『靖国史観――幕末維新という深淵』小島毅(ちくま新書) リンク先はamazon.co.jp
出たばかりの本だ。パラ読みという感じではあったが、とにかくも読み通した。会沢正志斎に代表される水戸学、美濃部辰吉の天皇機関説などと時系列的にはかなり飛ぶ思想の紹介があったりして、ちょっと読みにくい。
それでも、東国出身者だからか、幕末維新の歴史にはまってしまったからか、通説的な明治維新についての歴史観に違和感を抱く、ごくごく少数派と思われる自分のような読者には、なかなか面白い新書だ。
あとがきから、一部引用。
……えーと、私は「新撰組」でなくて「新選組」と記述するし、「組長」でなくて「局長」と自称していたことを重くみるのだが(京都守護職だった会津藩主松平容保のお預かりで、守護職を補佐する公用局の外局というアイデンティティゆえ「局長」だった)。
「中略」とした箇所と引用箇所以降には、引用箇所以上になかなか刺激的な文章(汗)があるのだが……引用した箇所だけ取っても、十分に刺激的だ(汗)。
出たばかりの本だ。パラ読みという感じではあったが、とにかくも読み通した。会沢正志斎に代表される水戸学、美濃部辰吉の天皇機関説などと時系列的にはかなり飛ぶ思想の紹介があったりして、ちょっと読みにくい。
それでも、東国出身者だからか、幕末維新の歴史にはまってしまったからか、通説的な明治維新についての歴史観に違和感を抱く、ごくごく少数派と思われる自分のような読者には、なかなか面白い新書だ。
あとがきから、一部引用。
新撰組組長だった近藤勇を東京裁判よりひどい一方的な断罪で復讐刑的に斬首し、会津で交戦した白虎隊をふくむ軍人たちのまともな埋葬すら許さぬままに、敵の本営だった仲間の戦死者の慰霊祭を行った連中。靖国を創建させたのはこういう人たちであった。
(中略)
靖国問題が国際問題でなく国内問題だと私が主張するのはそういうわけである。戊辰戦争以来の未解決の歴史問題が、ここにはある。
長州藩は京都御所に発砲したことを謝罪したか?
薩摩藩は江戸市中に放火したことを謝罪したか?
……えーと、私は「新撰組」でなくて「新選組」と記述するし、「組長」でなくて「局長」と自称していたことを重くみるのだが(京都守護職だった会津藩主松平容保のお預かりで、守護職を補佐する公用局の外局というアイデンティティゆえ「局長」だった)。
「中略」とした箇所と引用箇所以降には、引用箇所以上になかなか刺激的な文章(汗)があるのだが……引用した箇所だけ取っても、十分に刺激的だ(汗)。