一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

出会い系サイト規制法改正

2008-01-19 | よしなしごと

出会い系サイト、届け出制に・規制法改正へ
(2008年1月17日 12:28 日本経済新聞)

出会い系サイトを介した児童買春などの事件が後を絶たない状況を受け、警察庁の研究会は17日、サイト事業者の届け出の義務付けや、利用者の年齢確認方法の強化などの提言をまとめた。届け出義務化や罰則強化が実現すれば、違法業者の強制捜査も可能となり、児童の被害拡大に強い歯止めとなりそうだ。  

同庁は18日召集の通常国会に出会い系サイト規制法の改正案を提出、成立を目指す。

出会い系サイトを規制する法律と言うのがあったこと自体知りませんでした。
 「出会い系サイト等に係る児童の犯罪被害防止研究会」の報告書はまだアップされていなかったのですが議事要旨を見ると (こちら)

    • 「出会い系サイト」の定義:メッセージの交換ができるという意味ではmixiやモバゲータウンなども対象になるかどうか、というあたりが問題なのでしょうか
    • 海外にサーバーを置いている業者は規制対象外になってしまう
    • サイト管理者の負担が大きくなりすぎるおそれがある

などというあたりが議論されたそうです。

でも又聞きによれば、いわゆる「出会い系サイト」のビジネスモデルは、ソフトウエアによる「サクラ」で自動的にメッセージを入れて料金を浪費させたり、「無料」をうたい文句にしているところは広告料収入をメインにしているそうです。
つまり「実際に出会い系サイトに登録する本物の女性」というのは業者にとっては想定外で、いわんや未成年を組織的に勧誘するなどというコストがかかって収益に関係のないことにはまったく関心がないのだそうです。
(昔ピンクレディの『透明人間』に♪現れないのが透明人間です~♪というフレーズがありましたが、「出会えないのが出会い系サイト」のようです。)

となると、ますます悪質な業者(「良質な出会い系サイト業者」というのがいるとも思えませんが)は海外のサーバーに移ってしまうように思います(既に移っているのかも)。
逆に、「出会い系サイト規制防止法により本人確認をします」などといって、登録した男性の方から個人情報を取得して転売するというような新たな商売を始めかねないようにも思います。
まあ、出会い系サイトを会員側で利用する人はそれなりのリスクを承知で「出会おう」という目的があるのでひどい目にあうのは自業自得ともいえるのですが(決め付けすぎ?)

児童の犯罪被害をなくすという目的に対してはこの規制は費用対効果はあまりよくないように思います。上の記事にあるように「強い歯止め」になるのでしょうか?

児童に対する犯罪行為に対しては相手の精神的未成熟や社会的知識の不足につけこむものなので、児童側の出会い系サイトへのアクセスをコントロールする(それはまた別のアクセスルートを提供する業者が現れます)よりは、加害者(予備軍)側に抑止力を働かせるような仕組み、たとえば法定刑を上げるとか強制わいせつ罪などのように構成要件を変えるなどで厳罰化をするほうが効果的なようにも思います。
すべて厳罰化をすればいいとも思いませんし、新たな刑罰をつくると危険運転致死傷罪の「正常な運転が困難な状態」のように実際の適用が難しいというような問題が出てくるかもしれませんが、この問題への対策の実効性をあげるには効果的だと思うのですが。

コメント
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