翌朝、Cのクラスに出席して驚いたのは先生が若くて可愛かったことだ。
クラスメイトはほとんど日本人だった。日本で英語の先生をやっていて本場の英語を習いに来たとかアメリカの大学に入るために必要な英語力を身につけるためとか学会でスピーチするためとかそれぞれに動機は違う。年代も19才から50才ぐらいまでまちまち。その生徒たちが美人先生が点呼するたびに日本式に「ハイ」と返事する。すると先生もすかさず「ハイ」と返す。アメリカ人にはそれが習性になっているのだ。挨拶は「ハロー「より「ハイ」の方が親しみ深くてハイといわれると必ず返す。上のクラスならアメリカ式に名前を呼ばれたら「ヒア」とか「イエス」と手を挙げる。Cクラスはみんな新入生でそんなことは知らない。20人ほどのクラス全員が順番に「ハイ」というたびに律儀に「ハイ」と先生も挨拶を返すのがなんともいえずおかしかった。
わたしは初めての授業が終わるとまずステレオを買いに行った。そして安物ギターをサンセット通りの古道具屋で買った。それだけはどうしても必要だった。
そして夜、眠りに就くと強烈な金縛りにあった。まったく動けない。日本で経験した金縛りと性質が違った。この部屋にはなにか憑いているのかと不安になった。新たな住人への挨拶かも知れない。昨夜は大丈夫だったのにと不思議だった、。やっぱり早めに引っ越そうと思いながら薄目を開けてまわりを見ているうちに眠りに落ちていった。
fumio
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