くりまんじゅうの日記

世間より少し いやだいぶん遅れている
老シーラカンスです。

父を超える人。

2016-04-20 | 日記

熊本地震以来なぜか その人の顔が数度頭に浮かび 会いに来いの報せか
とも感じて 昔お世話になった人のお墓参りに 3時間近く走りました。

その人は15年ほど前勤務中倒れて 救急車で運ばれた病院で 駆け付けた
妻と言葉を交わすことなく 意識が戻らぬまま 50代前半の若さで逝きました。

亡くなったと奥さまからの知らせに 朝からの出来事を初めて知り 心臓が
凍りつく思いがしたことでした。

共働きの夫婦には女の子が2人いて 当時 下の娘は大学も決まり 間もなく
上京するという時で まだしばらく学費がいる中 奥さまががんばり 下の子も
社会人になりました。

やがて上の娘は家庭を持ち 定年退職した奥さまが同居し 2人の孫の子守を
して 若夫婦は共働きで暮らしてきました。

大学を卒業後 田舎へ帰らず都会で就職した下の娘も 30歳は超えたはず
奥さまが言うには 本人が 特に結婚はせんでもいいという考えらしく 私も
もう娘には 結婚のことを言わんようになりました とのこと。

決して男嫌いというわけではなく 理想のタイプは お父さんみたいな男で
そんな人が見つかれば いつでも結婚するとのことです。

15年前 朝ご飯を一緒に食べ にこにこ出勤した父が 夕方には箱に入り
無言の帰宅をしたことが 18歳だった娘には 頭から離れんことでしょう。

そうよね 〇ちゃん お父さん子じゃったものね  私が言うと奥さまが

お父さんほどの男が そうそう おるもんじゃない もっとレベルを下げんと
一生結婚できんよと 娘には言うてますけどね  と言います。

娘からも妻からも こんなにも慕われる 若々しい遺影のその人の 仏壇に
もう一度手を合わせ 来てよかったと思いつつ 帰りのハンドルを握りました。

 

 

コメント (4)
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