さぼっていたプールへ行かねばと思い 朝済ませておこうと スーパーの
1番客になりました。
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この日はポイント5倍日で この際買っておこうと 油 味噌醤油 牛乳と
重いものばかりが 3袋になりました。
駐車場まで帰り 2度に分けて運ぼうかと思いましたが ええいっ!
面倒だと 腕が抜けるほど重い袋を全部持ち エレベーターまで来たら
あらら エレベーターの点検で 3時間ほど止まるとの貼り紙です。
階段で登らねばならず 2回に分けて運ぼうとしたところへ 同じくもう1人
点検を知らなかった若者が来て あれ~~ とのことです。
ユニクロの? ダウンを着た若者は 確か最近まで 遠くからでもすぐ解る
私立進学高の 学生服を着ていた彼です。
エレベーター脇に置いた 重い買い物袋を さっと2つ持った若者は
運びますよ 何階ですか? と言います。
若者に2つを持ってもらい 自分は1つ持って 彼に付いてゼロゼロと
階段を登り始めましたが 目方があるおばちゃんは だんだん遅れます。
若者は 振り返り 振り返り デブおばちゃんを待って また歩きます。
ようやくたどり着き 玄関前に2つの袋を置いて 去ろうとする若者を
おばちゃんは呼び止めました。
今運んでもらった袋を ガサガサとまぜて 板チョコを1枚取り出し
「 ありがとう 助かりました 食べてね 」 と手渡しました。
一瞬 びっくりの表情を見せた若者は 次に にっこりと白い歯を見せ
「 ありがとうございます 」
若者から見れば 彼の祖母にも近い そんな歳のおばちゃんの感謝を
ちゃんと 受け取ってくれました。
まだ上へと 階段を登ろうとする若者の背に 更におばちゃんは言います。
「 あ あのぉ~ それは バレンタインのチョコじゃないきね 」
若者は振り返り もう一度 にっこりしました。
そりゃそうです 特売で5枚買った 税込1枚69円のガーナミルクチョコが
バレンタインディのチョコであろうはずもなくて コーヒーのおともに求めた
板チョコです。
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私立高の卒業式は終わったばかりで 今は大学受験の真っ最中かな?
聞きたかったけれど 他人が 聞いてはならんことです。
荷物を置くとき きれいに散髪された 若者のうなじが美しくて それを
うっとりして ながめたおばちゃんです。
久しぶりのドキドキ感は バレンタインディ前日の 幸運日となりました。