豪印が原子力協定締結で合意 対中国で日本は周辺諸国と連携の強化を
http://the-liberty.com/article.php?item_id=8392
インドを訪問中のアボット・オーストラリア首相は5日、首都ニューデリーでインドのモディ首相と会談し、原子力協定の締結で合意した。オーストラリアは、インドへウランを輸出することになった。
インドでは1969年から原子力発電が導入されているが、天然ウランの生産量が少ないこともあり、原子力発電の発電量が低迷。現在でも国民の4分の1に電気が届かない電力不足に悩まされている。そのため、世界最大規模の埋蔵量を誇るオーストラリアからのウランの輸入は念願だった。
ただ、インドは核兵器保有国であるため、協定には、ウランを原子力発電などの平和利用に限定し、軍事転用しないことが盛り込まれた。
現在、1968年に締結された核拡散防止条約(NPT)により、アメリカ、ロシア、イギリス、フランス、中国以外の国が核兵器を保有することは禁止されている。
インドはNPTが締結された後の1974年に核兵器を保有し、NPTを批准していないため、オーストラリアはこれまでインドへのウラン輸出を禁止していた。しかし、2011年にインドへのウラン輸出を容認する方針に変更。軍事転用しないことを確認して、この度、合意に至った。
また、今回オーストラリアがこれまでの方針を転換してインドとの原子力協定に踏み切った背景には、中国の台頭がある。
中国軍高官がキーティング米太平洋総司令官に太平洋の米中分割案を提示したように、中国は南シナ海・東シナ海にとどまらず、オセアニアを含む西太平洋まで海洋進出しようとしている。オーストラリアも他人事ではないと考えていることは、2012年4月から米海兵隊がオーストラリアに駐留していることからも伺える。
またインドも、インドを囲むように周辺諸国の港に中国軍の基地が建設されており(真珠の首飾り作戦)、海から中国に封じ込められようとしている。
中国の台頭に対抗するために、今回のようにアジア太平洋諸国が連携していく意味は大きい。これは、日本にも当てはまることだ。
先日インドのモディ首相が来日した際、日印は中国を念頭に経済・防衛の連携を強化し、事実上の準同盟国になった。対中国包囲網の形成のためにも、一層の協力関係を構築していくべきだ。(飯)
【関連記事】
2014年9月2日付本欄 モディ首相、仏教で対中批判 日印は"準同盟国"の関係へ
http://the-liberty.com/article.php?item_id=8372
2014年6月30日付本欄 インドが原発輸入促進へ 日印同盟を結び、エネルギー戦略で中国包囲網を作るべき
http://the-liberty.com/article.php?item_id=8081
2014年6月12日付本欄 オーストラリアは将来の「同盟国」になるか 対中戦略の最重要国と協力を
http://the-liberty.com/article.php?item_id=7977
2012年12月号記事 オーストラリアよ、未来の世界に責任を持て
- Aspirations for the Future World【未来世界への大志】- 大川隆法総裁海外巡錫レポート in オーストラリア
http://the-liberty.com/article.php?item_id=5058