monologue
夜明けに向けて
 



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 月の娘は、皿を割った
 木星王は嘆いた
 赤い目をした大地の子供は笑った

 夢魔は去った
 だが夢も去った

 鎖で繋がれた巨人は
 大地の重みに堪えかねて
 自らの踵を噛んだ
 
  灰色の陰は大鷲の老いを示す
  飛び石の向こうには、
  約束された緑の大地は無い
 
  私は言葉を切り揃えはしない。
  私は音を大事にする。
  私は木の葉擦れの間で息をしよう。

  人よ、人であれ。
  他人の水晶を覗いて、
  嘆くのは止めよ。

「SOUNDとこの部屋の仲間へ」より

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 「鎖で繋がれた巨人は
 大地の重みに堪えかねて
 自らの踵を噛んだ」

これから連想するのは世界の西の端で天空を背負う大西洋の語源であるアトラス。つまりヨーロッパのことである。EU(欧州連合)諸国は自らの踵の部分となるイタリアの政治に移民排斥など過激な言動をする「北部同盟」が参加していることにかねてより批判的な目を向けていたが4月のイタリア総選挙で中道右派「自由の国民」を中心とする政党連合を率いて勝利したシルビオ・ベルルスコーニ氏(71)が7日、ナポリターノ大統領から首相指名を受け、閣僚名簿を提出し8日に宣誓式を行い、94年以来3度目となるベルルスコーニ政権が発足した。前回の中道右派政権中に反移民、反イスラム教の言動で辞任させられた元閣僚が今回復帰するなどして右傾化が顕著になったイタリアと、現在のEUの主流となっている人道的社会民主主義政権とが対立する事態になればEUがイタリアを噛むことが予想される。四川大地震被災者救援活動のための自衛隊機派遣は軍の反発など中国側の事情で見送りになったが今後様々な揺り戻しがあっても時代の流れは止まらない。
fumio


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