この大会のスローガン、
「大町アルプスマラソン」を
走ってきました。
日本の屋根と言うだけに
日本アルプスの麓、
長野県大町市がこの大会の会場。
そして会場アナウンスで
いつもMCが言っている言葉。
それが「公認レースでは一番過酷なコース設定」だと。
コース標高差約200mもさることながら、上り下りの長さは私の参加する
フルマラソンの中ではピカイチの過激さ。
コース図を見れば殆ど平な場所が無く、このレースを走ると
他のフルマラソンの楽な事、楽な事。
大会ではあるけれど
平坦なコースで
良いタイムを出す事よりも
ず~っと走り甲斐のある
レースでもあるのです。
それにもまして素晴らしい景色。
鹿島槍ヶ岳がど~んとそびえ立ち、黒部や穂高の山々に囲まれ
まさにアルプスマラソンと言う名にふさわしいロケーション。
昨年はコース脇の山の中で猿の騒ぐ声が聞こえたりして。。。
また、長野県でも有数のりんごの産地であり、お土産はもちろん今回もりんご。
暫くは我が家からりんごの匂いの消えることが無くなるこの時期でもあるのです。
、一言で言えば
「簡単に跳ね返された」
と言う言葉がぴったり。
昨年はとっても
上手く走れた印象が強く、
それに比べたらまったく問題外、
最初から最後まで
苦しかったとしか言いようがありませんでした。
その原因のひとつとして、レース数日前からの体調不良。
頭痛、眠気、呼吸系の不調、肩こり、イライラ等。
特に頭痛は酷く、前々日前まではまったく起きることもできないほどの重症。
原因としては、はっきりした事は言えないのですが、
どうも精神面と肉体的なもののアンバランスさから発症した
不調であるような気がしてならないのです。
自治会役員として遁走した数ヶ月と母親の介護、仕事内容や休日の変更による
精神的、肉体的な疲労。
いくら頑張ろうとあと足掻いてみても
やらなければならない出来事が
後から後から湧いて出てくるのです。
そうすれば当然走る時間も奪われ、
ストレス感もMAX。
更に梅雨の時期から
今月まで月間平均100kmにも
満たない練習量ではハーフまでは誤魔化せてもフルマラソンは
決して走れる状態でない事は明らかなのです。
そうなれば今回のレースは相当な覚悟で臨まなければならず
走りきれる自身も無く、それでいても何とかなると自分を過大評価する
自分もいたりするのです。
3時間53分09秒。
昨年は3時間43分台で
走っていたのでちょうど
10分落ちでの
完走となりますし、
もちろん、容から言ったら
比べようも無いくらい
ダメダメなレースでした。
ですが、そんな状態であっても4時間を切れたのには、確かな戦術が
存在するからなのです。と、言うのにはあまりに大げさですが・・・(笑)。
先ず、このコースは前半8kmまでの下りは絶対にペースを
上げてはいけないのです。
ここを上手く抑えて走らないとその後に20km過ぎまで続く長い上りで
絶対にばててしまいます。
しかし今回はいくら抑えようとしてもキロ5分、5kmまでを
25分で走ってしまいました。
先ずはここで失敗ですね。
当然まずいな、と思いながら上りを走っていると、
やはり足にダメージを感じてしまいました。
ジワジワと落ちるラップ。
どうしよう、どうしようとの考えに終始しながら20km。
それでもそこからは下るので何とか30kmまでは走れます。
問題はその先の35kmまで続く上り。
この足で何とか上ってしまったら、もうその先は走れなくなってしまうでしょう。
そこでその上りの5kmは無理をせず歩きを入れて最後の下り7kmに
力を残そうと考えたのです。
その計画とおり、約2~3km位歩きを入れたでしょうか。
それでも思惑以上に疲労を感じてしまい、それにも増して練習不足と言う事が
頭から離れず、本当に下りを最後まで走れるのか不安感でいっぱいでした。
力を発揮するのが「昭和の根性」
ペアルック(?)の男女のランナー。
スレンダーな若き女性ランナー。
いや~な腕振りをする
ベテランランナー等、
みんな前半で
私をす~っとかわして
行ったランナーばかり。
それがいつの間にか私の視界の範囲内に入るのです。
ならば、走るしかないじゃないですか。
そして華麗(笑)にその方達を抜き去り、更に小癪にも私を簡単に
抜き去った女性ランナーを力の限り追いかけようと思いました。
すると前にいた他のランナーを前を行く女性ランナーと共に
面白いように抜き去る私。
これは本当に痛快でしたね。
そしてゴールのトラックへ入る花道にはたくさんの応援の方々。
所々で「ラスト、ファイト!」、「ナイスラン!」との声や
たくさんの拍手をいただき、大げさではなく鳥肌の立つほどの
感激を味わう事ができました。
これだから止められないんだな。。。
そんな感激のひと時でした。
しかし現実にもどると、残念なゴールタイムと共に
何となく吐き気のようなものを感じてしまい、残念ながら決して気持ちの
良いものではありませんでした。
地元のお母さん方が
もてなしてくれる
お茶やお漬物も、
そしてこの大会名物の
無料でふるまわれる
お蕎麦やお豆腐も
少し口にしては残してしまい、
なんともボランティアの方々に対しても申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
それでも、今回の頑張りはきっと次回に繋がるものだと
ちょっとだけ自信になった事も確かなのです。
頑張った者にはきっとその頑張りにふさわしい見返りがいつかあるだろうと
思わずにはいられません。
頭痛は私を苦しめています。
そして久しぶりに限界を超えた
根性走りはあらゆる筋肉に
ダメージを与えて
しまったようです。
しかし、昨日の頑張りは
私に何かを与えてくれました。
そんな言葉がぴったりな大会。
そして苦しいけど、楽しい。
これこそがフルマラソンでもあるのですね。
まさにそんな事を実感、「大町アルプスマラソン」でした。