
ヤマメは出てはくれますが反応はイマイチ。遡行するにつれ、インターバルが長くなってきたのでおかしいなとは思ってましたが、案の定エッサマンが先行です。
昨日のA川といい、岸がある渓でのエッサマンは流れに入らないのでしょうか、石が濡れていないので姿を確認するまで後行者は可能性の少ない流れを丹念に攻めることになるざるを得ません。
ヤマメエリアを諦め最上流部へ移動し、堰堤上から今度はイワナと対峙です。
念のためプールを凝視しましたが泥底の止水にリングが広がることはありません。とっとと先へ進みました。
苔むした大石を配した流れにイワナの匂いプンプン。最初は皆、ポジティブですよね。
結局、このイワナがここでのではなく、寂しいかな今日のMaxです。
また、ここも期待とは裏腹に片手程度しか出てくれないし、走る魚も皆無でした。
Nitoさんも「嬬恋はもう過去の渓」って去年のハイシーズンに言ってたような‥、必ず来るであろう復活シーズンを願ってラインを巻き取ります。そして、「今日は帰ろう」と呟きながら重い足取りで舗装道路をトボトボ、です。
民主党政権でここ、川原湯地区はどうなってしまうのでしょうか。
50数年、地元を揺るがした八ッ場ダム。近年やっと二世代目で決着(疲れ)し、彼方此方に架け替え橋は完成しつつあります。
ダムサイトの一部になるのか巨大な建造物を目前にして、続行か中止か、苦悩した方々の気持ちを察するとどっちの選択肢もないように思いました。
10年一昔、半世紀はナニ昔と言うのでしょうか、コノ状況を目の当たりにすると正直、当事者以外、何もいえないのではないでしょうか。