monologue
夜明けに向けて
 

黒白  


 
  その頃、世界の留学生を受け入れるロサンジェルスの公立成人学校では金曜の午後は教師は授業をせず各国の生徒になにかをやらせて楽しむことになっていた。順番にお鉢がまわってくるのだが、わたしの場合はもちろんギターを持ってきて歌ってくれと頼まれた。それで歌ったのは大好きなThree Dog NightのShambala Black and Whiteだった。

 「シャンバラ」とはもちろんサナートクマラが治める光の世界だが「ブラックアンドホワイト」のインクは黒でページは白というコンセプトはスティーヴィー・ワンダーとポール・マッカートニーのEBONY & IVORY に受け継がれ、そしてマイケル・ジャクソンは Black Or Whiteで見事にそのアイデアを結晶させたのである。多くの民族がそれぞれの特徴を認め合い融和しより高い次元へと進む。それは当たり前のことだけどなかなか実現できない。それゆえミュージシャンが同じコンセプトの歌をくりかえし歌うのだが宗教や互いの愛国心がぶつかって気がつくと諍いの中にいるのである。いつになればこういう当たり前のことを訴える歌を必要としなくなるのだろうか。
fumio

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