「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

皆さんの最低ラインを 知っておいてください

2012年03月14日 20時52分46秒 | 「愛した人がBPDだった場合のアドバイス
 
 境界設定をはっきりさせるには、

 自分が何を求めているのか 明確にしておく必要があります。

 友人に相談してみてはどうでしょう。

 口に出して話すと、 自分が何を望んでいるか、 判断する助けになります。

 態度を改めるよう求めたら、 パートナーは別れると言って 脅すかもしれません。

 そうなったらどうするか、 何度も自分に 問いただしてみることが必要です。

 見捨てられ不安は、 ノン・ボーダーラインの人にも よく見られます。

 酷い関係でも、 ないよりはましと考えるのです。

 (パートナーに変化を求める前に、 本書全体を読んでください。)

 当面の目標を、 曖昧なものから 具体的なものにしてください。

 「パートナーが軌道修正できるようにする」 ではなく、

 「パートナーが家賃を払い、 大人としての責任を持って 生活できるよう力を貸す」

 のようにです。

 あるいは、 「3月15日までに 家賃を支払ってもらう」 といったものです。

 セラピストへの相談も 必要かもしれません。

 パートナー自身には、 できるレベルで 立ち直っていこうとする意志が必要です。

 パートナーに うつ症状や自殺願望が見られたら、

 専門機関に連絡しなければなりません。

 一人で 何とかしようとしてはいけません。

 忘れてはいけないのは、 パートナーが 現状を心地よく感じてしまったら、

 彼らはずっと 変わろうとしないということです。

〔 「愛した人が BPDだった場合のアドバイス」
   星和書店 (ランディ・クリーガー) より 〕
 
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心子によく似た花屋さん (5)

2012年03月13日 23時06分59秒 | 心子、もろもろ
 
 今月は都合で 月命日の17日より前に お墓参りに行きました。

 (心子似の店員さんがいる曜日を 選んで行ってるのですが。  (^^;))

 心子に似た花屋さんと、 震災1年の新聞記事で見た 花屋の話をしました。

 両親が営んでいた花屋兼自宅が 被災して倒壊し、 両親も失くした男性が、

 再開は無理だと思っていたところ、 知らない人から 電話がかかってきたそうです。

「花っこはないかい」 と。

 番号案内で調べたのか、 震災で亡くなった人に 手向ける花を欲しいというのです。

 その後も、 そうした電話が 何本もかかってきました。

 お互いに 経験を話ながら泣き、

 遺族にとって 花がどんなに大切か、 改めて気付いたといいます。

 花を必要としている人の 力になりたいと、

 プレハブで再スタートを切った という話でした。

 心子似の花屋さんは、  「最後は花ですね」 と 言っていました。

 亡くなった人にあげるのは、 お金でも食べ物でもなく、 花しかないと。

 実はこの花屋さんは、 元々長い間 事務職をしていたそうですが、

 花が好きで、 転職の最後のチャンスと思って 花屋で働き始めたのだということです。

 今の店が初めてですが、

 以前から花の勉強をしたり、 アレンジメントを習ったりしていたといいます。

 けれども実際の仕事は 大変だと言っていました。

 寒い、 暑い、 重い、 汚い、 それに 怪我もすごいのだそうです。

 でも 好きだからやっていけてると。

 花屋さんというと、 見かけは文字通り華やかで きれいな仕事だと思っていましたが、

 話を聞いてみると 違うものですね。

 でもやっぱり 素敵な仕事だと思います。

 花を買い終わって 店を出るとき、 お墓参りに行く僕に、

 花屋さんは いつも言ってくれます。

 「行ってらっしゃい」。
 
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パートナーとの関係に 希望はありますか? (3)

2012年03月12日 22時58分41秒 | 「愛した人がBPDだった場合のアドバイス
 
(前の記事からの続き)

 ボーダーの人の行動を 手助けしているのは、 実は皆さんかもしれません。

 パートナーのものであるはずの 苦しみ, 怒り, 問題, 否定的な感情を、

 皆さんが 代わりに引き受けてしまっています。

 お互い 無意識に行なっているかもしれません。

 目くじらを立てても 現状が維持されるだけで、 変化が生じることはありません。

 真の変化を 二人とも恐れているかもしれません。

 例えば、 パートナーにお金を貸しても 返ってこない場合、

 返済を求めると 彼らは大声を上げ、

 お前は俺を愛していないんだ, 金に飢えているんだと 責めるでしょう。

 一方で、 彼らが 友だちと街で一晩過ごしている 姿が目に入ってきます。

 こうして、

 皆さんのパートナーが負うべき 問題や感情を 肩代わりすることになるのです。

 堪忍袋の尾が切れたとき、 攻撃的な反応として 怒りをぶつけます。

 攻撃的な反応が現れるのは、 もはやこうするしかないと 感じたときです。

 しかし 自分が権力的, 支配的な立場にあるときは、

 攻撃をしかけることはありません。

 攻撃とは、 力のない弱い立場から 発せられる反応です。

 相手が こちらの言葉に 耳を貸そうとせず、 激しい怒りで応戦してきたら、

 もはや 誰にも勝ち目はありません。

 皆さんに必要なのは、 自らの主張を はっきり示すことです。

 パートナーに お金を返す気があるかどうかに 焦点を向け直すことなのです。

〔 「愛した人が BPDだった場合のアドバイス」
   星和書店 (ランディ・クリーガー) より 〕
 
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東日本大震災、 1年

2012年03月11日 20時35分24秒 | 東日本大震災
 
 今も日本を揺るがし続けている 3・11から、 ちょうど1年目の日です。

 国立劇場で行われた追悼式の TV中継を観ながら、

 2時46分には 僕も1分間の黙祷を捧げました。

 僕が生きてきた中で、 日本で起きたでき事のうち 最大のものです。

 新聞でも地震発生の日以来、 震災関係の記事が 途絶えたことはありません。

 正にあの日を境に 日本は変化し、

 あらゆる想定外を想定内とする 防災, 減災対策へ 舵を切ってきました。

 今回の天災で、 津波の恐ろしさを 誰もが思い知らされました。

 1万6千人近くの被害者の、 9割が津波によるものです。

(しかも高齢者が 大半を占めています。)

 初動の  「3mの津波」 という警報により、

 人々が安心して 逃げなかったということも 被害を拡大させ、

 今後の警報のあり方を 変えさせました。

 今も進まぬ復興を 遮っているもののひとつに、 ガレキがあります。

 100年分とも言われる廃棄物の 処理が済んだのは、 まだわずか6%です。

 放射能汚染が輪をかけていますが、

 全国の自治体が 分担して受け入れなければ 解決の道はありません。

 原発問題も ずっと尾を引いています。

 国策として 強引に推進されてきた原発は、

 計画当時から 巨大津波の可能性を訴えていた 学者たちの忠告を、

 全て闇に葬ってきたのでした。

 これは間違いなく人災です。

 将来の電力源について、 孫正義氏は

 「アジアスーパーグリッド」 という、 壮大な構想を述べていました。

 ゴビ砂漠に 風力, 太陽光発電の施設を建設し、 日本に送電するというものです。

 原発2000基分の電力を、 遥かに安価な費用で まかなえるといいます。

 また、 これからの心のケアや、 孤独死の予防も重大です。

 阪神大震災では、 2年目以降に 仮設住宅での孤独死が急増したそうです。

 今回はそれを教訓として、 被災者の孤立化を防ぐため、

 サポートセンターが多数設立され、

 被災者の見守りや 相談業務などが行なわれているそうです。

 とても書き切れない問題を 無数に抱えた今回の災禍。

 全員が忘れることなく 胸に刻み、

 様々な課題を 考え続けていかなければなりません。

 被災地の 真の復興を祈りつつ、 自分にできることを やっていきたいものです。

 幸か不幸か人間は、 危難を経験してから、 成長するものです。
 
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パートナーとの関係に 希望はありますか? (2)

2012年03月10日 21時32分58秒 | 「愛した人がBPDだった場合のアドバイス
 
(前の記事からの続き)

 パートナーを操作して 変化させようとするのは 有効ではありません。

 操作とは、 飴と鞭のように、 治療を受けなければ 見捨てると脅したり、

 治療を受けたら ご褒美を与えるというようなことです。

 これで 彼らの行動が改まったとしても、

 操作がなくなれば たちまち元に戻ってしまうでしょう。

 変化を望まない ボーダーの人は、

 自分が うまく騙せるセラピストを 狡猾に選びます。

 あるいは セラピストを非難して、 治療を中断させます。

 変化については、 ふたつの面に 注目してください。

 パートナーがどのような行動をし、 どのような感情を抱いているか ということです。

 人は 感情より行動のほうが コントロールできるものですが、

 ボーダーの人は 感情と行動の距離が短いのです。

 本当の変化は 内面から起こります。

 それには、 彼らの防衛機制が うまく働かないようにするだけです。

 防衛機制には、 否認、 合理化、 分裂、 投影があります。

 合理化とは、 自分のことを正当化する 理屈を作り出すこと。

 分裂は、 全てを白か黒か、 善か悪かに分けて 理解すること。

 投影は、 自分の中の 否定的な性質や感情を、 人のせいにしてしまって、

 自分では認めないことです。

(次の記事に続く)

〔 「愛した人が BPDだった場合のアドバイス」
   星和書店 (ランディ・クリーガー) より 〕
 
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パートナーとの関係に 希望はありますか? (1)

2012年03月09日 19時54分48秒 | 「愛した人がBPDだった場合のアドバイス
 
 ボーダーラインは治療可能です。

 ただし 良くなっている人々全てに 共通することがあります。

 彼らが皆、 自分が 問題を抱えていると理解し、

 良くなりたいと望んでいることです。

 しかし  「ようこそオズへ」 の人たちの パートナーのほとんどが、

 自分に問題があることを 否定します。

 そもそもこの障害には、

 「自分に良くないところがある」 と 当人が自覚していない 傾向があります。

 ボーダーの人の考え方を、 無理やり改めさせようとしても うまくいきません。

 あなたは病気です, 障害があります, 治療が必要ですと 説得させようとしても、

 裏目に出てしまいます。

 ひどい言い争いになり、 ボーダーは皆さんの方だと 逆に言われるでしょう。

 人に何かをさせたり 感じさせたりするというのは、

 それ自体 きわめて難しいことです。

 人が何かをするのは、 自分にとって利益があるときです。

 一方、 不快なことは 避ける傾向があるのです。

 また、 自分の世界観を 裏付けるような情報は 耳に入れ、

 否定するような情報は 拒否する傾向もあります。

 皆さんの 「欠点」 に対する パートナーの見解も、 同じことがいえます。

 ボーダーラインは、 世界に対する 反応の仕方の障害で、

 その人の子供時代, 環境, 脳に原因がある 可能性が高いものです。

 (従って、 パートナーが治療を求めなくても、

 皆さんへの当てつけではありません。)

 否認ということこそ、 この障害を裏付けるものです。

 かえって 機能の高くない ボーダーの人のほうが、

 自分の不安や孤独の原因を 求めようとするかもしれません。

 適切な治療を受けることで、 良い結果を得られることがあるでしょう。

 彼らは彼らなりに、 できる限り問題に対処しようと 辛い経験をしてきているのです。

(次の記事に続く)

〔 「愛した人が BPDだった場合のアドバイス」
   星和書店 (ランディ・クリーガー) より 〕
 
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ノン・ボーダーラインの人たちからの提言 (6)

2012年03月08日 20時02分51秒 | 「愛した人がBPDだった場合のアドバイス
 
(前の記事からの続き)

・ パートナーが離婚したいとわめいても、 それに同意してしまったら、

  皆さんのほうが パートナーを虐待することになってしまいます。

・ 彼らを幸せにしてあげられないことに 責任を感じて、 自分を責めてはいけません。

  それは 皆さんのせいではないのです。

・ パートナーを あがめたてまつることは避けましょう。

  パートナーが皆さんにそうするのも 認めてはいけません。

  上がったものはいずれ落ちる、 これが鉄則です。

・ お子さんの保護監督権を取れるよう 全力を尽くしてください。

  BPDが治っていないなかで、 お子さんを育ててはいけません。

・ BPDというのは、

  皆さんが何を言ったか、 何をしたかに関わりなく 現れてくるものです。

  嫌な気分に 巻き込まれることはありません。

・ 家を出る覚悟なら、 明確な期限を決めたほうがいいでしょう。

・ 離婚を考えているなら、 とにかく証拠記録を残してください。

  メモ用紙でも構いません。

  BPDの人と闘う場合、 この方法しかありません。

・ 離婚するとなると、 長く苦しい 法律上の闘いになります。

  できるかぎり楽に この闘いを乗り切ってください。

・ BPDに対しては、 一貫した態度で臨んでください。

  態度を緩めると、 ボーダーの人は繰り返し 皆さんを試そうとするでしょう。

〔 「愛した人が BPDだった場合のアドバイス」
   星和書店 (ランディ・クリーガー) より 〕
 
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ノン・ボーダーラインの人たちからの提言 (5)

2012年03月07日 20時35分38秒 | 「愛した人がBPDだった場合のアドバイス
 
 他のノン・ボーダーラインの人たちに、

 以下のようなアドバイスをが 寄せられました。

・ パートナーのことで ヤキモキすることはもうやめましょう。

  自分自身に何が必要か、 自分の心に尋ねてください。

・ 皆さん自身が セラピーを受けたほうがいいでしょう。

  投影から逃れるためにも、 感情に対処するためにも、

  皆さんには 支えや助けが必要です。

・ 日記を付けてはどうですか。

  ついつい それほど酷い状況では ないんじゃないかと、

  現実から 目を逸らしてしまいがちですが、 現実はやっぱり酷いんです。

・ できる限り 情報を手に入れてください。

  サポートグループに連絡してもいいでしょう。

・ 境界を設定し、 維持することが必要です。

  皆さん自身が 決意を固めることが大切です。

・ 皆さんの話を 偏見なしに信じてくれる人たちの 助けを信頼しましょう。

・ 家族の絆だけを主眼とする 集団や牧師には注意してください。

  彼らは BPDを理解することすらできないのです。

・ BPDの人の行動は、 モラルの問題ではなく 医学的な問題です。

  この生物学については 日々新たな発見がなされています。

・ 皆さんが相談している人たちは、

  BPDによる苦しみを 経験したことがあるでしょうか。

  そうでないとしたら、

  教育を受けていないコンサルタントに 相談しているのと同じです。

(次の記事に続く)

〔 「愛した人が BPDだった場合のアドバイス」
   星和書店 (ランディ・クリーガー) より 〕
 
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ノン・ボーダーラインの人たちからの提言 (4)

2012年03月06日 20時15分52秒 | 「愛した人がBPDだった場合のアドバイス
 
 「最初から知っていればよかったと 思うことは何ですか?」

 という質問への回答は、 次の通りです。

・ 彼女の家庭では 虐待が行なわれていたんです。

  虐待は 人の心を破壊する恐れがあり、

  それが回復するまでには、 気が遠くなるほど 長い時間がかかるということです。

・ 理屈じゃないということです。

  どれほど彼女を 説得しようとしたことでしょう。

  彼女が一体どのように 物事を見ているのか、 何度も理解しようとしました。

  これには 「PUVAS」 (後述) が 力を発揮してくれました。

  彼女が僕を味方であると 感じられるようにすると、

  彼女は僕の言葉に 耳を傾けられるようになります。

・ 夫婦の生活に かかる負担を、 私ばかりが背負い込む 必要はなかったんです。

・ あまりに長く こんな負担に晒されたら、

  私自身にも ボーダーの症状が表れかねないということです。

・ 私のパートナーは、

  自分が必要と感じることは 私も当然必要としていると 思い込んでいました。

  初めから理解していれば よかったです。

〔 「愛した人が BPDだった場合のアドバイス」
   星和書店 (ランディ・クリーガー) より 〕
 
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ノン・ボーダーラインの人たちからの提言 (3)

2012年03月05日 18時36分55秒 | 「愛した人がBPDだった場合のアドバイス
 
 「もし 最初からやり直せるとしたら、 どのような点を変えていきますか?」

 という質問には、 次のような回答が寄せられました。

・ もっと 自分の共依存傾向を自覚します。

  流されるまま 危険に陥ることがないよう、 自分自身に歯止めをかけます。

・ 自尊心や自信, 自己決定権を失う前に、 専門家の助けを求めます。

  問題の発端が分かると、 自分の感情に 明確に対応でき、

  感情的脅しから 逃れることができました。

・ 彼が どんなに怒り狂っても、 知らぬ存ぜぬの私に、

  彼は  「教師」 「牧師」 「精神科医」 など 勝手な呼び名を付けました。

  そして 私を無理やり  「妻らしく」 させようとしました。

  どんなレッテルを貼っても、 そんなものは認めません。

・ 彼がいくら不安定でも、 友人との付き合いを 断念することはしません。

  私には支えが必要なんです。

・ 自分の心の声や 親友のアドバイスに、 もっと注意を払います。

  彼から何度も 電話やメール, ファックスが送られてきて、

  何かすごく変だなって 気はしてたんです。

  神経質になっているだけだろうって 自分に言い聞かせてしまいました。

  ちょっと様子が変だなと思ったら、 その直感に もっと耳を傾けたいと思います。

・ セラピストに、 私たち双方の 包括的な人格評価を してもらうように頼みます。

  パートナーに 少しでも渋る様子があったら、

  二人の関係の 深いところにある問題が 見えると思うんです。

・ もうボーダーラインの女性とは 結婚しないでしょうね。

  彼女は申し分ないほど 素敵なときもあるんですよ。

  でも彼女の問題は、 僕ひとりの力で 何とかできるものではありませんでした。

  しかも 僕の話に耳を傾けてくれる人を 見つけるのが難しかったんです。

・ 彼が不安定なときは、 あれこれ言うこと自体 やめようと思います。

  自己弁護も話し合いも議論も 一切やめます。

〔 「愛した人が BPDだった場合のアドバイス」
   星和書店 (ランディ・クリーガー) より 〕
 
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ノン・ボーダーラインの人たちからの提言 (2)

2012年03月04日 18時18分55秒 | 「愛した人がBPDだった場合のアドバイス
 
(前の記事からの続き)

・ 自分自身やお子さんへの気配りを 優先させるべきです。

  適切な法的境界を設定しておかないと、 犠牲になる恐れがあります。

  それは彼らに、 自分の行動に 責任を持つことを 教えることにもなります。

・ 同じことが 何度も繰り返されます。

  それらを書き記して、 そのパターンをよく考えると、

  何が起こっているのかが分かります。

  そうでないと、  「木を見て森を見ず」 に なってしまいます。

・ ボーダーの人はたいてい、 最も身近な人に向かって 行動化します。

  彼らの同僚や近所の人は、

  彼らほど素晴らしい人はいないと 信じているかもしれません。

  皆さんは 孤立してしまう恐れもあります。

  訴訟を起こさざるを得なくなった場合、 不利に働くことになります。

・ 境界性パーソナリティ障害に関する情報は、

  本やネットなど この数年で増えてきました。

  ボーダーの人と 対等に向き合えるようになってきたのです。

・ このような事態を引き起こしたのは 皆さんではありません。

  皆さんが コントロールできることではないのです。

  原因 (Cause), 解決 (Cure),

  コントロール (Control)。

  この3つのCは、 大きな手がかりとなります。

  責任の所在を明確にしてくれます。

  彼らのことは 彼らの責任です。

  もう感情的なゆすりや、 自殺の脅しにも 動じないようにしましょう。

  一方が自立していれば、 共依存など起こりません。

・ 治療が完了するまでは、 子供を持つのは 避けたほうがいいのではないでしょうか。

〔 「愛した人が BPDだった場合のアドバイス」
   星和書店 (ランディ・クリーガー) より 〕
 
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ノン・ボーダーラインの人たちからの提言 (1) -- 外へ向かう段階

2012年03月04日 18時18分12秒 | 「愛した人がBPDだった場合のアドバイス
 
 「愛した人が BPDだった場合のアドバイス」

 (星和書店/ランディ・クリーガー) の 内容の紹介の続きです。

 今回から  「パート2 -- 外へ向かう段階」 の話になります。

 だんだん冷静に 考えられるようになりつつある段階です。

 自分の身を守り、 自己評価の回復に 乗り出し始めます。

 ボーダーのパートナーの先輩である  「ようこそオズへ」 のメンバーたちからの、

 アドバイスを紹介します。

 ノン・ボーダーラインの人が まず承知しておくべきことについて、

 メンバーたちから 次のような提言が寄せられました。

・ 事態を好転させようという 気持ちがあるのなら、

  離婚や別居を 口にするのは禁物です。

  相手を見捨てるようなことを言って、

  自分の思い通りに しようとしてはいけません。

  ボーダーの人の 心の底に潜む 恐怖を煽り、

  問題や境界を設定するのが ますます覚束なくなるでしょう。

・ パートナーを愛するのと同じくらい、 自分自身を愛する必要があります。

・ 皆さんがどのような人間であるのか、

  パートナーに とやかく言われる筋合いはありません。

・ このような相手に 恋をしてしまったからといって、

  皆さんに欠陥があるのではありません。

  彼らは あなたが喜びそうな自己像を 作り上げていたのです。

  結婚した途端、 ボーダーラインの自己像が 取って代わってしまったのです。

・ ボーダーの人と一緒にいると、

  自分には選択肢がないかのような 気持ちにさせられます。

  彼らはそう思い込ませるのが 実にうまいんです。

  私たちは いいように引きずり回され、 そのように行動してしまうんです。

  でも 私たちには選択肢があるんです。

(次の記事に続く)

〔 「愛した人が BPDだった場合のアドバイス」
   星和書店 (ランディ・クリーガー) より 〕
 
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本村さん、お幸せに……  -- 光市母子殺害事件、 最高裁判決 (13)

2012年03月02日 20時00分32秒 | 光市母子殺害事件
 
 本村さんは 事件後は 峻烈に死刑を求めていましたが、

 今回の記者会見では 死刑かどうか 悩み続けたと言っています。

 月日が経って、 また被告の変化も見て、

 本村さんの感情も 変わってきたのではないでしょうか。

 それなのに、 一審・ 二審は 意に反して無期懲役となり、

 どちらが正義か 答はないという今になって 死刑判決が確定したのは、

 運命の皮肉のようなものを 感じないでもありません。
 

 弥生さんと夕夏ちゃんへの 想いを胸に、 長い間闘ってきた 本村さんですが、

 09年に 被害者支援の同僚の女性と 再婚していたということを、

 今回初めて知りました。

 「もう一度、 人並みの人生を歩みたい」

 「まずは 自分と家族が幸せになること」

 事件から10年目の09年ころから、

 本村さんは講演や取材対応を 控えるようになっていました。

 長年の精神的疲労が 蓄積されていたといいます。

 もう、 犯罪被害者支援の旗頭から 降りていいときかもしれません。

 本村さんが 「神が与えた被害者」 だとすれば、

 神は 何と残酷なことをしたのでしょう。

 多くの犯罪被害者達が救われるために、 本村さんが犠牲になったというのでしょうか。

 そんな偉大な存在に ならなくても良かったから、

 そんな立派な人格に 成長しなくても良かったから、

 弥生さん, 夕夏ちゃんと一緒に、 小さな人並みの生活を 送って欲しかったと、

 心から思わざるを得ません。

 でも 新たな伴侶を得て、 今度こそ後半の人生を、

 静かに、 幸せに、 暮らしていってほしいと 願うばかりです。

 苦しみを極めた 13年間を取り戻してください。

 本当に、 本当に、 お疲れさまでした。

〔参考: 朝日新聞〕
 
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弁護団の活動 -- 光市母子殺害事件、 最高裁判決 (12)

2012年03月01日 21時35分41秒 | 光市母子殺害事件

(前の記事からの続き)

 差し戻し審で述べられた 母胎回帰ストーリーは 余りにも荒唐無稽で、

 安田弁護士ら新弁護団が 作り出したフィクションではないかと、

 当時 僕は思いもしました。

 橋下元弁護士も TVで視聴者に、

 弁護団への懲戒請求を呼びかけて 物議をかもしました。

 弁護士会に 安易な懲戒請求が殺到し、 弁護団のうち 今枝弁護士ら4人は、

 業務が妨害されたとして 民事裁判を起こしました。

 高裁は訴えを認め、

 「被告の主張は 一般には理解しがたいが、 弁護活動は誠実なものだ」

 と述べました。

 しかし最高裁は、

 「社会の耳目を集める 事件の弁護人は、

 国民から様々な批判を 受けるのは止むを得ない」 と 指摘しました。

 その後、 今枝弁護士は 方針の違いから解任され、

 今回の最高裁判決では ストーリーを受け入れませんでした。

 今枝弁護士は、  「弁護団にも説明不足があった。

 何が被告の利益なのかも 見極め、

 一般の人にも理解してもらえる 活動をしないとしけない」 と 振り返ります。

 本村さんは 弁護活動に対して 配慮を見せています。

 「被告が言ったことを 一生懸命つなぎ合わせて 主張されたと思う。

 (弁護士に対する) 嫌がらせは 法治国家ではあってはならない。

 大衆に迎合せず、 弁護士の責務は果たされたんじゃないか」

 刑事法の葛野教授は こう指摘します。

 「社会の共感を得られなくても、 法廷では 自由に主張できることによって、

 刑事裁判の公正さは保たれる。

 嘘をそそのかすのは許されないが、

 誠実に被告の言い分を聞いて 伝えるのが弁護士の責任だ。

 多数者が納得する 主張しか許されないのでは、 裁判とは言えない」

〔朝日新聞より〕
 
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