日曜日、「リトルプリンス-星の王子様と私」という映画を観てきた。この映画を観ようと思ったのには訳がある。16年前、箱根に星の王子様ミュージアムがオープンすることになった。その企画に参画する人を介して、このミュージアムで売る星の王子様のキャラクターを使ったお土産のお菓子の依頼があった。パッケージ、中のお菓子、加工方法と相手の意向を聞きながらの企画で、何度も青山にあった企画本社に通うことになった。その時、この企画に携わるには「星の王子様」の本は読んでおかなければなるまい、そう思って本を買って読んだことがある。
何十ページかの薄い絵本で、読むにはさほど時間はかからなかった。しかし読んで見てそのファンタジックさは分かるものの、作者のサン=テグジュベリが何を言わんとしたのかが、今一つぴんとこなかった。なぜ愛するバラを置いて他の星へ行くのか、なぜ自ら毒蛇に噛まれて命を失うのか?、物事を論理立て頭で考える私に、ファンタジーの世界は理解を超えていたようである。
今回の映画は原本の星の王子様のストーリーと、映画に出てくる主人公の女の子の行動とをダブらせて描いてある。そんなことから、この本を読んだことが無くても、星の王子様の主題は分かるようになっている。本を読んで、各々の感じ方が違うように、星の王子様も人によって感じ方も違うのであろう。私の感性では理解が及ばなかった内容も、この映画を観ることで、少しは分かったような気になった。
映画は出来れば映画館で、ということで年に5~6回は映画館に行くようにしている。毎週のように入れ替わる作品、その中からどの作品を観るか?歳とともにその趣向も変わってきたようである。昔はアクション、冒険、SF、戦争、ミステリーなど、気晴らしに観るエンターテイメント性の強い映画を観ていたように思う。しかし最近は、映画を味わいたいという気持ちが強くなった。少し文学的な作品、映画の舞台になる美しい風景、見終わった後少し考えさせられる作品、ほのぼのとして後味が良いもの、そんな作品を観たいと思うようになったのである。これも歳の所為なのであろうか。下の映画はこの1年で観た作品である。
ヨーロッパ最東端の国ポルトガルが舞台
いかにもヨーロッパ的な雰囲気が味わえる。
舞台は能登半島の先端石川県珠洲市
海のそばにある珈琲を焙煎する店がユニーク
舞台は鎌倉、散歩で歩いて見知った風景がたくさん出てくる
カンヌ国際映画祭 ある視点部門(監督賞)受賞作品とあるように
成仏できない夫との旅、日本的な死者に対する考え方が新鮮
釧路を舞台に、北海道の殺伐とした風景と
ストーリーがマッチした文学的な作品
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