monologue
夜明けに向けて
 



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 流河に何を見出すや?
 崩石に何を思わんや?

 轟く大地は何を生む?
 囁く風は何を置く?
 
 溶ける、溶けてゆく。
 流血の歴史。
 涙の歴史。

「SOUND とこの部屋の仲間へ」より


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この第二連が起承転結の承にあたるのであれば第一連で提起したことを承けて補っているとみられる。なんだか奇妙なひらがなばかりであった第一連を受けてこの第二連は一転して普通の詩のような形で記されてこの短い語数のなかに四つも「何」が使われている。
「何」は解字して「可人、よき人、べき人、かの人」で、
 「流れる河によき人を見出すのだろう。
崩れる石にべき人を思うのだろう。
轟く大地はよき人を生むのだろう。
囁く風はかの人を置くのだろう。」
と様々なところや場合で見いだされ試練を与えられ乗り越え鍛えられた人々による新時代建設を謳っている。かれらが新時代を建設し、流血の歴史、涙の歴史はついに溶けてゆくのである。
fumio




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