一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

杉並区立和田中学の「夜スペ」

2008-01-31 | よしなしごと
教室が「塾」に…東京・杉並の和田中で有料授業スタート
(2008年1月26日(土)14:06 読売新聞)

賛否両論いろいろ報じられ、例によって「格差を助長」などという批判もでていますが、「和田中と地域を結ぶページ」 を見ると、①下位グループ(いわゆる「落ちこぼれ」)の集団を減らすための「50分で週28コマ授業」を改め「45分で週32コマ授業」への移行、②中位グループの底上げのための自主学習「土曜寺子屋」の実施、という従来の取り組み(参照)に続いて、③公立校の弱点である「吹きこぼれ」を出さないため、都立の進学重点校や私立の中上位校を狙う特別コースを作ったことがわかります。

つまり中学校としては極めて真っ当に満遍なく生徒の学力の向上に取り組む中の一環のように思います。

下位の生徒を教えもせずに上位の生徒を優遇するなら「格差の助長」という言い分もありうるかもしれませんが(それでもそれを「格差」というのかは個人的には疑問です)、学習意欲や能力のある子供に機会を与えることは、特に少子化の進む日本では重要です。


向上心のある人間の足を引っ張って引きおろしている余裕があるほど、今の日本の立ち位置は高くないと思うのですが・・・


家が貧しくて「夜スペ」が受けられない生徒を救うのは、奨学金とか社会保障の別の仕組みであって、彼ら(彼女ら)が授業を受けられないので特別授業をやめるべきだ、ということにはなりません。

もし結果としての格差を前向きに是正するのであれば、奨学金の財団などへの寄付の所得控除を上限なしで認めるなどの、「税金-予算配分-予算執行」のメカニズムを通さないで重点的に資金配分するようなしくみを作るなどの別の手立てを議論すべきだと思います(道路特定財源よりもそっちの方が重要かも。)。

コメント (2)
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