BPは行動の調節不全によって、 ネガティブな結末を学習できないかように、
衝動的な行動を繰り返してしまうのです。
○ 衝動で行動すること
仕事を辞める, 暴飲暴食, 薬物乱用, 万引きなどの 行動に駆り立てられるのは、
多くの場合、 強烈な感情を回避したり、 封鎖するのに役立つからです。
けれども、 それで得られた安堵感は 一時的なもので、
それから新しい苦痛 --恥と罪責感-- が 湧いてきます。
そして その感情を封鎖しなればならず、 ひとつのサイクルが始まります。
物質乱用や、 自傷のような 自己破壊的行動も用いられます。
BPは感情が高ぶると 判断力を失うようです。
たまたま思い付いたこと -- 浪費, 旅に出る, 深夜に電話をかけるなど
--で、 不快な感情をなだめます。
それは感情に対する 自動的な反応となります。
苦痛な感情を 全面的に経験する前に、 衝動的行動に着手するのです。
衝動的行動には 「負の強化」 の力があります。
衝動的行動は、 ネガティブな感情を 隔離する結果をもたらします。
BPは 過ちから学ばないのではなく、
感情を封鎖する行動が 意思決定より早く起こったり、
不快を和らげる衝動が 何よりも強かったりするのです。
あなたは 混沌の中で無力に感じ、 途方に暮れるかもしれません。
弁証法的行動療法は、 BPに最も有益な 振る舞いの技能を伝えます。
あなたにも、 揺るがずにいるためにできることがあります。
〔「境界性パーソナリティ障害をもつ人と良い関係を築くコツ」
(星和書店) 〈シャーリ・Y・マニング著〉 より〕
[星和書店の許可のうえ掲載]