国は六次化を推進している。穀物の加工販売もあるが、穀物でないものを選んだほうが歴史を見ると間違わないような気がする。
江戸時代は、農家の商人化は禁止されていたが。
米沢蕃は天明の大飢饉を被害最小で乗りきった。ものすごい蕃の借金も引き継いで17歳で藩主になった上杉鷹山の蕃政改革のおかげだ。改革は蕃の現状、改革の目的などフルオープンで討議され下まで藩主の考えが共有された。藩主自らが率先して実行した。
一汁一菜の食事、木綿の着物ーーーーーー殖産興業で絹の布を作っていたが、ご自分は木綿の着物。徹底した倹約。藩主が着ないで誰がーーーーー
絹は都市部の豪商が独占販売した。作っている農家はどうだったのだろう。やはり木綿か。
蕃政改革で新田開発がおこなわれ石高も増加した。武士の二男、三男の帰農が進められた。全員参加で質素倹約で生産にはげんだ。鷹山は70才半ばで他界したが翌年に借金が完済された。すごい。
現代の農業機械のローン利率は2%だ。上杉鷹山の時代は4から8%ということなので、はるかにきつい農作業になる。牛馬を使って農作業なので能率も相当悪い。余裕もなくなる。
若い藩主は一汁一菜で体が健康になることを知っている。だが、木綿の着物では絹の良さなどわからない。
絹織物は当時の最先端産業だろう。殖産興業なので、金を貸している豪商が欲しがっていて、見事に期待に応えた。全国的に有名になった。
豊かになる、ということは、米、麦などの穀物以外のもので達成できる、という例だ。