monologue
夜明けに向けて
 



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 月の娘は、皿を割った
 木星王は嘆いた
 赤い目をした大地の子供は笑った

 夢魔は去った
 だが夢も去った

 鎖で繋がれた巨人は
 大地の重みに堪えかねて
 自らの踵を噛んだ
 
  灰色の陰は大鷲の老いを示す
  飛び石の向こうには、
  約束された緑の大地は無い
 
  私は言葉を切り揃えはしない。
  私は音を大事にする。
  私は木の葉擦れの間で息をしよう。

  人よ、人であれ。
  他人の水晶を覗いて、
  嘆くのは止めよ。

「SOUNDとこの部屋の仲間へ」より

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  「灰色の陰は大鷲の老いを示す
  飛び石の向こうには、
  約束された緑の大地は無い」

この「大鷲」の示唆するのは米国。アメリカ軍の基地の放送FEN(極東ファーイーストネットワーク)の名前がイーグル810で、アメリカの郵便局のマークがワシの羽であり。アンクル・サムという星条旗の服を着たアメリカ国民の象徴的老人が勧誘する兵隊募集のポスターの絵柄が鷲であることなどから鷲はアメリカの国力軍事力の象徴なのだろう。そのアメリカの力も灰色の陰が老いを示しているという。それはイラク戦争後の政策の失敗や自動車産業の低迷、サブプライムローン問題その他に顕著になってきた。

「飛び石の向こうには、
 約束された緑の大地は無い」

 米国イリノイ州シカゴからカリフォルニア州ロサンジェルスへとつながる国道ルート66を2000マイル以上ひたすら走るとサンタモニカ海岸に出る。思考実験としてそこから巨人になって見渡せばこの国日本の太平洋岸が臨めるのだ。そのまま太平洋の飛び石のような島を跳んでゆけば日本に着く。日本側から見て太平洋には飛び石とみえる島が多いが その向こうにあるアメリカ大陸には「約束された緑の大地は無い」という。アメリカはわたしたちに約束された緑の大地ではないというのである。この地、日本(ひのもと)そのものが「約束された緑の大地」なのだから。
fumio



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