今朝の朝食でシリアルに今日が消費期限の牛乳をかけ、半分くらい残っていた牛乳を何の躊躇もなく冷蔵庫に戻しながら、不二家のことを考えました。
あまりニュースをフォローしていなかったので漠然と考えていたことは
1 ISO認証では防げなかった?
メーカーはISO認証を各工場でとることが多いと思うのですが、ISO認証をとると業務プロセスの文書による管理などが求められるのに、何で消費期限切れの牛乳を使用するという「アドリブ」ができたのだろう、という疑問がまずありました。
不二家:ISO認証で事実関係の調査依頼 経産省(1/14 毎日新聞)によると
不二家は本社の菓子事業部門で9001、埼玉、野木(栃木県)、泉佐野(大阪府)の3工場が14001を取得している。
とあり、工場でとっていたのは品質保証の9001でなく環境の14001だけだったんですね。
2 出荷時の安全性チェックは
食品メーカーは出荷時に製品の検査をしていると思うのですが、それで安全性が確認できていたのであれば、最初に発覚した時点で事実を公表し、該当製品を回収するとともに、安全性の検査をしているのですでに食べてしまった人にも問題はない旨公表する、という対応をとっていればここまで大きなトラブルにならなかったと思います。
ひょっとすると、出荷時の検査がずさんで安全性を説明できないから黙っていたのかななどとも思ったのですが、不二家、全店で洋菓子販売休止 期限切れ牛乳使用が判明(1/11 朝日新聞)によると
同社は昨年11月には事実を把握。広報担当者は「出荷時の細菌検査に問題はなく、健康被害の苦情もなかったので公表しなかった。認識が甘かった」と話している。
ところが細菌基準10倍で出荷 不二家、社内連絡が不徹底(1/12朝日新聞)によると
同社によると、昨年6月8日に製造したシューロールの細菌検査で、食品衛生法が定める基準の約10倍、同社の自主基準の約100倍にあたる細菌数を検出した。本来は再検査のあと廃棄しなければならなかったが、検査結果の社内での連絡が不徹底だったため、113本が出荷されたという。
ということがあり、出荷検査にも自信がもてなかったのかもしれません。
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同社は昨年11月には事実を把握しており、社内の対策会議では「マスコミに発覚すれば(集団食中毒事件を起こした)雪印乳業の二の舞いとなる」という文書が配られていた。藤井林太郎社長は「ことの重大さを伝えるための表現で、隠蔽(いんぺい)するつもりはなかった」と釈明した。
というのもありました。
「雪印の二の舞」を防ぐためには、製品の安全性の確保と確認が第一で、それに自信がないのなら消費者に注意喚起すべきだった(安全性が確認が取れているのなら公表しても大騒ぎにはならないですし)ように思います。
まあ、他人事の後講釈ならいろいろ言える、という部分もあるのですが。