欧州議会選挙で躍進したフランス国民戦線(FN)は極右だと日本のマスコミは報じていますが、用語のゴマカシが仕組まれています。
欧米語の右翼は日本の保守にほぼ相当します。
そして欧州でextreme rightと言えばこれより右を指します。
細かく言えば保守より右も含めて全部右翼とくくっていたのですが、FNのような政党が出てきたのでextreme をつけるようになった。
ところで日本では保守より右は右翼です。
ここで右翼度の順に整理
欧州→ 右翼<極右
日本→ 保守<右翼<?
しつこいですが、欧州の右翼=日本の自民党みたいな保守、です。
欧州の右翼≠日本の右翼なのもお間違いなく。
では肝心の欧州の極右。
これには右翼より右が全部含まれるのですから、確かにバキバキのネオナチみたいなも入りますがFNはそんな過激な主張をしていない。
ところが日本のマスコミはこういう事実を知っていながら「直訳」して、極右と呼んでいる。
それにFNは欧州議会で、人権と民主主義の国フランスの票の1/4をとっています。
こういうマス政党を極右と呼ぶなら、投票したフランス人は全部極右ということになりかなり違和感があります。
繰り返しますが欧州の極右は日本の右翼より右ではないのです。
それを日本語で極右と報道すれば日本の右翼より過激で危険な政党のようなイメージが刷り込まれる。
FNのような立場を日本語にするなら保守急進派あたりがちょうど当てはまるでしょう。
ついでに言っておきますと、FNが伸びるきっかけの一つは、初期のFNをフランスのマスコミが執拗に攻撃したためかえって国民に注目・期待されたこともあります。
ちょうど今の日本の左翼マスコミが「ネトウヨ」を執拗に攻撃しているのと似てます。