monologue
夜明けに向けて
 




  ***

 月の娘は、皿を割った
 木星王は嘆いた
 赤い目をした大地の子供は笑った

 夢魔は去った
 だが夢も去った

 鎖で繋がれた巨人は
 大地の重みに堪えかねて
 自らの踵を噛んだ
 
  灰色の陰は大鷲の老いを示す
  飛び石の向こうには、
  約束された緑の大地は無い
 
  私は言葉を切り揃えはしない。
  私は音を大事にする。
  私は木の葉擦れの間で息をしよう。

  人よ、人であれ。
  他人の水晶を覗いて、
  嘆くのは止めよ。

「SOUNDとこの部屋の仲間へ」より


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 「夢魔は去った」
 
 第二連で「流れる河によき人を見出すのだろう。
崩れる石にべき人を思うのだろう。
轟く大地はよき人を生むのだろう。
囁く風はかの人を置くのだろう。」
と様々なところや場合で見いだされ試練を与えられ乗り越え鍛えられた人々による新時代建設を謳っている。かれらが新時代を建設し、流血の歴史、涙の歴史はついに溶けてゆく、と記したことが、今回の四川大地震で増大する被災者救援活動の一環のために中国からの要請を受け被災者向けテントなどの救援物資の輸送のために自衛隊機を派遣することで実現してゆく見通しになった。中国のこれまでの歴史認識からは日本の軍隊を受け入れることなど少し前までは考えられないことであった。ついに夢魔は去ったのだ。 
 
 「だが夢も去った」
  ひとびとがこれまで夢と思ってきた、弱肉強食に勝ち残り富を得ることや虚栄のための成功など中身のない夢も去った。
  ニギハヤヒの新時代建設によって空虚な夢の時代は終わりを告げ、
  これからは真の夢と希望を持ちその実現を目指して生きるのだ。
fumio


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