monologue
夜明けに向けて
 

10cc  


「アイム・ノット・イン・ラヴ」 という名曲がある。妻はその曲が大好きでわたしに向かって「こんな曲を作ったら…」という。わたしは「この曲は曲がいいのじゃなくて雰囲気がいいんだよ。コーラスを重ね録りして、普通はこんなに厚くならないんだけど…、すごい。むづかしいね」と鉾先をかわす。「このバンドの名前どうして10ccというの」と訊くから「男性が一回に出す精液の量の4人分が、だいたい10ccだから」と昔、喧伝されていた説をひけらかした。自分でもひとり2.5ccなのか、よくそんなもの量ったなあ、個人のときは2.5ccですというのかと不審に思いながら。
 ところがこのあいだ、SONG TO SOULという番組でオリジナルメンバー のエリック・スチュワート(Eric Stewart)がインタビューに答えているのを見て真相を知った。所属レコード会社社長、ジョナサン・キングが
「昨夜こんな夢を見た。"Outside Wembley stadium there was a big sign seen 10cc greatest group in the world " ウェンブリー・スタジアムの外に世界で最も偉大なバンド、10ccとでっかい告知が出ていたんだ」と言ったので10ccに決まったとのことであった。わたしは30年ほど精液説を信じてだまされつづけきたのでがっかりした。これからは曲のようにロマンチックな答えを予想している相手に10ccの由来を訊かれたとき、精液4人で10ccと答えられなくなった。真相は知らない方が面白いこともあるのだ。
fumio


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