monologue
夜明けに向けて
 



わたしの胸の二本の肋骨の骨折治療はバストベルトで固定するというのものだった。
リハビリは休むことなく毎日、人が代わった。新人大屋まり作業療法士が初めて施術した時話すと東川口病院の「マレットフィンガー」という院長のバンドでベースを弾きながらボーカルを担当してアイコの「アイミョン」をやっているという。マレットフィンガーというのは指の病気でピアノを練習し過ぎると指先が腫れてシロフォンやビブラフォンを叩くマレットのような形になるからそれほど稽古してうまくなろうという望みを表現していると聞いた。実際、アメリカ時代、友達のジャズピアニストが弾きすぎて腫れて痛いので クラブ仕事に差し支えるといって嘆いていた。職業病のようなものかもしれない。
fumio

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