東京にも標高900m以上に山岳集落がある。最近までは車道が通っていなかったから、わざわざ訪ねる人も少なかった。そんな不便な村だから静けさとのどかさが残っている。都会がとっくの昔に捨てた昔ながらの生活、今日はそんな場所を訪ねてみることにした。
JR青梅線の終着駅奥多摩からバスで30分、奥多摩湖の北端、峰谷橋バス停で降りる。そこから峰谷川に沿って山道を登っていく。所々に人家があり駐在所やお寺があり、1日3本ながらバスもある。そのバスの終点の峰谷(みねたに)を過ぎると人家はなくなり、杉の林に囲まれた寂しい道になってくる。数件の家がある三沢集落から登山道に入り、さらに上を目指す。この道は鷹巣山(1737m)への登山道なのであろう。登山道に入って約40分登ると突然人家が見えてきた。ここは西多摩郡奥多摩町留浦(奥集落)である。家々の入り口や窓はしっかりと閉められ、人の気配が感じられない。標高900m、高齢化が進み今は仕事のために郊外に住み、時々帰って家を管理する住民もいるようである。
この地に何があるわけでもない。麓からひっそりとした山道を上がりまた降りてくる。ただそれだけのことであるが、都心を離れ非日常の中に身を浸すと、何となく気持ちが穏やかになったように感じる。この地は昔、武田信玄の軍に追われた人々が住みついたのが始まりだと言う。確かにこんな山の中まで追っ手は来ないであろう。そんな安心感がこの地にはあるのかもしれない。ここは東京都、南に290km離れた八丈島も東京都である。山あり海あり都会あり、東京は広い。
奥多摩駅から西東京バスで
途中左手に奥多摩湖が見える
峰谷橋バス停で下車
ここは峰谷川が奥多摩湖に流れ込んでいるところ
峰谷川沿って歩くと途中に住まいと併設の川野駐在所、
入り口に只今パトロール中の張り紙があった。
旧小河内小学校、中学校
昨年3月で廃校になった。
このあたりは湖と峰谷川の接点
「雨降り」というバス亭
峰谷川
川にはみ出した住宅、2本の鉄柱が頼り
日陰は霜で真っ白
霜柱
奥多摩駅~峰谷間のバスの折り返し、峰谷バス亭
標高600m
朝、昼、夕方の1日3本のバスしかない
さらに上に
この地区は林業で生活が成り立っているのだろう
ここから自動車道を離れ山道へ
三沢集落
自動車道との分岐点から約40分、人家が見えてきた。
標高900m
人が住んでいない家
奥集落、九十九折の道に人家が点在している
軒下に大きなスズメバチの巣(残骸)が2個
桜(寒桜)が咲いていた
寒桜
帰りは自動車道を降りる
再び奥多摩湖へ
来る時スタートした峰谷橋が見えてきた
峰谷橋バス亭
奥多摩湖の北端
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